前回の続き。

今回は全て甘いもの。

 

JR九州「ゆふいんの森」車内限定駅弁「折鶴」を引き取り、再び屋上へ上がったが、弁当をこれ以上中途半端な時間に食べる気はしない。とはいえ小腹は空いている。

そこで今回初めて屋上で甘いものを随分食べた。

これまで確か横浜郊外の四角いプリンを一気食いしたことはあったが、あれはそうしないと痛むと思ったからで、パン特に玉出木村家のパンをすぐ食べたのはお初である。

数回前に取り上げた“ご当地パン特集”の時と似た行動パターンとなっている。

お蔭で当初の誓いはどこへやら、目方が増えた…。

 

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もっちりどら焼(クリーム味/いちご味)(各180円)(岡山・リノ) 

これも「2ちゃんねる」を見て、買う気になったもの。

その名の通り、もっちりとした薄めのどら焼生地でクリームを挟んだもの。クリームはふんわりとした優しい口当たりで、皮の質感とよく合う。

しかし、これはもはや「どら焼」と言えるのか?

“薄皮ホットケーキサンド”と言っても通用しそうな、完全に洋風の菓子である。

因みにナイフなしの環境下で、中身がよく写るようにと、撮影用に懸命に皮1枚剥いだが、皮がもちもちしすぎて、随分と苦労した。

その苦心作(?)がコレ。↓

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水ようかん (福井・えがわ)(700円)

これは毎回買っている。

水羊羹は実は福井県が名産だが、彼の地では夏ではなく真冬にこたつに入りながら食べるのだそうだ。

確かに私も、水羊羹ではないが、冬に食べるアイスが好きだ。

身体を温めながら、口にだけひんやりと冷たくて甘いものが滲みわたってゆく快感!これは味わった者にしかわからない。

 

さて本製品。

上品で控えめな甘さのこしあんに黒糖味が効き、シンプルながら奥深い味わいとなっている。量も十分。

名産というだけあって、福井には色々水羊羹を作っている店があり、毎年この「駅弁大会」の直後に京王新宿で催される福井物産展には、5種類余りのさまざまな水羊羹が一堂に会する。

私も一度全て食べ比べてみたが、やはり王道というか定番のこの店の水羊羹に落ち着いた。

 

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玉出木村家 菓子パン各種

 

今年も懲りずに買い込んだ玉出木村家の甘いパン。

すっかり顔を覚えられた大将に見せてもらった、今後のイベント予定表を再掲するが、あまりこの店のパンばかり立て続けに食べ続けると、代謝能力が落ちてきた我が身としてはどんどん太る一方になってしまうので、スミマセン…折角見せてもろうても、不義理ばかり働いております。

チラシで見る限りでは、3月上旬の新宿京王には、“甘くない”「グラタンパン」というのが来ていたようで、それはそれでそそられるが、まぁ似たようなパンは他で随分見るからなぁ…と負け惜しみというか自分に言い聞かせるというか…。

今回初めて会場で買い込んだパンの一部を早速屋上で頂いたのは上で記した通り。

以下はそれも含めたレポート。

 

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クリームパン (162円)

数回前に記したように、販売所では敢えてお店の方にリクエストして初めて出してくれるパン。

細長い形にやや固めの生地。表面にアーモンドスライスが乗り、香ばしい食感を生み出している。

それとは対照的に、中身はたっぷりのカスタードクリーム。

玉子がたっぷり入った黄色いもたっとした食感。

勿論砂糖たっぷりの甘めの味つけ。

豪快にたっぷり入っているので、ガブリとかぶりつくと、クリームがはみ出て大変なことになるかも…。

 

・ロールデニッシュオレンジ (216円)

昨年の記事を読み返してみると、先のクリームパンも含めて同じものを2つ真っ先に取り上げていたんだなぁ…と気づかされた。

外側は粉糖のまぶったサクッとしたパイ生地。それにくるまれた中身はしっとりとしたロール生地。

いちご、バナナ、アップルなど色々な味があり、以前は「バナナ」がよく来ていたが、昨年に続き、今回も「オレンジ」であった。

他に「みかん」もあるが、柑橘系のフレーバーは、パンの濃厚な甘みと具の酸味のコントラストが際立ち、“甘い×甘い”の「バナナ」よりも、個人的にはこちらのほうが好み。

 

ウィンナーショコラ (259円)

分厚くコーティングされたチョコレート層の下は、柔らかめのパン。中は空洞になっており、やはりたっぷりとカスタードクリームとチョコレートが入っている。

このパンには凡そ“甘さ控えめ”などという言葉は無縁である。

全てがとにかく甘い。

外側のチョココーティングがたっぷりと甘いから、中身のカスタードクリームやチョコレートクリームは甘みを抑えて…などという軟弱なことはしない。

そんなコントラストを重視するなら、そもそも中にまでチョコレートを入れないだろう。

いっそのことカスタードクリームもやめにして、全部中身もチョコレートクリームにしてもええんちゃう?とも、大のチョコレート好きとしては思わなくもないが、さすがに味が単調になってしまうのを避けたものか?

毎度記すことだが、上にかかったチョコレートが横にまで垂れて、どうあがいても、台紙を剥がす時に、滴りかけたまま固まったチョコレートがぽろぽろ零れ落ちるのを避けられないが、このパンを食するものは、そのチョコレートのくずも、余さず拾い集めて口の中へ放り込め!!

