「吾輩はぺいである」出版記念トークショー

本日は、元花組トップスター 高汐巴さんのエッセイ『吾輩はぺいである』出版記念トークショーに行ってまいりました。

場所は、旧宝塚音楽学校である宝塚文化創造館です。

 

高汐巴さんは私が最も宝塚歌劇にはまって通い詰めていた頃のトップさんですから「ペイさま」とお呼びしております。

 

ペイさまがエッセイを出されるのは二度目のこと。

退団後すぐに出版されたエッセイももちろん買って読んだのですが、阪神淡路大震災のため、廃棄せざるを得なくなったのが悔やまれます。

 

さて、今日のトークショー。

私の席は4列目下手。こんな近くからペイさまを拝見できるとは!

着席した時すでに興奮状態の私でした。

 

しかもゲストはマヤさんこと未沙のえるさん。

オモシロジェンヌであることにかけて、ペイさまと双璧と言っても過言ではないはず。嫌が上にも期待が高まるのでした。

 

では思い出せる範囲で会場の様子をレポートいたします。

なお、ここに掲載している写真は全て撮影OKの時間帯に撮らせていただいたもので、SNSアップもOKと確認させていただきました。

 

まずは会場の様子です。

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お二人のファッション

開演時間となり、まずはペイさま登場。

姿が見えた瞬間に会場からは「キャー!!」という悲鳴にも似た声が上がりました。

私も「キャー!!」

 

ペイさまはなんと桜色の大振袖に緑の袴姿だったのです。若草色の重ね襟がピンク色にマッチして、まるで葉桜の季節のよう。

なんて、なんて美しい。

なぜか私の目からは涙がポロリん。

人は美しいものを見ると心揺さぶられ、涙が出るものなのですね。

 

ペイさまは会場のお客様にご挨拶。

今回のエッセイ出版について、割と気軽に出版を決めたものの、いざ原稿を書くとなるとしんどかったとお話しされていました。ご自分をその気にさせるのが大変だったそうで

「軽井沢のホテルに缶詰になりまして、鳩居堂の原稿用紙を用意して。何しろ形から入る人間ですので」

あら、嬉しい。

私も原稿用紙は鳩居堂のを使っております。私も形から入りたい人間なので。

 

ご挨拶ののち、ペイさまがゲストをご紹介、舞台に呼び込まれました。

「宝塚の重鎮、春日野八千代さんです」。

 

客席の笑いの中

「(春日野八千代さんとは)ちゃいますって!!」と言いながら登場されたマヤさんも又、真っ赤な大振り袖に緑の袴姿なのでした。

 

トークショーの最後の撮影タイムに撮らせていただいたお写真でお二人の姿をご覧ください。

 

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お互い男役だった現役時代は、大振り袖で緑の袴を履く機会はなく、新鮮だとおっしゃっていました。

また、ペイさまは「ちょっと私、襟が抜けすぎよね」と。

確かに、男役さんの着付けではなく、普通の女性の襟ですね。

 

ペイさまは「せっかくこういう(襟を抜いた)姿なんだから、今日はずっと口角を上げておこうと思って」。

と、何度もこういう口元をされるのでした。

 

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ちなみにペイさまがお召しのこの着物は、昨年の舞台のため通販で買ったのだそうです。

その作品でペイさまは19歳(?!)の設定。

お見合いの席でモジモジする役です。

お見合いの定番「では、この辺りで若い二人だけにしましょうか」とお仲人さんたちが席をはずす時に、ペイさまも一緒に立ち上がって去っていくというオチがついたのだそうで。(面白い!!)

 

ペイさまは「あの時に買った着物が役にたったワ〜」とおっしゃっていましたよ。

 

 

さて。

ペイさまが本科生の時に、マヤさんが予科生。

一年違いのお二人ですが、実は音楽学校時代も在団中もほとんど接点がなく、あまり喋ったことはないそうです。意外ですね。

ではお二人の会話をできる範囲で再現いたしましょう。

 

音楽学校時代

接点があまりない中で、マヤさんのペイさまに対する印象は…

マヤさん「宝塚音楽学校の予科生って朝早く掃除をするんですけど、本科生の方がピアノの順番を取って練習されるんですよね。ペイさんは朝早くピアノを弾きながら歌っておられた印象があります」

ペイさま「え?ピアノ?そんな記憶ないなぁ。ピアノの成績は最悪だったのに」

マヤさん「よく歌ってはりましたよ。カンツォーネかなぁ。ええお声〜と思っていました」

 

そして当時は音楽学校生では鼓笛隊がありました。

ペイさまは指揮者をやりたかったのに、指名されたのは成績のいい人で、ペイさまが割り当てられたのはシンバル。

「私にとってシンバルなんて考えられなくって『シンバルなんか赤いちゃんちゃんこ着た猿が叩いてるやつやん!」と大いに不服だったそうです。

ところがこれが上級生の耳に入って、さあ大変。

 

