悲しんでいる時間はない。
今日リハのSEIRIOSの音楽的リーダー、フランキーTさんに電話する。
流石に朝早いから、電話は失礼だった。気持ちが焦ってる。
メールを入れ、返信を待たずに、母が待つ磐田市まで車で向かった。
神奈川県から静岡県に入ると、富士山が現れた。
いつもの東名高速なのに、こんな綺麗な富士山は、久しぶりに見る。
なんだろう?キラキラしてるものを感じる。
母なのだろうか?
母が悲しむことはない。と言っているような気持ちになった。
施設に着いたのは、午前9時前。
母と対面した。
きっと、対面したらボロボロになってしまうんじゃないか?と思っていた。
でも、実際は違った。
「ありがとう。ごくろうさまでした。」という気持ち。
そして、キラキラした何かを感じる。
あぁ、これは母だ。楽になれたんだ。
そう思おう、としてるのか?いや、そんなことはない。
そう感じるんだ。
まだ、少し温度の残る、母の顔や腕を触り、最後に見舞ったときの事を思い出した。
ずっと手を握っていたのだけど、母は何度も僕の手を握り返した。
その時は僕は、最後だと思わなかったのだけど、母は悟っていたのかもしれない。
その時に「ありがとう」と言えて本当によかった。
SEIRIOSのフランキーさんからメールが入っていた。
リハは、ベース抜きでやるから心配しないでください。と。
でも、本番は穴を空けるわけには行かない。
順当に行くと、通夜は11日、葬儀は12日。本番と重なってしまう。
親戚に事情を話し、葬儀屋に調整してもらい、準備が整った時点で、
一旦、東京に戻った。
そして11日、天王洲KIWAでSEIRIOSのライブに出演し、そのまま磐田に戻った。
そして翌日通夜、翌々日告別式を終え、また東京に戻ってきた。
本当に悲しむ暇は、なかった。
今となれば、それでよかったのだと思う。