私はそれがこのパンを食べる時の“お作法”だと勝手に思っている。

 

ゆずケーキ(216円)

前から噂には聞いていたが、今回初めて巡り会えた。

カップケーキのゆず味、アイシングがけというのが、簡にして要を得た説明だと思う。

とはいえこの店のものだけに、中のパウンドケーキ=甘さ控えめなんてことはしない。やはり甘さは強めである。

砂糖のペースト(製菓用語で「アイシング」というのだそうだ…)は、これもたっぷり甘め。

カップケーキは割と中のパウンドケーキが甘さ控えめだと、ただでさえパサパサとした食感なのに、味の単調さが強調され、おまけにアイシングまで控えめだと、もう紅茶か何か液体の力を借りて飲み込むしかないのだが、この「ゆずケーキ」は全体的に濃厚な味の割に、バターの風味はさほどなく、ゆずのさっぱりとした甘さが代わりに加わって、食べやすい味だった。

勿論、飲み物の助けは借りていない。

 

ベネティアーナハーフ (518円)

この店を代表する看板商品。

オレンジピールが練りこまれたふわふわとしたパンを中身に、表面はメロンパンよろしくカリッサクッとした食感のクッキー生地。

随所に粉糖の塊と、粉糖のまぶったアーモンドが埋まり、味のアクセントとなっている。

この手のパンは、華やかな外側に比べ、中身が単調で飽きてしまいがちだが、それをオレンジピールがうまく作用させることで、飽きの来ない味に仕立てている。

中身を先に食べきって、外側の甘い部分だけを残しておき、最後に「お楽しみ」を一気に味わう。

例えばユーハイムのバウムクーヘンだと、年輪に沿って外側のアイシングのついた箇所だけ極限まで残して最後に平らげるのと同じ。

甘党のちょっとお下品な、これも“お作法”もとい習性だと思うのだ。

 

雪山パン (594円)

“トリ”を務めるのは今年もやはりこのパン。

玉出木村家版シュトーレンである。

表面は御覧の通り、見事なまでに粉糖に覆われ、ものすごく甘い。

三角形状の断面のこんもり頂きがとんがった、まさに雪山だ。

ヘーゼルナッツ、レーズン、チェリー、オレンジピールと中の具材はドライフルーツの宝庫だが、洋酒は使われておらず、これなら小さい子供でも抵抗なく食べられることだろう。(…私は幼少期、洋酒の利いたスコッチケーキが大嫌いだった…)

毎年11月から売り出され、クリスマスがピーク。

この京王駅弁大会で終売となるそうだ。

一番値の張るパンだが、シュトーレンだ思えば割安のほうである。

 

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私自身のリアルな体験からすれば、今みたいに「甘さ控えめ」が持て囃されだしたのは1980年代に入ってからのことで、その前は「甘さ=豊かさ」であった。

この店のパンは、そんな往年のイズムを彷彿とさせ、私にとっては幼少期の、ひたすら甘いものを親にせがんだ1970年代を思い出させるのである。

確かに健康のためには糖分の摂り過ぎは毒だろう。

だが、何でもかんでも、いつでもどこでも「甘さ控えめ」なんて言っているのが、果たして今、世の中から感じられるような“カッコイイ”ことなのだろうか?

そもそも本当に糖分を控えるというなら、菓子パンなんて食わなければいい。

甘いもの自体食べなけりゃよい。

皆がそうしてしまったら、菓子屋は商売上がったりである。

 

ひと頃、「エコ、エコ」と何でもかでも連呼するのが流行りだったことがあった。

それが東日本大震災で、計画停電騒ぎが起こり、いざという時、何でも電気に頼る生活は甚だ心もとないという風潮になった。

するとおかしなことにパタリと「エコ、エコ」と言わなくなった。

ざまあみろと思った。

ついでに言うと、テレビや新聞でやたらと「CO2」と二酸化炭素だけを元素記号で言うのが流行っていたが、あれもものすごく鼻について嫌いである。

変な所だけ教養人ぶるなと思い、苦々しく見ていた。

二酸化炭素のことを元素記号で言うのなら、「O2」を吸って、「H2O」で顔を洗って…と言わないと、間尺に合わない。

そういえば、有名人が次々に名指しして、冷水バケツを被っていくという、あの恐ろしく無意味な流行はどこへ行ってしまったのであろう?

 

そんなに地球環境大事と大上段に構えるのが好きなら、そもそも自動車なんか乗らなきゃいいのだ。

全員が自動車に乗るのをやめれば、二酸化炭素もさぞかし減ることだろう。

しかし、マスコミはそうは言わない。

この国の基幹産業で、大スポンサー様で、利権を握っている自動車産業が、そんなこといわれりゃ黙っていないからだ。そこは車屋を立てなければならない。

だから「エコ」とクルマを売りつけることを両立させる都合のいい方便で、ハイブリッドカーなどというものを売り込もうとしている。

 

「甘さ控えめ」の菓子は、いわばハイブリッドカーと同じだ。

糖分の過剰摂取を抑制させるプロパガンダを打ちつつ、糖分摂取を完全に放棄させようとは決して言わない。

そこまで言うのは重症糖尿病患者の主治医くらいなものだ。

食品メーカーへの忖度があると感じる。

だからやたらと喧伝される「甘さ控えめ」など当てにならないと思っている。

そういう欲を何でも抑制することが、カッコイイというイメージ戦略にすぎない。

ストイックぶって、痩せ我慢して、それがスタイリッシュだなんて、聞いて呆れる。

 

こういうものばかり年中食べるのは考え物だが、甘党を名乗るなら、時にはいつしか世間で出来上がってしまった「甘さ控えめ」の呪縛から、身を解き放ち、思い切り甘いものを堪能したっていいじゃないか!

