第2部 トライアングル 最終章・この暗闇(げんじつ)を超えて | ブログ小説 第10部 ブルー・スウェアー

「心配するなって言う方がおかしいけど何でも僕に言って・・危険を感じたらこの事務所に泊まればいいよ。野獣じゃないから安心していいよ」吉永ははにかみながら言った。

「ありがとう・・・けど・・・私・・彼を助けてあげたいの」

「多少なりともリスクを伴う」

「もう感じているし・・・・」

「どうするつもり?」

「警察に届けようと思う」

「やみ組織に狙われるかもよ」

「もうどっちみち狙われているなら一緒だよ」なげやりに呟くめぐ未。

「・・・・・」

「どっちみち死んじゃうのかなって」

「何考えているんですか?そんなバカなことがあるわけないじゃないですか?!僕がそんなことをさせないですよ」意気込む吉永。

「きっとそんなものなんですよ」悲しげに見つめるめぐ未。

「めぐ未さんらしくない」

「私・・・もう・・・ダメ・・・・・・・」泣き崩れるめぐ未。

「ダメなんかじゃないです!状況は必ず変えられますから諦めないで下さい!」懸命に励ます吉永。

クラッときた。素直にいい人だ。どうして押本にはこんな優しさがないのだろう?

自分には全く関係ないのに一緒に戦ってくれるかけがえの存在(ひと)だ。自分を顧みない利他的行為のパワーはどこから沸きあがってくるのだろう?

「なら僕も一緒に警察にいくよ」

「ありがとう。どうしていいか不安だったの。何だか元気が沸いてきた。」

「約束して、絶対に一人で無茶しないって。一人で思い悩まないで」

「・・・・・うん」めぐ未は涙を拭いて小さく頷いた。


                               つづく、、