第10部 ブルー・スウェアー 第5章 魔力 | ブログ小説 第10部 ブルー・スウェアー

健三は302号室にいる村川というマジックペンで書かれている表札を眺めていた。ほんの少し空いている隙間からみると愛那の助かった同僚は既に起き上がっていて、窓の外を眺めていた。その凛とした姿に健三は内心、動揺していた。愛那が起き上がれなくてもがいているというのに、もう1人の意識が回復した貴美枝は姿勢正しく窓の向こうを眺めていた。健三は話かけたい衝動にかられた。それは事故の真相を聞きたい気持ちが駆け巡っていた。意識はしっかりしていそうだった。事故にあったとは思えないほどに気丈であるように思えた。声をかけようかと思ってみたが、いきなり声をかける勇気がなかった。そぉーと扉を閉めた。

健三は、病室に戻ると愛那はベットの上で弱々しくうずくまっていた。

「愛那、大丈夫か?」健三は今にも崩れ落ちそうな弱々しい姿のパジャマ姿でいた。健三の問いかけに愛那は少し笑顔を取り戻していた。

「・・・うん」

「よかった。なんか食うか?」

「大丈夫よ!」

「お粥でもどうか?いつも点滴ばかりじゃ味気ないだろう?お粥ぐらいならいいってお医者さんから言われているだよ!」健三は作り笑顔を浮かべながら意気揚々としていた。

「大丈夫よ」

「そうか?君のお友達が隣にいて、元気をとりもどしているようだよ」健三は顔色が悪い愛那に励ますようにいうと愛那は少し驚いた顔になった。

「・・だ・れ?」

「俺もよくわからないけれど村川さんといったね」

「あぁ、助かったんだ」愛那は小声で呟いた。

「なんか容態もよさそうだから、お前も早く元気になってくれたらいい。お医者さんも言っていたぞ。折角、助かったんだ。こういったらなくなった人に申し訳ないけれど、折角助かった命なんだ。もっと自由に、楽しく生きて欲しいって言ってたぞ」健三は愛那にいうと、愛那はいっときやんわりと笑顔を浮かべた。

「・・うん」



p.s

今日から第5章「魔力」が始まりました!今、第6章「地獄界の住民たち」を書き始めたら、なんか具合が悪くなりました💦気持ち、悪い👎このセカンド的ミドルコアな悪女が登場します。「地獄界の住民達」を書いたらホントに地獄の波長があっているかのように気持ちが悪くなりました。

やはり、いい環境の中で生きて行くべきだと思うんです。社会は時には残酷で社員以外は「人」ではなく「物」として扱っているような風潮があるなぁって思う時があるけれど、、少しでも光が当たるような所に彷徨っている人も多いのも事実のような気がします。まぁ、私も光があたる場所を無意識に求めているんですよね。


あぁ、それにしても「地獄界の住民達」はキツイー!!!