「甘さ控えめ」が心から好きならそれはそれで個人の好みだから良いのだが、どうも私は健康志向の名のもとに、一種の情報操作の匂いを感じてしまうのだ。

事実、大の甘党を名乗る自分にしても、昔のように苺に砂糖をまぶしたり、コンデンスミルクに漬けて食べるのは、いつしかやらなくなった。

コーヒーに砂糖を入れるのも随分前からやめてしまった。

決して健康志向で無理してそうしているのではない。

味の好みが変わったから、自ら好んでそうしているのだ。

 

だから、菓子パンだって、ストイックな「甘さ控えめ」がある一方で、この店のように思い切り甘いパンがあったって良いと思う。

各人がめいめいの好みと、その時々の必要性に応じて選択すればよいだけの話である。それなのに何故、かくもこの世の中は、「エコ」や「ハイブリッドカー」や「甘さ控えめ」を強制するのか?

 

毎度ながら、この店への私なりのかなり主観が入った強い擁護もとい応援メッセージで、今回も締めくくりとさせていただく。

 

次回へ続く。

前回の続き。

日を改め、1/16(水)のこと。

この日は平日だったが、体が空いたので朝一番ではないが参戦する。

後半戦初日である。

夕方から映画の予定だったので、それまでの間をこの駅弁大会で過ごすこととなった。

(2019.3.24追記:後半に入ったのにチラシ掲載を忘れていました。ここに追加します。前半同様、公式HP画像から借用しました。)

 

後半となると、私にとっては毎年のお約束なのだが、やはり玉出木村家のパンである。

過去にはこの日程に福田パンの輸送がかち合い、パンの行列を梯子するという荒業に出たこともあったが、今回は前半に、他のものと一緒に「ご当地パン特集」としてバラけてくれたのは何回か前に記した通り。

いきなり玉出木村家に並ぶと、ここのパンは空輸されてきて、どうせ幾ら早く並んでも、11時半過ぎになるまでじっと待たされるだけなので、今回は先に弁当の実演を回り、じっくり腹ごしらえしてから並ぶことにした。

 

そんなわけで、幾つか弁当を調達。先に屋上へ上がる。

いきなりの実食タイム。

 

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鮨処桐のうに弁当(札幌)(2,000円)

ここのところ毎年リピートしている生うに弁当。

ご覧の通り、うにがぎっしりと鮨飯の上に敷き詰められている。

付け合わせは端に僅かに海藻と生姜のみというシンプルさ。

札幌の寿司屋が出しているが、一昨年前、ススキノの海鮮丼専門店へ行ったところ、うに丼だけは「時価」と記されており、随分びびったものだが、果たして提示された値段は8,000円超え。

夏と冬の違いがあるのかもしれないが、そういう経験からすれば、この弁当は激安である。

そんなに“クズ”のうにを寄せ集めているようには見えないが、どういうことなのだろう?

流石生うにだけあって、とろりと柔らかく、仄かに甘い。

濃厚なうにの風味が口中に広がる幸せ。

蒸しうにの弁当が他に結構来ているが、個人の好みを言わせてもらえば、やはり生には敵いません。

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いわしのほっかぶり寿司とサーモン(釧路駅)(1,290円)

これも近年毎回食べている弁当。

一昨年、実際に釧路駅で買い求めたが、その時はサーモンとの相盛はなかった。

確か初めてこの「ほっかぶり鮨」を食べた時は、サーモンも「ほっかぶり」だったと思ったのだが、この弁当のサーモンは、単なる握り寿司となっているのが唯一物足りない点である。

「ほっかぶり」とは、刺身の表面を薄切り大根で覆い、シャキシャキとした食感を楽しめるようにしたもの。

今回は半分は鰯のほっかぶりのものを選んだが、鰯の生臭さが大根によって見事に消えている。一工夫が味に好変化をもたらした例だといえる。

 

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薩摩牛4%の奇跡牛肉弁当(出水駅)(1,500円)

牛肉対決企画4種類の内、最後に買った弁当。

「薩摩牛4%」とは、超プレミアムなA5等級最高ランクの牛肉を使ったということのようである。

焼肉ではなくすき焼き弁当で、醤油ダレで煮込んだ甘辛牛肉がメイン。錦糸玉子、ゆで玉子、野菜などが彩を添えるが、インパクトに欠け、「もう一つ」の印象。

これならあと500円足して、ドーンと厚切りステーキが乗った佐賀牛のほうが弁当としては良い。

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一旦屋上から戻り、玉出木村家の列に並ぶ。列は5階下まで伸びていた。

いつものように赤ら顔の大将が列を回り、挨拶を交わす。

最近ではこの後のイベント予定を書いたメモを差し出し、それをお好みで写真に撮れというスタイルに落ち着いた。

携帯電話が随分と普及したし、写メ前提というのは、一見アナログだが、案外合理的伝達法かもしれない。

…って、大将、泊ってる宿、丸分かりでんがな…。

後ろに並んでいたおばさんは、関西では食べたことがあるらしかったが、後で電話で話している様子からすると、駅弁大会で並ぶのは初めてだったらしく、“こんなにじい~っと並ばされるとは思わなかった”、“みんな、何にも言わずに大人しく並んでいる”と文句言い放題だったが、結局並び通し、列が動き始めたのは定刻の11時半。パンが買えたのは12時半頃であった。