「本科生のシンバル担当だった方にお叱りを受けましてね。

『アナタ!!シンバルなんて赤いちゃんちゃんこを着た猿が叩いてるって言ったそうね!!』ってたいそうお怒りで。(その上級生のお名前は)央いおり(後の なかいおり)って言うんですけどね」

 

懐かしいお名前に客席が大いに湧きました。

「でも、やるとなったらとことん やるのが私で、シンバル2枚叩き割りました」

あー笑いすぎてお腹痛い。

 

マヤさん「あと、ペイさんといえば、文化祭のカラボスですね」

ペイさん「ああ、カラボスね!文化祭で『眠れる森の美女』をやったのだけど、男役の主役が峰ちゃん(元星組トップスター 故 峰さを理)で、私は悪役のカラボス。真っ黒なカラスみたいなコスチュームで、なんだかわからないけど、すごいインパクトだったみたいね」

 

ああ、ペイさまの悪役、拝見したかったなー。

 

逆に、ペイさまから見たマヤさんの思い出は……

 

ペイさま「マヤは同期の大地(大地真央)といっつも一緒だったでしょ、おみき徳利みたいに。その二人が、本科生の卒業記念の宴会で漫才師みたいに揃って出てきて「茶碗蒸し」っていう出し物をやったでしょ。あれが印象深いわ」

 

マヤさんが真央ちゃんと二人で考えた「茶碗蒸し」という演目について説明されたのですが、私の表現力では再現できません。機会があったらマヤさんにお聞きください。(笑)

 

トップスター時代

マヤさん「大地といえば、ペイさんのことで面白い話を聞いたことがあります。

TMPスペシャル(今でいう宝塚スペシャル)で各組トップが出演しますよね?

大地がトップになって初めての時のこと、雪組が麻実れいさん、星組が峰さを理さん、花組がペイさんで月組が大地、開演直前 袖に4人でスタンバイしていたときのこと。初めてのことで大地が緊張しすぎてオープニングで歌うはずの歌詞が全部飛んでしまって、焦って隣におられた ペイさんに『ペイさん、どうしましょう、最初の歌詞がわからなくなりました。歌い出しの歌詞なんでしたっけ?』って聞いたんですって。そしたら ペイさんが低い声で『どんぐり コロコロ どんぶりこ〜』って歌い出したって」

 

客席が爆笑する中、

ペイさま「違う!私はそんな歌うたってない」

マヤさん「え?大地がそう言ってましたけど? どんぐりころころどんぶりこ〜♪。それで大地は逆に落ち着いてちゃんと歌えたって言ってました」

ペイさま「ちがーう!!私はね ポッポッポー鳩ポッポーって歌ったのよ!」

 

訂正すべきはそこか?!そこなのか?と再び場内大爆笑。

 

マヤさん「え?どんぐりじゃなくて、鳩ぽっぽでしたか?!」

ペイさま「そうよ、しっかりしてよ。私、そういうの(間違って言われるの)嫌なの」

もう、本当にペイさまって最高に可笑しい。

 

 

代役経験

ペイさまは雪組時代、『風と共に去りぬ』の新人公演でレット・バトラーの役をいただいていました。

ある日のこと、舞台の幕が開いてから本役のターコさん(麻実れい)が倒れてしまい、楽屋は大騒ぎ。ひとまず緞帳をおろして、最善策が探られ、新人公演のお稽古中だったペイさまに声がかかりました。

「高汐さん!おやりなさい!!」

動揺したペイさまですが、やるしかないと腹を括りました。でもペイさまは気付いたのです。

「どうしましょう!ヒゲがありません!」

まだ新人公演が行われていなくて、自前のひげが間に合わなかったんですね。

すると、超上級生でいらっしゃった神代錦さんが「鉛筆で描いたらよろし」と鶴の一声。

素直にペンシルで髭を描き、衣装を着たところでターコさんが復活。

「着ていたバトラーの衣装を一枚一枚剥ぎ取られ、平民に戻りました」

 

このエピソード、ターコさんが「徹子の部屋」で話しておられました!

『風と共に去りぬ』は、レット・バトラーが「さよならは夕映の中に」を歌いながら銀橋を渡る所からスタートします。

その日、ターコさんは歌い終わって袖に入った途端、貧血を起こして倒れたそうです。

もちろん大騒ぎに。

貧血だろうということで、スタッフのお一人がターコさんに「葡萄酒飲むか?」と言ってくださったそう。それに対してターコさんはフラフラ状態でありながら「え?ワイン?どこのワインですか?」と答えたと。

「舞台に穴を開けそうになっているのに、ワインの銘柄聞いて、いいワインじゃなきゃ嫌だなーと思った自分に呆れました」とおっしゃっていたんです。

そうか、その時裏でペイさまは衣装を着せられたり剥がされたりしておられたのね。

 

他にも組み替えの話題などもありました。

 

 

文春砲に関して

そして最近 某週刊誌に取り上げられた「いじめ」についても言及されまして……

 

