陸軍中野学校


1966年 日本映画

監督 増村保造(ますむらやすぞう)

脚本 星川清司

出演 市川雷蔵

   小川真由美

   加東大介



⚫︎あらすじ


昭和13年(1938年)、東京帝大卒の陸軍少尉・三好次郎(市川雷蔵)は、草薙中佐(加東大介)にスカウトされ、日本初のスパイ養成機関「陸軍中野学校」の第一期生に選ばれる


エリート候補生16名は名前を変え、家族や恋人の雪子とも絶縁し、過酷な訓練に没入する


戦闘術、外国語、暗号解読、変装術、爆薬・毒薬扱い、金庫破り、女性誘惑術、拷問耐性訓練など、あらゆる諜報技術を叩き込まれ過酷な訓練の日々を送る


家族と離れ孤独と苛烈さで、自殺や窃盗で強制排除される者など脱落者が相次ぐなか、三好は合理主義を保ちながら耐え抜くが、人間性は徐々に削がれていく


1年後、卒業任務として英国領事館から外交暗号コードブックを盗み出す


変装し成功するが、英国側が即座に暗号変更で無効化


参謀本部に内通者がいると判明し、調査で雪子がタイピストとして無自覚に情報を漏らしていたことが発覚


三好はスパイとして完璧さを求められ、愛する雪子を自ら毒殺するという冷徹な決断を下す





⚫︎感想


思っていたより2倍面白かったです。


戦時中の日本にスパイ養成学校ができる話です。


出演者を簡単にまとめると

スパイ→三好次郎(市川雷蔵)

次郎の婚約者→雪子(小川真由美)

スパイ養成所所長→中佐(加東大介)


陸軍中佐から急にスパイになってくれと言われた次郎は、次の日から婚約者の雪子とも会えなくなります。


雪子は急にいなくなった次郎を探す目的で、陸軍にタイピストとして入ります。


名前も変えた次郎はスパイの訓練を受けて、イギリス領事館から暗号読解の文書を盗み出します。


何も知らないままイギリス側のスパイにされた雪子は「日本のスパイが暗号読解の書類を見た」とイギリス側に知らせてしまいます。


そのことを知った次郎は雪子に会いに行き、やっと会えた次郎に喜んで抱きつく雪子を暗殺するんです。


何とも悲しい…そしてスパイファミリーのような要素もあるお話しでした。



⚫︎ 陸軍中野学校とは

かつて中野サンプラザの西側に実在しました。現在の中野区役所や中野四季の森公園周辺です。

このあたりは江戸時代は「お囲い」と呼ばれ、徳川綱吉お犬様)の犬小屋でした。

陸軍中野学校では「お国のために死ね」とは言わず「とにかく生き延びて最後の1人になるまで戦い続けろ」という教育だったそうです。

なんとフィリピンのルバング島で戦い続けた小野田さんは陸軍中野学校の一期生なんだそうです。最後の1人になっても生き延びたんですね。






⚫︎明石大佐とは?

映画の中で「ロシアに潜入した明石大佐こそが本当のスパイだ」と草薙中佐は言いました。


明石元二郎(あかし もとじろう)


日露戦争中(1904-1905年)ロシア公使館付武官としてヨーロッパに駐在し、ロシア国内の反体制組織や革命家、少数民族独立運動家と連携して、ロシア帝国を内側から崩壊させる工作を行いました。 その功績は「1人で20万人分に相当する戦果」と評されました。 


だから中佐は「自分1人の力で何ができるのか」と不安に思うスパイ候補生たちに明石大佐の名前を言ったんです。

日露戦争中のロシアでは、ロシア革命が起こり国内が混乱してしまい日露戦争だけに集中できなくなってしまったんです。

明石大佐がいなければ日露戦争の勝利は無かったのかもしれません。



⚫︎スパイとは?

国家、企業、その他の組織から雇われ、正当な許可を得ずに敵対組織や競合相手の秘密や機密情報を秘密裏に調査、収集して報告する人物です。別名、諜報員、間諜、工作員とも呼ばれます。


有名なのは007ですよね!


ただし草薙中佐は「実践で必要なものは知識や技術ではない、その場その場の総意と工夫、頭と度胸だ」と言っていました。

これってホントそう思います。