第7章 私の愛まで 第9章 見知らぬ影 | ブログ小説 第10部 ブルー・スウェアー
結局、未歩は奈央子に肝心なことは何も聞けないまま未歩は後ろ髪を引かれるまま未歩は家に戻った。今日、思いっきって行動したことで思いがけない事実を知らされたことで未歩の中で別の意味で悲しみに包まれていた。お母さんは何を隠しているの?お母さんのあの涙は何だったのだろう?いろいろ思いがかけめぐった。未歩はさほど母親に執念はなくパパっ子だったけれど、朱理はママッ子だったから母親の背信は話したら深く傷つける結果になってしまうのだろう。 

本当にこの山崎家ってある意味で凄い家だと思う。栄枯盛衰という言葉がここまで似合う家もないのだろう。長年、まるで帝王のように青山の地に君臨してきた山崎家だったけれど父親の逮捕をきっかけにもろくも崩壊したけれど未歩の中に一つの疑問が生まれた。本当に父親が原因だったのだろうか?崩壊は本当は本当はずいぶん昔から始まっていたのではないか、そんな疑問が浮かんだ。本当はとっくに崩壊していて父親の件で全てが表面化して行った。思いがただ表面化しただけではなかったのか?今日会いに行った時、父親も何かを知っているような感じがした。この家にはただならぬ秘密が眠っている。一体、何があるというの? 
ゴーン、ゴーン 
荘厳な鐘の音が広すぎる家に寒々しく響いた。 
「ねぇ…何のバチあたりなんですか?」未歩は小さな言葉で呟いた。