店先に並ばないクリームパンを、店のお兄さんにリクエストして取ってもらっていたら、その後ろのおばさんに「それは何ですか?」と尋ねられた。

私が、「頼めば奥から出してくれるんですよ」と言うと間もなく店のお兄さんが、「ほんまは後で売りに出すパンですけど、こうして早よから並んで頂いてるお客さんのために特別に先にお出ししてるんですワ」と説明していた。

いつも声を張り上げている売り子の姉さんが、どうやら大将の娘さん(ということは跡継ぎか?)らしいのだが、今年はその姿が見えない。

列に並んでいる時だったか、他の常連客のおばさんだったかが言っているのを小耳に挟んだが、産休中らしい。まぁ伝聞なので、本当かどうかはわかりませんが。

前に記した通り、“菓子パン禁止令”を折角敷いて、減量に励んでいたのに、またしても撤回。結局3,000円超えの大量購入となった。

 

「C-1総合案内」で、この日は「折鶴」というJR九州の観光特急「ゆふいんの森」車内限定の弁当だけ整理券をもらう。

 

結局この後、その「折鶴」の販売が始まる午後2時まで、今回は会場を離れることなく、同じフロアの本屋で時間をつぶし、「折鶴」を買った後、更にその日の夕食+αの弁当を買って、更に甘いものを買い、空いた小腹を甘いもので満たすために再び屋上へ上がり、会場を後にした。

 

さてその日の夕食。それに翌朝以降の弁当。

 

のどぐろとサーモンのいくらの弁当(新潟駅)(1,530円)

この弁当も、随分と長きに亘り、毎年食べ続けている。

炙ったのどぐろに、脂身たっぷりのサーモン。こちらは半生状態の柔らかさが身上。

下はこんもりと盛り上がった昆布だしご飯。イクラの醤油漬が脇を固める。

流石米どころ新潟の弁当だけに、ご飯が美味しい。

たっぷりの魚に昆布だしご飯が実に良く合う。

私がこの弁当を食べ始めた時は、すでにノドグロはこの大きさだったが、「2ちゃんねる」によると、初登場当初はもっとのどぐろが大振りだったとのこと。

ところが北陸(金沢?)出身の、某有名テニスプレーヤーが、“のどぐろ大好き発言”をしてくれちゃったせいで、のどぐろ人気が高まり、貧相なのどぐろしか手に入らなくなったのでは?という話も。

あの馬面野郎め…碌なこと言いやがらないな。

日本人テニスプレイヤーとしては世界一が狙えるポジションにいるそうで、応援に値しそうではあるが、ノドグロに世間の注目を集めさせ、ひいてはこの弁当のノドグロを貧相にさせた原因を作ったのだとすれば、そこだけは万死に値する…と思ってしまうのは、のどぐろというただでさえ稀少で高価な魚にこれ以上世間の注目が集まってほしくないという、この弁当に対するちょっと歪んだファン心理ゆえかもしれない。

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のどぐろ天麩羅と海老づくし弁当(新潟駅)(1,380円)

今回初登場。上の姉妹品。

こちらはのどぐろの天麩羅がメイン。

海老の塩焼きと海老しんじょう揚げも加わり、ご飯は同じく昆布だしご飯。

海老の刻み煮が具材の隙間を埋めている。

これはこれで十分旨いが、やはり主役ののどぐろが、塩焼きと天麩羅では役者が違う。それに醤油漬焼サーモンという絶妙な味を誇る相方があちらにはいるし…。

海老天は入っていない筈なのに、のどぐろよりは、海老と天麩羅の印象が強かった。

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折鶴(JR九州・特急「ゆふいんの森」号車内)(1,500円)

薄紫色の紙製風呂敷包みが素敵な2段重ねお重風弁当。

横にスライドさせてカパッと開ける凝った作りの弁当箱がまず目を引く。

鯛めし、うすい豆御飯の俵型おにぎりが下のお重に入っており、後は上段のおかず。

お品書きに記されたものを写すと、鰻巻き、旬魚の西京焼き、蛸の桜煮、合鴨ロース煮、あさりと法蓮草の煮浸し、酢取り茗荷、季節野菜の炊き合わせの陣容。

鰻巻きにはそら豆が乗り、野菜の炊き合わせの内訳は、がんも、栗甘露煮、茄子、タケノコ、海老、甘いサツマイモ。

この他に海老の姿も見える。

全体的に薄味の上品な味付けで、日本酒にも合いそう。

強いて言うなら量が少ないのが欠点だが、これ位の内容であれば、1,500円出す値打ちは十分ある。

この手の観光特急限定品は、何となくその列車に乗った客にしか呉れてやらないよ!という選民意識丸出しの気がして、まず買う気にならない。

この弁当も当初は購入予定ではなかったが、何となく気にはなっていて、たまたま整理券が残っていたので券をもらって買ってみたら、「当たり」を引いたという印象である。

 

次回へ続く。

前回の続き。

1/14(月祝)のこと。

3連休の終わりだが、前半で販売終了となってしまうものをまだ追い切れていないので、異例の「前半戦3度目」となった。

流石に開店前から並ぶ元気はない。

 

この日は牛肉づくしとなった。

対決企画の2種類から。

 

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常陸牛厚切りカルビ焼肉弁当(水戸駅)(1,600円)

昨年の「常陸牛 山椒風味カルビ弁当」への好印象から、常陸牛の駅弁には期待を寄せた。

果たしてこの弁当は期待を裏切らない味。

ご飯の上には厚切りの牛焼肉がぎっしり。ごまが混じった甘辛ダレがいやおうなく食欲をそそる。

ごちゃごちゃ余計なものを入れずに、ドーンと直球勝負で来い!

