第7部 私の愛まで 第9章 見知らぬ影 | ブログ小説 第10部 ブルー・スウェアー
「家族円満の石はこれかな?グリーンアゲートという石なんですよ。良かったらこれ1個あげるね」そう言ってパワーストーンの店員は未歩に赤とピンクの入り混じったような小さな丸い粒を一粒差し出した。美しいパワーストーンを未歩は手にとってしげしげと見つめた。 
「お嬢さん、かわいいからサービスしてあげる」店員はそう言って差し出した一粒のパワーストーンを手に戻してもらうとレジカウンターのところでシルバーのチェーンを通しながら一生懸命何かを作っている。その間、未歩はお店の中をみると万単位するパワーストーンがずらりと並んでいた。10分ほどして女は出来上がったネックレスを小さなこじゃれた箱に入れて持ってきた。 
「こちらです」差し出されたパワーストーンのネックレスは洗練された大人がつけるような高そうなネックレスになって未歩に差し出された。 
「本当にいいんですか?」
「全然大丈夫ですよ。でも普通に買うと3000円以上する石だしネックチェーンを合わせると5000円以上するから大事に使ってくれたら嬉しいです」 
「ありがとうございます」未歩はペコリと頭を下げた。女の店員は未歩の首にネックレスを後ろからかけてあげた。何だか少し大人になったような気がした。