逸翁コンサート100!!!髙汐巴 〜帰ってきたタカラジェンヌ〜Vol.100 | 茶々吉24時 ー着物と歌劇とわんにゃんとー

本日2回目の更新です。

 

昨日、池田市にある逸翁美術館内マグノリアホールで開催されたぺいさんこと、髙汐巴さんのコンサートを拝見しました。

 

逸翁とは宝塚歌劇をこの世に生み出してくださった小林一三さんのこと。

 

100人ほどが入れるマグノリアホールで、「逸翁コンサート」と題して宝塚OGさんがコンサートを開催するようになったのは元星組 朝峰ひかりさんがホール支配人に就任してからのことと記憶しています。

 

私もこれまで、2011年開催の第5回 汀夏子さん2022年開催の第89回 平みちさんのコンサートを拝見しました。

 

100回記念、キリ番に当たったのがぺいさん、さすが持ってはるなぁとおもいました。

 

 

いつもでしたら、興奮冷めやらない当日にレポートを書くのですが、翌日(つまり本日)2回公演があるので、レポートのアップを自粛しておりました。

 

というのも、私はセットリストやお衣装についても書いてしまうので、25日観劇予定の方がもしそれをご覧になったら、当日の楽しみが激減してしまうと思ったのです。

 

すでに千秋楽が開演したところで、アップさせていただきます。

 

 

  ご出演者&客席

 

 今回、トークゲストとして ぺいさんの相手役さんだった まーちゃん、まさえちゃんこと秋篠美帆さんがご出演。

 ピアノ・音楽監督は栗山梢さんというメンバー。

 

 客席には宝塚歌劇団の演出家であり、退団後もぺいさんの舞台を手がけておられる三木章雄先生、

『吾輩はぺいである』出版記念の時にトークゲストだった未沙のえるさんがいらっしゃいました。

ホール支配人のキンさんこと朝峰ひかりさんは、今回もコーラスなどを担当されていました。

 

いつも思いますが、なんともアットホームな感じです。

 

このホールの椅子は可動式なのですが、今回は、通路を2本斜めに配置してあるため、

椅子が3つの三角形のブロックに分けられている、ちょっと不思議な座席配置でした。

(入り口の座席表を撮影させて貰えばよかった)

 

プログラムは大まかに分けるとプロローグに続いて3部構成、2部と3部の間に休憩がありました。

それでは内容のレポートを。

基本的に芸名は敬称略で失礼します。

 

オープニング

●すみれの花咲く頃

聞き慣れたイントロが流れると、振袖に緑の袴姿のぺいさん登場。

思いがけないお姿に、わーっと客席が湧きました。

 

歌い終わってぺいさんのご挨拶。

「こんにちは。ようこそお越しくださいました。畠山みどりです」。


いきなりの爆笑。

振り返って考えるに、改めて「髙汐巴でございます」とはおっしゃらなかった気がします。

言われなくても わかってますしね。


そして「ゲストをご紹介しましょう」と、まさえちゃん(秋篠美帆)を呼び込むと、

なんと、まさえちゃんも赤い振袖に緑の袴で登場。

 

あれ?

お二人のお着物、見覚えがあるワ、と思ったら、2023年1月に宝塚文化創造館で行われた

ぺいさんのご著書『吾輩はぺいである』出版記念イベントの際、ぺいさんとまやさん(未沙のえる)のお衣装と同じだったのです。

 

注:下のお写真は2023年1月15日のイベントの際、撮影OKの時間に撮らせていただいたものデス。その際、ブログ掲載のご了承もいただきました。

image

 

この時、ぺいさんは黄緑色の伊達襟でしたが、昨日はゴールド(鬱金色かも)の伊達襟でした。

まさえちゃんの伊達襟が何色だったか、記憶にありませんが

「(この振袖は)マヤさん経由で今日は私が着させていただいています」とおっしゃっていました。

続けて「これで こまどり姉妹になりました」。

すかさずペイさんがお客様に向かって

「まさえちゃんはねぇ、癒し系でしょ?

 私は脅し系だけど」


脅し系!

ぺいさんは宝塚OGさんの上級生組をさして

「私たちは宝塚化石団ですから」なんてこともおっしゃることがあり、造語能力とボキャブラリーの豊かさにはいつも感服してしまいます。

自虐ネタ、とは一線を画す自己表現の数々、見習いたいです。

 

ぺいさん「今日は歌わないの?」

まさえちゃん「歌いません!こんな声なので」

まさえちゃんのお声は、なんとなくシュカシュカと掠れたお声。

なんでも5年前から急にそのようになり、以来歌のお仕事はなさっていないのだとか。

 

ぺいさん「でもね、(その声になってからも)普段よく喋るじゃない?というか喋りすぎなのよ。普段のお喋りを控えたら歌えるんじゃない?」

お客様は爆笑でした。

 