そんな牛焼肉弁当。

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松坂牛よくばり弁当 (名古屋駅)(1,890円)

松阪駅の駅弁かと思いきや、名古屋駅のものであった。

上の「常陸牛」と似ているが、こちらは牛焼肉は半分。残りは牛すき煮、そぼろ煮と、味に変化を加えたもの。

付け合わせの玉子焼きまでそっくりだが、副菜がキノコ入り小松菜おひたしなのが違っている。

肉の上に乗ったはじかみは、美観ゆえか、味変ゆえか?

金色に輝く容器はゴージャス。値段も張る。

ブランド牛の知名度では断然松阪牛だが、コストパフォーマンスとシンプルな魅力の点で、常陸牛に軍配を上げたい。

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十勝黒毛和牛焼肉弁当(帯広駅)(1,680円) 

前半のみの販売だった帯広駅弁から。

この日会場に出向いたのは、ここの弁当のためだといってもよい。

帯広駅弁というと、豚丼のイメージが強いが、牛肉弁当もあった。

甘辛ダレで香ばしく焼いた厚切りの牛焼肉をメインに、北海道らしく焼ホタテ貝が2枚。その下は、ゴボウ、ニンジン、牛そぼろ。

ステーキソースをお好みでかければ、よりワイルドな味になる。

実に男前な弁当であった。

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北海道十勝牛牛肉重飯(帯広駅)(1,180円) 

帯広駅弁の牛肉弁当、欲を張ってもう一つ。

上よりは薄手牛肉を白ゴマ入甘辛ダレで味をつけ、焼いたものがメイン。こちらはその名に恥じず、白飯の上はシンプルに牛焼肉だけ。

やはりこれにもステーキソースは付き、かければよりワイルドな味になる。

似て非なる十勝牛弁2種。全く並んでいなかったし、大して期待もせずに買い求めたが、どちらもステーキソースの食欲倍増にしてやられ、かなりの好印象。

 

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続いて甘いもの。

 

濃厚チーズケーキ(京都・ガスパールサンザン)(1,480円)

雪印バターのパッケージを思わせる黄色い容器が、濃厚な乳製品を期待させる。

「2ちゃんねる」で評判になっているのを読み、下調べ段階ではノーチェックだったが急遽購入予定に組み入れたもの。

一面雪野原…といった雰囲気の真っ白なチーズの平面に期待が募る。

そっと匙を入れてみれば、表面の白いクリームの下に、濃厚なチーズケーキがたんまり隠れていた。

味はその名に恥じぬ濃厚そのもの。

トロリとしたクリーミィな食感ゆえ、多量を意識させず、この後毎朝3日で食べきってしまったのはシンプルな美味さゆえ。

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五家宝・チョコレート味(600円)

駅弁大会で五家宝を買ったのは初めてである。

これも「2ちゃんねる」によって、その存在を知った一品。

要するにココアがまぶった五家宝である。

五家宝は、元々米を元にしたお菓子で、きなこがまぶっているのが定番だが、それがココアに変わると、「ココア味の米菓子」という、過去一度も味わったことのない組み合わせとなった。

ココアは粉っぽく、下手をすればむせ返るほどだが、適度な甘さと苦みがあり、なかなか変わり種の魅力的な味であった。

 

次回へ続く。

前回の続き。

買って帰った弁当のレビューである。

毎年リピートしている弁当は、文章がコピペになっているところもあるが、どうかご容赦を。

 

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あなごめし弁当(宮島口駅)(1,944円)

いわずと知れたあなご弁当の王様。

一時期どんどん値が上がり続け、2,000円を突破するのも時間の問題かと思われたが、どうにか大台は越えずに踏み止まっている。

経木の弁当箱に、焼き穴子がぎっしり。穴子が1口大に切り分けられ、漬物が置かれた場所を除き、全て穴子で埋め尽くされる。甘すぎず、香ばしい醤油味のさっぱりした穴子ならではの味わいを、これほど「これでもか」というほど味わわせてくれる弁当はない。

穴子の周囲を下のご飯ごと箸で掻き出し、口に運ぶこという“儀式”を11回。付け合せの漬物は、沢庵、奈良漬、甘酢生姜とバラエティに富み、良い箸休めになる。

奈良漬は苦手だが、この弁当では、その独特な風味が寧ろ絶妙な“味変”になってくれるのである。

今年最も大きく変化したのは、これまで弁当箱が全て経木だったのが、上蓋のみ紙製に変わってしまったこと。

「原材料費高騰により…」云々という、近年お定まりの食品値上げの“言い訳トレンド”が遂にここにも来てしまったかという印象。

「2ちゃんねる」では、それを大いに嘆き、風味が変わったしまったという書き込みが見られたが、個人的にはそれほど大きな違いは感じられなかった。

器のほうは相変わらず経木製が維持されており、ご飯に木の香りが移っているのは昨年までと同じ。

時間の経過と共に、弁当箱に接した箇所のご飯が、経木に水分を吸い取られ、カチカチになってゆく。それを懸命に箸で掻き出すのも“味”の一つだと思うのである。

昨年までは1日200食限定だったものが、今年は一気に2,000食限定に増やしたという噂もある。

いずれにせよ、味わえる機会が増すのは歓迎すべきことである。

 

