「えっ?結構有名じゃない?」
「びっくりだよ!知っているなんて!」
「何回かテレビでみたことがあるけれど、よくわからないうちに終わったよね。うちの兄がB級アイドル好きでなんかいろいろグッズがあったような・・でもさ、あの藤本真広って亡くなっているけれど、たしか店長があの人が生前、お店にたまにくるって言ってた。店長もあの人をよく知っていて、引退しても可愛いとかいろいろ言ってたわ」真理絵はあっけらかんとした口調でいった。
「・・・知っていたんだ。私さ、どこかであの人をみたことがあるのよ。思い出せないのよ」愛歩はテーブルに不思議そうな顔でいった。
「ふーん・・・あれじゃない?あの人、生きて頃、お弁当屋にたまに来ていたみたいよ。だから無意識に知っていたのかもよ」真理絵は気持ちを推し量るように淡々といった。
「えっ?私があそこで働いていたのは5年以上前でしょ?その頃いたのかしら?」愛歩は記憶を辿るように天をあおいだ。
「そうねぇ。愛歩より私の方が1年くらい先でもう7年もバイトしていたから会ったことがあるんじゃない?たぶん。その頃まだ、生きていたんじゃない?もし、あれなら店長に聞いてみるよ。店長ならいろいろ知っていそうだし。でもなんであの人のことが気になるの?あなたには関係のない人じゃない?」真理絵はことも無げにいった。
「いろいろあるのよ。不思議な偶然というか重なっているのよ」
「ふーん。あまり首は突っ込まない方がいいよ」
「そうだね。でもさ、あの人は私を知っていたのだろうか?」愛歩は呟いた。
「あの人って?」
「藤本真広って・・」
「そんなこと考えたって仕方ないじゃない?」真理絵は遠くをみてふいいる愛歩の気持ちを振り払うようにあっけらかんといった。
「そうだね。考えたって仕方ないことだよね」愛歩も気持ちを振り払うように明るくいった。
愛歩は真理絵と別れると家に戻ろうとする知らない固定電話からかかってきていた。
「もしもし、どなた様ですか?」
「わたくし、khaosの小塚と申します。純平くんのおばです」
「あぁ、おばさん!」
「今、大丈夫かしら?」
「はい、どうされたんですか?」
「なんかすごくいいずらいんだけれど、仕事を延期していいかしら?」敦子は少し言いずらそうにいった。
「えっ?」愛歩は絶句した。
「3カ月ほど就業を延期して欲しいのよ」敦子の声は小さくなっていた。
「なんか・・・あったんですか?」
「それが、いろいろあって、あなたがどうこうという訳ではなくてこちらの諸事情なの。だからホントにごめんなさい。少し延期していただけませんか?」
「・・そうでしたか?わかりました。仕方がないですよね。大丈夫です。気にしないでください」愛歩は気落ちした声で頷いた。
「暮らしは大丈夫?」
「・・何とかします。」
「・・・ホントに大丈夫?・・・」敦子の問いかけにうつむいていた愛歩は顔をあげ頷いた。
「ええっ、大丈夫です」愛歩はショックをこらえらながら気丈に振る舞った。
「ごめんなさいねぇ。また会社の中が落ち着いたら連絡しますね」
「・・・はい」敦子は愛歩をいたわるようにいうと電話をきった。
愛歩は遠くをみながらため息をついた。
(これから・・どうやって生きていけばいいのかしら?)
p.s.この後の記事を書き直さなくてはいけなくてかるーく溜息☆話のつじづまが合わない為に書きなおす、、なるべく収束に向かうように書こうと思っているのですが、、ラストシーンはとても深く深い意味のものになりそう(←意外)途中、、物語が空中分解してしまい、、どうしよう?すごい憂鬱な気持ちに沈んでいた時期もありましたが、筆が落ちたりしましたが、こないだ少しアップした所から話をつなげる為に少し書き直しが必要ですが、、何とか終わりそうな予感(油断大敵!)
今日はぷちキセキがありました。出掛けるバスの中で大雨が降っていて、ガビーンという感じでしたが、、バスを降りた途端にピタッと晴れましたぁ。すごいタイミングでした。その後、晴れ渡り平和な一日でした。ホント、すごい。