ひとしきり会場を沸かせると、ぺいさんは退場。

振袖緑の袴姿のまさえちゃんが舞台に残りました。

 

●朗読『吾輩はぺいである』より

 朗読:秋篠美帆

 ぺいさんのご著書より、100歳でお亡くなりになったお母様を見送られた箇所と、

 宝塚歌劇団を退団する決意をされたくだりを朗読されました。

 

 舞台背景には大きなスクリーンがあり、ありし日のお母様のお写真、

 ぺいさんとのツーショット(中には、逸翁美術館のロビーかな、と思うお写真もあり)、

 ぺいさんの現役時代の舞台写真などが映し出されるのでした。

 

 今のまさえちゃんは、歌うのは難しいのかもしれませんが、朗読には何の違和感もなく、

 さすがに舞台で鍛えた方は表現力が豊かだなと感じました。


朗読のBGMは栗山さんのピアノ。

お母さまのご最期の朗読では、「君はマグノリアの花のごとく」(『風と共に去りぬ』)、退団決意の朗読では「Let Me Try Again 」が奏でられていました。


「君はマグノリアの花のごとく」は、ぺいさんの50周年ディナーショーの時に歌われました。

その際ぺいさんが「母の死後、この歌を歌っているうちに、歌詞がなんだか母のことのように思えて。母のテーマ曲だと思っています」とおっしゃっていたことを思い出しました。

 


朗読の間に、ぺいさんはお衣装をチェンジ。

コンサートの始まりです。

 

宝塚歌劇主題歌

 ぺいさんのお衣装は先ほどとは打って変わって、シルバーのジャケットに白いパンツ、

サテンの白いロングマフラー。

 昭和世代にわかりやすく言うなら、さしずめ紳士服のCM、アラン・ドロン風といった風情。

「ダーバン、セ・レレガァ~ンス・ドゥ・ロム・モデルヌ」です。

 

●瞳の中の宝石(「バレンシアの熱い花」)〜愛のフェニックス(「風と共に去りぬ」)

 どちらもぺいさん在団中の歌ですが、「バレンシアの熱い花」は月組、

「風とともに去りぬ」は雪組でも上演されましたが、初演は月組。

ということで、ぺいさんの歌声にかぶるように、脳内ではショーちゃん(榛名由梨)の歌声も

同時に聞こえてくるという、贅沢な状態に。

 2曲とも、ぺいさんの声によく合っていて、違和感なし。まるで持ち歌だったかのよう。

ただ、「瞳の中の宝石」は今回初披露とおっしゃっていて、完璧には歌詞が入っていなかった様子。

一部あれ?と思う歌詞がありましたが、でもうまい具合に作詞して(笑)

何事もないかのように次に進んでおられました。

再演が繰り返される名作の主題歌は、ファンの方が歌詞をしっかり覚えていたりするので、

歌われるOGさんは大変だなと思いましたよ。

 

ちなみに雪組「風と共に去りぬ」では、ぺいさんは新人公演でターコさん(麻実れい)のお役だったレット・バトラーを演じられました。でも本公演は南部軍の一兵士役。(ぺいさんいわく「平民」)

ある日の開演前にターコさんが体調不良となり、あわや代役となりかけたけれど、

ターコさんの体調復帰で「元の平民に戻った」とのエピソードを披露。

このお話、何回聞いても笑えます。

 

●鴎の歌(「濃深きエルベのほとり」)

 🎵かもめよ、翼に乗せてゆけ 我が心の吐息を…

 これまたぺいさんのお声にぴったり。素敵だわ。

 もしかしたら、この曲は今年4月に東京で開催される

 「memories-〜順みつき-あなたを忘れない〜talk-live」でも

 歌われるのではないかなと思いました。

 

●アマールアマール(「ノバ・ポサノバ」)

 これまた、ぺいさんのお声にピッタリ。

 持ち歌だったかのようです。

 ぺいさんのお声は水分が多い(わかりますでしょうか、潤んだ声なんです)ので、

 声量任せではなく、じっくり聴かせる曲に真骨頂が出る気がします。

 素人なのに、偉そうにすみません。

 

●愛あれば命は永遠に(「愛あれば命は永避に」)

 これはぺいさん主演の公演主題歌。持ち歌です。

 ぺいさん演じるナポレオン・ボナパルト、今でも鮮やかに思い出せるシーン多数。

 去年映画館でホアキン・フェニックス主演の映画『ナポレオン』を観た際も、

 脳内ではぺいさんのナポレオンが動き回っていました。

 

宝塚主題歌のコーナーが終わると、ぺいさんはお召し替えに。

 

 

ピアノソロ

●イーグル

  演奏:栗山梢

 

 

退団後の主演公演より

 ぺいさんは、真紅のドレスにお召し替え。

 黒いオーストリッチのファーを纏い、キラキラ光るダイヤ(かな?)の長いイヤリング、

 同じ感じのブレスレット、指輪を身につけておられました。麗しい!

