第8部 悲しみの雨 第4部 許されぬ夢 | ブログ小説 第10部 ブルー・スウェアー
真広のコンコンとハイヒールの音がマンションに続くコンクリートに鳴り響いた。真広は少し緊張しながらも一昨日いた少年たちの場所をちらっと横目で見た。今日は誰もいなかった。真広は大きな溜息をついた。
真広は何年かぶりに誠一と二人で眠い目をこすりながら海に繰り出した。二人で電車に乗って海に向かった。真広はいつも以上にラフな格好をして、誠一はポロシャツに黒のパンツにスニーカーを履いて二人ともリラックスしすぎて電車の中で居眠りをしていた。気づいた真広は誠一を起こして、電車を乗り直してようやく海がある最寄り駅につくと海岸沿いを真広と誠一は歩いていくとコテージが見えてくると真広は少しはしゃいだような気分になった。
「あそこよっ、あそこっ!」真広は見えてきたコテージを指を指して言った。
「あぁ、懐かしいなぁ」誠一は遠い過去を懐かしむようにしみじみと言った。
「ホントっ!何年前かなぁ?私が22の時だからもう6年前かぁ!タイムスリップしたような感覚がするわ。」
「もうそんなに経つんだなぁ」誠一は目の先にどんどんせまってくるコテージに目を馳せながら言った。
「ホントだねっ。懐かしすぎる!」真広は何とも言えない複雑な気持ちになった。
真広と誠一は紙切れに油性ペンで願いごとを書くために迷っていた。誠一は少し戸惑っているような表情(かお)を浮かべていた。
「こんな子供じみたようなことをするなよ。乙女かよ!」誠一は苦笑いを浮かべた。
「子供じみたことでも、どうでもいいと思えることが案外大切だったりするものなのよ」真広は真顔で答えた。
「なんかおまじないやっているみたいで気持ち悪いよ。」
「いいでしょ。書いて減るものではないんだし」真広はぷっーと膨れっ面をした。そういいながらも真広はコテージの人から貰った紙に藤本真広と沢村誠一の名前を油性ペンで記して真ん中にハートマークを記した。
そして<forever>と記し日にちを記した。2000.8.3と真広は日にちを記すと小さく折りたたみ、小瓶に入れた。こして、砂浜の砂と小さな貝殻をいれて蓋を閉めるとコテージの下に真広と誠一は下に降りて砂浜の下に手で砂をほって埋めた。
「また、二人の関係が前進したら、ここに来よう」真広が誠一にいうと誠一も優しく微笑んだ。
「そうだな。また近いうちにな」
真広は昔のことを思いだしながら急に感極まって俯いた。
「どうしたんだよ」誠一は真広を見て少し驚いたようにいった。
「また、一緒にここに来れたことが嬉しいのよ。ひとりで懐かしい気持ちになるんじゃなくて、またすぐには来れなかったけれど、またここに来れて嬉しかったのよ」真広は嬉しくてこぼれ落ちる涙を手で拭いた。
「そうだな。本当におまえとここに来れるなんて奇跡だな。奇跡の何ものでもないよ」誠一もぼんやりいった。
「奇跡って言葉が何よりよく似合うわ。いろいろ周り道はあったけれど、やっぱりまた一緒に来れることが何より嬉しい」真広は感慨深く呟いた。
二人は海岸沿いのガードレールを乗り越えると海辺に入った。コテージの近くに来ると真広はコテージの下に行った。誠一はゆっくりと真広のあとを追った。真広はしゃがんで思いあたる場所を手探りで砂をかき分け始めた。誠一も一緒になって土に埋めた瓶を探し始めた。
「たしかここらへんだったのよ。たしかね。記憶が曖昧だけれど・・」真広は膝を砂につけて手でかきわけ始めた。
「じゃあ俺は、真ん中らへんを探すよ」誠一も手でかきわけ始めた。
「あっ、なんか今、ぶつかったけれど、もしやこれは昔の・・・」真広は急に手で砂をどんどんかきわけ始めた。そして真広が力を入れて何かを引っ張りだすと湿った土がついた古びた瓶が出てきた。真広は手で土を払い落とした。
「わぁー、ひょっとしたらこれ昔の埋めた瓶じゃないの?まだ誰にも掘り起こされずにちゃんとあったー!」真広は少し感動しながらも、瓶の蓋をあけた。少し茶色く変色した青い紙を取り出し、ゆっくり広げた。
昔、6年前に記した言葉が臆面もなく出てきた。

p.s
最近、疲れがどどぉーっと凄いんですよ。だからこれから少ししっかり休もうと思うのですが、、悲しみの雨→レムリア→& moreということでたくさんの作品がスタンバイしていたり、その他の作品を書いたりしていて、、今日で3日連続、遅くまで執筆した⭐️疲れた。。何をそんなに頑張っているのっていいたくなるのですが、今日、短編で書いた物語ですごい私の名言が生まれたんですよっ!夢を追う男を支える女の台詞。
「私の稼ぎであの人を養っているけれど、昔の私は夢のない女の子だった。いつも苦しい生活に追われて、あなたがそういうのはもっともだわ。堅実な人を選ぶべきだって。でも、あの人が夢をみることの大切さを教えてくれたの。人生って、保険じゃなくて、ドリームなんだっていうことを」っていう台詞が我ながらよく書けたと思うんですよねっ  笑

堅実でエリートの男と夢を追い養っている男の間で揺れる女心の台詞。ふふふ。久しぶりによいものがかけました!
私なら自分がドリームみたいな人なので、堅実な人がよいかもですねクローバークローバー両方夢を追いかけてたら大変ですからねクローバー
人生はドリームって我ながらじーんときたんです。人生って儚い泡って感じがするんです。
すべてがはかないもの。

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