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栗めし(園部駅)(1,100円)

昨年に続き「D-1輸送」にて購入。

一度途絶えた販売が復活し、こうして継続してくれるのは実に嬉しい。

 

丹波や福知山産の栗を用いた炊き込みご飯をメインに、付け合せのおかずが並ぶ。鶏肉煮、だし巻き卵、揚げ豆腐、カマボコ、昆布の佃煮、ごぼう煮など。

元関西人の自分にとり、玉子焼きが甘くないというだけで、ものすごくポイントが高い。逆にいうと、東日本の玉子焼きは、どうせ甘いものと最初から期待はしていないため、嫌いな食材は真っ先に口へ放り込む原則に従い、幕の内系で最初に消えるのは昔も今も玉子焼きだ。東京の寿司屋で玉子は絶対に頼まないし、取らない。

濃い味のおかずといえば、昆布の佃煮くらいなもので、全体的に淡泊な薄味に仕上がっている。

栗を象った弁当箱も独特。経木でできているので、水分が適度に飛び、淵のご飯が固くなってこびりつくが、それを割り箸で懸命にこそげ取りながら口に運ぶのが、古き良き駅弁の醍醐味だと思われるのである。

宮島口の「あなごめし」がとうとう上蓋の経木をやめてしまったが、こちらは上蓋も経木製。蓋が水蒸気でへなへなにしなっているのを取ろうと手をかけた時から、いい香りがプンと鼻に漂う。経木ならではの味わいだが、それを感じられる弁当も随分少なくなってしまった。

こうして作りも味も変わらぬものを提供し続けてくれるという、当たり前に見えて、今の時代なかなか当たり前にはいかないことを続けてくれる製造元に感謝。

 

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活ホタテ・ホッキバター焼き弁当(札幌駅)(1,050円)

実に北海道らしい弁当。

わっぱ飯状の円い容器全体にバターコーン飯が敷き詰められ、その上にホタテ貝、ホッキ貝のバター焼き、バターコーン、付け合わせに昆布の佃煮、蕗の炒め物。

レンジで温めるとバターの風味が増し、食欲をそそる。

カキ以外の貝がメインの珍しい弁当だが、醤油で甘辛く煮たりせず、豪快にバター焼きとし、コーンも含めてしまった豪快さが良い。

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近江牛焼肉めし(草津駅)(1,100円)

草津とか米原とか滋賀県の駅弁は個人的に高く評価している。

草津に南洋軒あれば、米原にいづつ屋あり。

共に駅弁のレパートリーが数多く、なかなかの個性派揃いで外れがない。

この弁当はこの駅弁大会初登場というリストの文句に釣られて買ったものだが、牛肉駅弁の多くが煮込んだ牛肉で、しかも和風味付けのすき焼き風なのに対し、豪快な焼肉で、付け合わせもコーン、ニンジン、インゲン、ポテトフライと、全て洋風で統一されているところが良い。

下に敷かれたご飯は奇を衒うことなく、シンプルな白飯だ。

デザートがパイナップルというのも最後に口の中を爽やかにしてくれる、実に良い選択だと思う。

「近江牛弁に外れなし」…個人的な思い込みを一層強くさせるに十分な駅弁。

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白焼風炙りあなごめし(広島駅)(1,400円)

これも今回初登場。

会期中この後も訪れる度に「A-0輸送」の売り切れ状況をチェックしたが、日によっては“瞬殺”状態になることも、後になるまで売れ残ることもあったようだ。

穴子弁当特に初登場のものは、概して高人気を誇るものだが、この弁当は御覧の通り、タレなしの白焼き風に炙ったところが一大特徴。

レモン仕立てソースの酸味でさっぱりと頂く。

上で取り上げた宮島口の「あなごめし」と似て非なる、甘辛ダレの焼き穴弁当がこれまで数知れず登場したが、いつも感じるのは、所詮は“劣化コピー”にすぎず、やはり「宮島口」に敵うものがないということ。

同じ穴子でも、こうした別の味を出してくれるほうが、食べる側にとっては有難く、。弁当箱は経木ではなく、スチロール製の容器なので、風味もへったくれもないが、敷き詰められた穴子と独自性に一票。

次回へ続く。

前回の続き。

1/12(土)のこと。

今回も前半にしか来ない、宮島口駅「あなごめし弁当」の整理券を求め、今大会2度目の参戦にして、早くも開店前に並ぶ。

というよりこの時の3連休こそが、毎年駅弁大会の最大の山場で、テレビの影響が功を奏して人で人で押しくらまんじゅう状態になる時期なのである。

 

この日はとにかく寒かった。

全く晴れ間が出てくれない。

9時になり、漸くシャッターが開き、風よけとでもいったらよいのか、ガラス扉の内側へ入れてもらえる。

チラシをもらい、ひとしきり回る順番をシミュレーションした後は、ひたすら本を読みながら待っている。並ぶ人でいっぱいで、碌に身動きもとれない。

すぐ後ろに、どうやら初心者らしきおばちゃんがおり、どこか近くに待機させている娘と携帯電話で話しているのが聞こえてくる。

“こんなに並ぶとは思っていなかった。”

“あんた今カフェにいるの?”

