JSA
2000年 韓国映画
監督 パクチャヌク
脚本 キムヒョンソク
出演 イ・ビョンホン
イ・ソンエ
ソン・ガンホ
韓国軍を筆頭とした国連軍と北朝鮮軍の兵士が共同で警備するJSAで、許されざる友情を育む事になった南北の兵士達の交流を描いたフィクション。
⚫︎あらすじ
1999年10月28日、共同警備区域の北朝鮮側詰所で北朝鮮軍将校と兵士が韓国軍兵士により射殺される事件が起きた。
現場に居合わせた目撃者の韓国軍兵士は「拉致されて脱出した」、北朝鮮軍下士官は「突如攻撃してきた」と、それぞれ正反対の供述を行なう。
中立国監視委員会から板門店に派遣されて来たソフィー少佐は事件の真相に迫ろうとするが、そこには供述とは全く異なる真実が隠されていた。
南の兵士イ・スヒョク（イ・ビョンホン）はある日、北との軍事境界線内で地雷を踏んでしまう。それを北の兵士オ・ギョンピル（ソン・ガンホ）に助けてもらう。
以来、韓国のイ・スヒョクは北朝鮮のオ・ギョンピルを兄貴と呼び、夜な夜な軍事境界線を越えて手紙や、南の歌入りカセットテープを投げ入れていた。そしてとうとう境界線を超えて北側へ遊びに来てしまう。
北朝鮮のオ・ギョンピルとチョン・ウジンと仲良くなったイ・スヒョクは部下のナム・ソンシクも誘って4人で酒を飲んでいた。
しかし、見回りに来た北の上官と鉢合わせになり銃撃戦になってしまう。
中立国のソフィー少佐（イ・ヨンエ）は事件に不信感を抱き、真相を究明しようとするが上官から止められてしまうのだった。
上官は「朝鮮戦争当時、巨済（コジェ）という島に捕虜収容所があった。そこには共産主義者と反共産主義者がいた。そこでは内戦の中の内戦と呼ばれる戦いが起きた。
やがて終戦になり捕虜たちには選択の自由が与えられ、資本主義の南か、共産主義の北かに分かれた。
が、17万人のうち76人はどちらも拒否して世界に散らばった。君の父もそうだ。だから人民軍将校の娘に今回の操作はさせられないと判断した」と言う。
さらに「君は真実がまだ分かっていない、板門店では真実を突き止めることより、真実を曖昧にすることが求められる。帰ったらレマン湖によろしくな」とスイス帰国命令が降ってしまう。
真相究明をあきらめたくないソフィー少佐は、最後にもう一度だけイ・スヒョクに尋ねると…
⚫︎感想
「あぁ、男と男の友情物語りかぁ…」
なんて思って観ていました。
ところがどっこい、とっても深い映画でした。面白い、そして勉強にもなるおすすめ映画です！
最初にボブカットの可愛い女性が朝鮮半島の板門店に赴任して来ます。それが“チャングムの誓い”のイ・ヨンエです。なんと彼女はスイス人なんです、38度線にある板門店は中立国スイスが管理しているようなんです。
彼女は板門店で、北朝鮮側と問題を起こした韓国軍人を取り調べるんです。その韓国軍人は“美しき日々”のイ・ビョンホンです。
そしてそして北朝鮮側の軍人を演じるのが“パラサイト”のソン・ガンホです。もう面白そうでしょう。
そして登場人物の言葉にも注目です。
板門店監督局長
「今の北と南は乾燥した森だ、少しの火種で燃え広がる」
韓国将軍
「この世には赤と赤の敵しか存在しない、中立は存在しない」
北の兵士
「南の徴兵は2年？北は13年なんだぞ」
北の兵士
「夢は我が共和国が、南朝鮮より旨いおいしい菓子（チョコパイ）を作れるようになることだ」
一言一言に重みがありますよね。
韓国企業ロッテのチョコパイは北朝鮮でも人気があるそうです。日本でも人気ありますよね！
⚫︎ JSA
Joint Security Area（共同警戒区域）
韓国と北朝鮮の軍事境界線をなす非武装地帯（DMZ）に設けられた約800メートル四方の区域。 板門店のこと。 朝鮮戦争休戦協定締結翌年の1954年に設置され、境界線の北側は北朝鮮軍、南側は韓国軍が警備をしている。
⚫︎中立国停戦監視委員会（NNSC）
朝鮮戦争で中立宣言したスイス、スウェーデン、チェコスロバキア（当時）、ポーランドの4カ国によって板門店に置かた。4か国それぞれから将校が派遣され、任期は3年間。しかし現在は中立を守るスイスとスウェーデンが監視活動を行っている。
⚫︎ 巨済（コジェ）捕虜収容所
1950年6月25日に朝鮮戦争が勃発したことにより設立され、17万3000人余りの捕虜が収容されていた。15万人が北朝鮮軍、2万人が中国軍の兵士とされているが実際には民間人もかなり混じっていた。
⚫︎対北接触事件
1998年2月、板門店の警備兵だった金中尉が死亡し、韓国国防部が調査を行ったところ、1996年から1997年まで韓国軍兵士の一部が共同警備区域で北側と30回接触を行い29点の物品を受け取っていたことが判明し24名を摘発した。
いやぁ、韓国ってドラマも映画もアイドルの歌もホントにいいですよね！
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