ペイさまもマヤさんも、イジメではないけれど、宝塚歌劇団で上級生から厳しいご指導などを頂戴することは日常茶飯事だったとおっしゃっていました。

ペイさまは「いろんなことを言われるんですよ。でもね、その中から、なるほどと思うことや自分に足りない点、大事なことだけをちゃんと腹の中に落とし込んで、残りは聞き流す、そういう力を身につけることができました」

とおっしゃっていました。

きついことを言われたり、意地悪されたときに、自分で取捨選択して、役立つことは取り入れる、それ以外はポイッと捨てちゃう、宝塚歌劇に限らず、大事なことですね。

 

 

最近の下級生は(笑)

退団後のお仕事についてもお話がありました。

先日共演したお二人。振り付けは宝塚OG、お二人にとって下級生が担当。

ペイさま「私たち二人ともダンスは苦手じゃない?だから下級生に『私たちサイドステップと、

     ボックスしか踏めないから』って言ったのよね」

マヤさん「そしたら本当にそれだけしか振りがつかなかったですよね。もうちょっとくらいは踊れるっ

     て言うのに(笑)」

ペイさま「そうよ。そういうのって普通、謙遜して控えめに言うものじゃない?もう少しは踊れるっ

     ていうの!全く、最近の下級生は(笑)」

 

 

 

  プライベートなお話し

 

お二人の会話は、プライベートなことにも。

ペイさま「結婚するとしたら、相手に求める3つの条件は?」

マヤさん「私のことをほっておいてくれる人。容姿や身長なんかはどうでもいいです。あとは高給であ

     ること。ペイさんは?」

ペイさま「笑いのセンスがある人。人生どんな苦境に立たされても笑えればなんとかなるでしょ。

     私も容姿や身長はどうでもいいわ。あとお金持ち」

 

お二人ともやっぱり基本的に「ほっておいてほしい」そうです。

自由人なのですね。

 

 

 

  宝塚の重鎮

冒頭、ペイさまがマヤさんのことを「宝塚の重鎮」とご紹介した理由について。

マヤさんは現在 宝塚歌劇団OG会である「宝友会」の会長さんなのですって。

ペイさまは会長ではなく「元締め」とおっしゃっていました。

 

ペイさまは宝友会には入っておられないようで、会費はいくらなのか、どういういいことがあるのか聞いてはりました。

もちろんマヤさんはPRされ

「なんだったらこのあと、会費頂きましょか?」

「お釣りあるの?」

「ありますとも!!」

と、なんとも緩い会話でした。

 

 

  エッセイ『吾輩はぺいである』

 

ペイさまがエッセイを出版されるのは、二度目、33年ぶりのこと。

ご自宅にいらしゃるといろいろ気が散って書けないので、軽井沢(だったかな?)のホテルに缶詰になったそうです。

「わざわざ鳩居堂の原稿用紙を買って、鉛筆も書きやすいいいのを買ってね。形から入る人だから」

 

あら嬉しい、私も原稿用紙は鳩居堂ですわ。最近は夏休みの作文教室でしか使いませんけど。

 

 

私は今日、この新刊をゲットし、開演を待つ間読み耽ったのですが、ペイさまの家庭環境がかなり複雑だったことを初めて知りました。

ペイさま自身、そういうことを今回初めて公表されたそうで

「人間って、生まれた場所で、自分に与えられた条件で戦っていくしかないでしょ?

 親が悪いとか、環境がどうだとか、そんなこと言っても仕方ないの。結局は自分自身の置かれた状況で戦うしかない」

そんなペイさまの言葉に深く感動しました。

 

渡辺和子さんの『置かれた場所で咲きなさい』に通じるものがあります。

 

ちなみに『吾輩はぺいである』は市販されていません。

ペイさまのInstagramに公開されている情報ですので、引用して大丈夫だと思いますから

ここに入手方法をコピペさせていただきます。

  ↓

エッセイは通信販売にてご購入下さい。(書店販売はいたしません)

メール、又はFAXにてお申し込み下さい

mail:takashiokouenkai@gmail.com

fax:03-6909-4278

 

 

最後に、本日の公演ポスターをかけたじゃんけん大会もありました。私?1回戦で敗退しました。

残念!!

 

大いに笑い、最後に人生の深さを感じさせていただいたペイさまトークショーでした。

途中、あまりにギャハギャハ笑いすぎて周りの方にご迷惑かもと思ったのですが、見てみれば客席の他の皆さまも私と同じくらい声を出して笑っておられて、ホッとしました。

 

記憶の中から全てを文字起こしできなくてごめんなさいね。

 

終演後の写真撮影タイム、ペイさまが下手客席をご覧になっている場面で締めくくらせていただきます。

 

 

 

  おまけ

 

終演後、宝塚文化創造館を出たところで「茶々吉さんですか?」とお声をかけていただきビックリ。

このブログを読んでくださっている方ですって。

ありがとうございました!!

 

またどこかでお会いできますように。

 

 

 

 

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