めまい


1958年 アメリカ映画

監督 アルフレッド・ヒッチコック

脚本 アレック・コペル

原作 ポワロー・ナルスジャック

出演 ジェームズ・スチュアート

   キム・ノヴァク



高所恐怖症の刑事が、旧友から不審な行動をする妻の尾行を依頼される。しかし、その妻はめまいを起こしそうな高い塔に登ってしまうのだった…



⚫︎あらすじ


刑事のジョンは、同僚の警官が屋根から落ちるのを見て高所恐怖症になり警察をやめる。


旧友から連絡があり、妻の様子がおかしいから刑事だった君に妻のマデリンを調べて欲しいと依頼される。


マデリンは花を買い、墓参りをして、美術館の絵の前にじっと座る。


墓も絵もカルロッタという女性だった。


ホテルに入った彼女を見たジョンがフロントに確認すると、彼女は来ていないと言う。


ホテルは、1879年8月の銃撃戦で亡くなった美しいカルロッタの邸宅だった。


踊り子だったカルロッタは金持ち男に身請けされ、そして孕った。しかし、その赤ん坊は、金持ち男の本妻に引き取られ、悲しみのカルロッタとなった。


カルロッタは子供を探して街中を探し回り亡くなった。自ら命を絶ったのだ。


友人の妻はカルロッタのひ孫だった。

正気を失って自殺した曽祖母の霊を受け継いでいるのだ…


とうとうマデリンはサンフランシスコ湾に身を投げしてしまう。彼女を見張っていたジョンは飛び込んでマデリンを助ける。


ジョンに御礼に来たマデリンは、これから街を徘徊するという。それなら一緒にぶらぶらしようと提案して、二人で一緒に徘徊する。


またも正気を失ったマデリンは海へ身を投げようとする、止めるジョン、そして抱き合いキスをしてしまう。


マデリンはとうとう高い塔から身を投げようとする。止めようと後を追うジョンに高所恐怖症がよみがえる。


そしてマデリンは飛び降りてしまう…


裁判で妻の死因は自殺であり、刑事のジョンにはどうしようもなかったという判決が下る。


しかし、その後からジョンが悪夢に侵されることになる。過去に起きたことに悩み、今度はジョンが徘徊するようになってしまった。


ジョンは、音楽療法で効果的なアマデウスを聴く。モーツァルトは頭のクモの巣をはらってくれる、アルコール依存症やうつ病用や心気症用もあるという。


ジョンは女性の死は自分のせいだとして、重度のうつ病と、罪責複合で入院する。


退院したジョンは、彼女を探して街を徘徊するようになってしまう。


ある日、ジョンは彼女にそっくりな人に出会い食事に誘うのだ…





⚫︎感想


やっぱりヒッチコック監督の映画って面白いです。


冒頭の警官が落ちていくシーンは有名ですよね、あのシーンを目撃してしまった主人公が高所恐怖症になってしまう映画。と、思っていたら全然違う展開でした。


あぁ、あの奥さんが過去からの亡霊に取り憑かれてしまい、めまいを起こしてしまう映画なのか。と、思っていたら、またまた全然違う展開でした。


古い映画なのに、ずっと楽しく観られる天才ヒッチコック監督の映画「めまい」おすすめです。



⚫︎ヒッチコック登場シーン


今回は造船所の前を通り過ぎるシーンにカメオ出演しています。わりと早いうちに出てきます。

ヒッチコックの映画はウォーリーをさがせ的な要素もありますね。

ヒッチコックは、ジョンが死んだはずのマデリンを愛すことを屍姦(しかん)と言っているそうです。屍姦とは死体を犯すことだそうです。



⚫︎ジェームズ・スチュアート


1908年5月20日〜1997年7月2日

アメリカの俳優 身長191cm


アメリカ映画スターベスト100の第3位。善良なアメリカ人の役が多く「アメリカの良心」と呼ばれました。

キスシーンが苦手で、ヒッチコック監督から「彼はグレース・ケリーやキム・ノヴァクとキスできるのに嬉しそうではない」と言われたそうです。


映画『裏窓』で足を折って部屋から他人の暮らしをのぞくうちに事件を見つけてしまう人です。

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映画『素晴らしき哉、人生!』では自殺をしようとして天使に助けてもらうジョージです。

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⚫︎キム・ノヴァク


1933年2月13日〜

アメリカの女優


モデル時代にコロンビア映画にスカウトされて女優になりました。

サミー・デーヴィスJr.との交際で、サミーはコロンビアから脅迫されたそうです。