“いい加減したら帰りたい”

そんなことを言っている。

9時45分頃になると、毎度のことで先頭集団から店内に誘導され、化粧品売り場の前に待機させられる。

エレベーター一籠あたり16人ずつに分けられる。

私は2籠目の集団のどん尻にいたので、すぐ後ろの携帯おばさんとは別れてしまったが、どうやら化粧品売り場からエレベーターの前に誘導される時になって、戦線離脱を案内係のおっちゃんに申し出ていた。

そこまで我慢したのに、何とも勿体ない話だ。

 

いつものようにエレベーター前で、前の人が一番後に籠に乗り込むよう、各ブロックごとに順番の入れ替えがあり、開店5分前には静々と籠に誘導され、そこで一斉にくるりと正面に向き直る。

こうしてエレベーター内でも、厳密に並び順が再現される。

この辺の案内に一切の淀みも迷いもない。

実に手慣れた作業である。

 

10時の開店と共に、最初の籠から時間をずらして7階へと上昇を始める。

いつも思うのだが、この時、「2階へお願いします」などと見当違いを言って、周囲の顰蹙を買う客はいないのだろうか。

駅弁大会の開店前の並びは結構殺気立っているから、駅弁以外の売り場へ行く客は、エレベーターごと分けられているようにも思える。

 

7階へ着く。

走るなと言われるが、無理な話だ。

すり足走行で、目指すコーナーへ散る。

地下から上がってくるエレベーターがどっと客を吐き出すので、更に焦る。

闘争本能が刺激される。

 

最初に「C-1 総合案内」へ向かう。

列はできていたが、整理券をもらうだけなので、捌けるのは早い。

昨年だったか、通路を隔てて並んでおり、プラカードをもったおばちゃん店員の言葉に従って、対岸へ向かおうとしたら、そこに通りかかった男が「いかめしはどこか?」とそのおばちゃんに話し掛け、こちらも焦っていたので、その“いかめし男”をよけて対岸へ行こうとしたら、割り込みと勘違いされて注意されたことがあった。

元々いかめしがそんなに好きではない上、そんな経験があるので、ますますいかめしが眼中になくなってしまった。

あんな会期中いつでも買えるものを、殺伐とした朝一にわざわざ買いに来て、しかもどこの売り場か下調べもしないなんて、どうかしている。

…と思うのだが、客観的に見れば、そう思わされるほど殺伐とした焦燥感しか抱かぬ自分のほうが、多分どうかしている。

 

ともあれ無事整理券は手に入れた。

例年だと、折角稀少価値の「あなごめし弁当」なので、つい気が大きくなり、1枚では済まさず、2枚、3枚と券をもらってしまうのだが、この日はグッと我慢の子。

ただ、園部の「栗めし」の券だけはしっかり一緒にもらっておいた。

 

その足で今度は「A-0 輸送駅弁」へ行く。

「A-0」は極力避ける積りだが、一度は並ぶことにした。

長い列から漸く売り場に誘導され、籠が上に下に飛び交い、人で押し合いへし合いのバーゲン会場並みの混雑。

一時に大量に買い込むと、食べきれなくなるので、前半のみ登場する実演を優先させ、この日は次の3種類のみ買った。

 

白焼風炙りあなごめし(広島駅)

近江牛焼肉めし(草津駅)

活ホタテ・ホッキバター焼き弁当(札幌駅)

 

続いて実演コーナーをちゃちゃっと回る。

ここからは前半で撤収してしまう弁当を優先させる。

まずは、肉のふがね

毎年前半のみ登場し、ここ10年近く毎年欠かさずリピートしている岩手短角牛の店だ。

数年前、「さなえばっちゃんのおこわ弁当」という素晴らしい弁当が来たが、今年も来ず。

それでも3種類もの弁当があった。

もとより贔屓の店だから、迷った時は全て買う。

 

岩手短角牛やわらか煮弁当

岩手短角和牛焼肉重

岩手短角和牛丼

 

続いて、ここも前半の実演の時に欠かさず買っている贔屓店・花善

今回は定番の「鶏めし」はひとまず置いといて、初登場の「Paris's鶏めし弁当」のみを買う。

そして「2ちゃんねる」で知った五家宝チョコレート味も売り切れてしまう前に入手。

 

これらを携え、早々と屋上へ。

ものすごく寒いと思ったら、途中でチラチラ雪が舞ってきたほど。

こりゃ早く食べて、温かい屋内に避難しないと…。

 

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岩手短角和牛丼(肉のふがね)(1,080円)

見た目はとりたてて「これ」という特徴のない、シンプルな牛丼弁当。

甘辛のタレで煮込まれた牛肉は脂身十分。

空腹にはこれが一番堪らん。

じっくり味わおうとか、よ~く吟味してとか、そんなことは最早言ってはおれぬ。

1分位で掻き込んだかもしれない。

今、写真を見直してみると、シイタケが入っているのを確認できる。

うーん…食べてるときは全く気づきませんでした…。

 

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・岩手短角和牛焼肉重(肉のふがね)(1,980円)

続いてはコレ。

何年か前にも同じ弁当が来ていて、その時も奮発した覚えが…。

こちらは「198」と上の約倍の値段の高級版。

器は「定番」の岩手短角牛やわらか煮弁当」と全く変わらないが、白飯の上には香ばしい焼肉がぎっしり。更にピンク色が美しいローストビーフが加わる豪華仕様。

これで美味くなかろう筈がない。

あっという間に胃袋に収まった。

今大会初っ端に食べた佐賀牛といい、この弁当といい、美味い牛弁に当たると実に幸せ気分に浸ることができる。

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「定番」の岩手短角牛やわらか煮弁当」は、翌日の“映画の友”に取って置き、肉は肉でも鶏肉に”味変”する。

 

