第10部 ブルー・スウェアー 第6章 地獄界の住民たち | ブログ小説 第10部 ブルー・スウェアー

「もう退院したら、会社に復帰するの?」

「うん、少し休んでから行こうと思うけれど、すぐに辞めると思う」貴美枝はサバサバとした口調でいった。

「えっ?」

「だって、あんな事故を起こしてみんな死んじゃったんだよ。忘れるためにもすぐに辞めると思うよ。もう淡路島を出て暮らそうとも思っているかも!」貴美枝は想いを吐露した。

「・・・私も出たいかも!なんにもしていないのに十字架を背負ったような気分だわ!」

「全くだわ。でも折角、助かったのだからなんか今までとは違う生き方もしてみたいのかも・・・って思えたりしてきたりするんだよね」貴美枝の言葉に愛那はふつふつとわきあがってきていた気持ちが全く同じものであることにいささか驚いた。

「・・・一緒だわ。私も、きっとやめると思う」

「そうした方がいいわ。思い出すだけだし、また新しい人生を見つけていけばいいのよ!!」貴美枝はどこか晴れ晴れとした表情(かお)に変わっていた。


直美は研修をトレーナーの杉田領というまだ年の功20代くらいの若い男性だった。直美ともう1人同期で研修を受けていると、ドアをノックをする音がすると、ドアがそぉーっと開いた。

「あら、今、大丈夫かしら?」茶目っけたっぷりの顔で忍が顔をひょこっとのぞかせた。

「・・・はい」杉田はどこか強張ったような緊張した面持ちでうなづいた。

「あぁ、みなにお茶をもってきたの。よかったら飲んで!!」忍は杉田をみてニコッと口元に微笑みを浮かべた。

「ありがとうございます!」どこか緊張した面持ちの杉田と対照的に忍は杉田を自分の息子をみているかのように優しい微笑みを浮かべた。

「はい、どーぞ、お茶、外は暑いからね!」そういうと直美ともう1人の同期の浜崎香里にも冷たいお茶を差し出した。

「シーちゃん、ありがとう」

「いえいえ、どーいたしまして!!何かあったらすぐに呼んでね。すぐにいくから!!」忍はウインクするかのような笑みを浮かべるとドアをゆっくりと閉めて出ていった。直美はふーんとした顔で部屋を出ていった。

「さっ、続きをはじめますね!」杉田は気を取り直すように研修を再開した。

直美は資料をみながら、この間の社長の久子が凍りついたようにみていた姿を思い出していた。


「いろいろありがとうございます!」貴美枝の母親の村川佐江子は松葉杖の愛那に深々とお辞儀をした。

「頑張ってね。いろいろと・・」

「ありがとう」

「あなたが退院して、会社に戻るころには私はもういないかもしれないから、ここで挨拶しておく」貴美枝はニッコリと微笑みを浮かべた。

「・・・」愛那はうなづいた。

「元気でね!また機会があったら会うかもしれないけれども」

「この島にいたらたとえ辞めたとしてもまた会えるよ!」

「うん。そういいながら会社であったりしてね!この島にいるかぎりは・・」

「そうかもね!」

「・・・じゃあ、また・・」貴美枝はそういうと愛那に手を振ると、愛那も手を振り返した。貴美枝は病院の前に迎えにきていたタクシーに乗り込んだ。次に母親が乗り込もうとしたとき、貴美枝の母親の佐江子は振り返り、深々とお辞儀をするとタクシーに乗り込むと貴美枝はタクシーの窓越しに手を振っていた。愛那も松葉杖から手を起こすと手をふった。タクシーはゆっくりと駆け出して病院から消え去っていった。愛那はタクシーが消え去っていくと寂しい気持ちに囚われた。

「私だって、きっとこんなことに負けたりしない」愛那は自分に言い聞かせるようにつぶやいた。


p.s

一昨日の朝、キャンドルレッスンのあった日の朝、ケーキを作りましたが、、作り方を間違えて、レシピとかけ離れたものが出来てしまい💦ショック😭をうけていて、キャンドルレッスンが楽しかったからよかったのですが(レッスンに遅刻したけれど、先生、やな顔せず、優しかった😭)昨日の夜、失敗ケーキを取り出す時の暗澹たる気持ち・・・。取り出してみたら、本当はもっと綺麗にできる予定だったのですが、そこまで悪くないかもって思った‼️


チョコとストロベリーのムースケーキ🍓



レシピはもっと綺麗だったはず!!

今度、3ヶ月以内にリベンジしますわ❣️

今度はもっと綺麗なケーキにします。レシピはもっと綺麗!!あの日は泣きたい気持ちだったけれど、そこまで悪くないか。。味はまずくもないし、美味しくもない感じ。。普通のケーキ。


pp.s

悲しみの雨、、6/3以来ひさびさの更新です❣️

俄然やる気がようやく出てきました。

「雨の中の告白」でーす‼️

https://ameblo.jp/ilovesister38/entry-12489417680.html