 

●黄昏のオマージュ

●Dream Weaver

●Tango Noir

(『~Dream Weaver 闇物語「黒蜥蜴」』より)

 

三木章雄先生の構成演出、ピアノの栗山梢さんが音楽監督を務められたこの作品、

ぺいさんは緑川夫人と明智小五郎の二役を演じられました。

W主演と言えるような大きなお役、しかも男女の役を一人でできるのは、

宝塚歌劇のトップスターだったぺいさんならではですね。

 

ただ、この作品は東京でしか公演がなく、拝見できなかったのが残念です。

 

このコーナーでのぺいさんは、少し歩きかけては何度もピアノの近くにおいでになり、

ピアノに手を添えて歌っておられ、お体の具合でも悪いのかしらんと心配になりました。

実は、ドレスの後ろの裾がヒールにひっかかっていたみたいで、3曲歌い終わられた後で

「ちょっと、直していい?」と断りを入れた後、何度か裾を引っ張り、裾を直されていました。

 

●旋律(『Respect Me!』より)

 曲の前に、アイボリー色のドレスに着替えた まさえちゃんが登場。

 手には、黒を基調に赤や緑など鮮やかな色彩が散りばめられたショールを持っておられて、

先ほどの黒いファーと交換して去っていかれました。

 

このコーナーでも背景のスクリーンに舞台写真などが映し出され、

舞台を拝見できなかった者としてはとても嬉しかったです。

 

 

歌い終わったぺいさんは、客席降り。

下手がわの通路を歩んで会場扉口から退場。

ここで、歩くためにヒールに引っかかった裾を舞台上で直されたのだなぁと納得。

私のお席は下手側の通路に近いお席だったので、ぺいさんのどアップを拝見できました。

嬉しい。

 

(休憩)

 

 Tango ・Chanson

 ぺいさんは黒いブラウスに黒いロングスカート、幅広で印象的なベルト(サッシュかも)着用。

 イヤリングは先ほどと違って、ゴールドをベースにしたものに変わっていました。

 

 休憩時にスクリーンは撤去され、このコーナーは映像なしでした。

 

●UNO

●チェタンゴ

 

●逢いびき

●黒い鷲

 

●愛しかない時

 

宝塚歌劇団にいた年数より、退団後の年数の方が多くなったとおっしゃったぺいさん。

「宝塚時代は男役として男性を追求していたのだけれど、退団後は女としてお仕事しています。

 でもね、今はもうどっちでもいいって感じ。どっちでもええやん。人間として生きているって感じ」


私も年々、自分ばかりか他人様の性別もどうでも良いと感じるようになっているので、このお話は腑に落ちました。

最近つくづく、男性とか女性とか、あるいはアンドロジェニーとか、性別などはどうでもよくて、世の中ウマが合うか合わないかの2種類しかないな、と思う私なのです。

ま、それはぺいさんのおっしゃる「どうでも良い」とは若干意味が違うかも知れませんが。

 

ともかく、退団後の年数の方が長いということで、ぺいさんのお歌も、宝塚歌劇の主題歌より、タンゴやシャンソンの方が年季が入っているように聞こえました。

宝塚歌劇の主題歌って、やはり演じながら歌ってなんぼみたいなところがあるので、舞台から離れるとなかなか難しいですものね。

 

とはいえ、ぺいさんは歌を歌うために生まれたようなお声をされているので、

今後も宝塚歌劇、タンゴ、シャンソンなどの枠にこだわらず、どんな歌でもお聞きしたいです。

 

歌い終わられたぺいさんは、今度は舞台上手の通路を通って退場されました。

 

アンコール

●ケサラ

 

私が聞き慣れているケサラとは違う歌詞ですが、しみじみ良い歌だなぁと思いました。

 

ぺいさんは何度も、宝塚歌劇団がご自分を育んでくれたこと、もし宝塚歌劇団に出会っていなければ今のご自分はなかったであろうことを語り、感謝を述べておられました。


また、まさえちゃんに「これからもよろしくね。いろいろ助けてね」とおっしゃり、まさえちゃんからは「(助けるなんて)とんでもない!老後もどうぞよろしくお願いします」と。

かつてのコンビの微笑しいツーショット、うれしく拝見しました。

 

ワタクシ、今年はこの後もぺいさんの舞台を拝見いたしますよ。

ぺいさんの舞台を拝見すると、元気が出ます。

次回も楽しみにしています。

 

 

 

 

  ぺいさんへのインタビュー

 

2023年1月25日にみのおエフエムで放送させていただいたぺいさんへのインタビューは

みのおエフエムのYouTubeチャンネルでいつでもお聞きいただけます。

是非お聞きください。

インタビュアーは不肖、ワタクシです。

 

 

文章でのまとめは、みのおエフエムのブログに掲載しています。

よろしければお読みください。

 

 

 

 

 

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