「Paris's鶏めし弁当」(大館駅)(920円)

東日本大震災前年、東北へ旅に出た。

奇しくも甚大な被害を被った三陸海岸線を7時間かけて仙台まで下り、更に旅の最終日には仙台から上野まで常磐線を鈍行乗り継ぎで乗り通した旅であった。

その途中、大館で一度泊まったことがあったが、駅に着いたのが遅く、次の日出たのが早かったので、結局現地で花善の駅弁にありつくことはできなかった。

 

この弁当は、定番の「鶏めし」と一見すると「何が違うの?」というくらい似ているが、鶏肉の量は明らかにこちらのほうが多く感じる。

きんぴらごぼう、山菜水煮、里芋煮、しば漬けと、付け合わせは「本家」とはまるで違う。

…で、何が「Pari's」なのかというと、どうやらこちらの鶏肉はパリッとした食感が感じられるってことらしいのだが、それにしても売り場にエッフェル塔のミニチュアまで用意してしまうという凝りよう。

結局、この後「鶏めし」は、後半の輸送になってからも含め、今年は食べる機会を失したので、過去記事から「鶏めし」の写真を再掲しておく。

付け合わせの違いをじっくりご確認あれ。

甘い煮汁の独特の炊き込みご飯は同じです。

現地へ行くと、昼だけ開いているお食事処で「鶏めし御膳」という定食が食べられたり、「スペシャル鶏めし弁当」という超豪華版2段重ねまであるらしく、これだと特に付け合わせの充実度が最強。大絶賛の「鶏のつみれ」も「がんもどき」も余すところなく堪能できるはずなのだが、定食にありつくには昼間も大館に留まらねばならず、「スペシャル」は5個からの予約のみとなかなかハードルが高い。

流石に5個一人で食うのはきついしねぇ…。

 

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こうして一度は小雪舞いかけた屋上で、充実の駅弁タイムを味わったが、まだ11時にもならない。

「あなごめし弁当」や園部の「栗めし」の引き取り時間には間がありすぎる。

 

そこで一旦新宿を離れることにした。

丁度、その頃上野の国立西洋美術館でレンブラント展がまだやっており、会期終了が迫っていたから、新宿西口の金券ショップを巡ってみれば、1,000円を切る値段でチケットが手に入った。

それで大江戸線に乗り、上野を目指すことにした。

上野御徒町という駅で降り、西洋美術館まで歩くのだが、これが結構遠い。

ついこの前、鈴本へ久しぶりに行き、「ああ寄席はええなー」などとご満悦だったが、丁度その鈴本の昼の回の券売開始の頃だったのか、広い歩道に長蛇の列ができているのを目の当たりにし、その脇を通り抜け、エッチラオッチラ西郷さん目指して階段を駆け上がる。

こうまでして行ったレンブラント展だったが、人はそこそこだったが、自分にはあまり響くものはなく、1時間ほどで出てきてしまった。

アメ横に寄り、二木の菓子で輸入物のチョコレートをどっさりと買い込む。

 

更に神保町にも寄り、なかなか行けずにいた書泉グランデへ近鉄ビスタカー写真集第2弾を買いに寄る。

現金なもので、早弁のせいか、少し小腹が空いたので、余程「ねいろ屋」の氷にも寄ろうかとも思ったが、あまり遅くなってしまっては元も子もないので、氷はまたの機会に。

 

こうして再び駅弁大会会場へ舞い戻り、整理券を持っていた2種類の弁当を買う。

その後で、前回記した「ご当地パン特集」へと続き、結局氷を食べなかったお陰で小腹が空いたせいもあり、再度屋上で“菓子パンパーティー”の仕儀に相成ったというわけだが、そこは今回は端折る。

帰りに清泉寮ぼソフトクリームを舐め、口直し。

ご帰宅となった。

 

清泉寮ソフトクリーム(清泉寮)(400円)

モバイルクーポンの恩恵で50円引の350円で購入。

ソフトクリームからイメージする、柔らかくて滑らかでクリーミィな味とはちょっとイメージが異なり、適度にシャリシャリ感のあるあいすくりん系の味。

これだけ熱気にあてられると、これ位さっぱりしているほうが余程有難みを感じる。

 

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さてその翌日、渋谷で朝から晩まで映画漬けになった

朝は買った駅弁にご当地パン攻勢もすさまじく、昼は朝と兼ねてお終いにしたが、夜はそういうわけにもいかない。

この日入り浸った映画館は幕間が異常に短く、前の映画が終わってから次の作品のために開場するまで5分もあれば上々というほどなので、晩メシを外に買いに行くことすらできない。

こんな時こそストックしてある駅弁だ。厳密には駅弁じゃないけど、晩ご飯用にとこの日携えてきたのが短角牛の片割れである。

 

「岩手短角牛やわらか煮弁当」(肉のふがね)(1,480円)

映画の開場後、自席で膝に乗っけて駅弁を頬張る。

フラッシュたいていきなり写真写して、ほんま、ゴメンナサイ。

過去に何度もリピートしている、私にとっては最早「定番」と化した弁当。

脂身が少ない赤身牛肉を、繊維質のみが残るほど煮込まれ、甘辛醤油味がよく合う。

さしずめ“高級コンビーフ”といった味わい。

付け合わせの野菜の煮物、口直しの梅干し、肉の食感を助ける、敷き詰められたきんぴらごぼう。

どれをとっても欠くことのできない、総合芸術的仕上がり。

数年前に改良されたという白米も、確かに美味い。

次回へ続く。