サッカー批評が昨日本屋の店頭に並んでいるところを見たのですが、表紙の一番下に赤い帯に白い
抜き文字で「浦和横断幕事件の問題の本質とは」的なことが書いてあったので、「これは!」と思い
手にとりました。あの事件の本質とは何だったのかという話です。切り込んで欲しいところに切り込んだ
という印象です。果たして記事の内容も、実にはっきりとしたもので我が意を得ました。
世論(?)によって定義された「JAPANESE ONLY」の問題の結論は、「ゴール裏に来る外国人により
応援の統制が取れないことに対するメッセージ」というもの。サッカー批評はこれを真っ向から否定し、
そのような結論を導いたサッカー報道、関係者を明確に批判します。そして言及する本件の本質はつまり、
「在日朝鮮人選手へのいわれなき差別」に他ならないという結論です。
この横断幕を最初に見つけて、クラブへ進言し、対応が図られない中で試合後も最後まで訴え続けた
サポーターのインタビューがあります。そこから透けて見えるのは、関係者の危機感のなさ、横断幕の
存在自体を黙認してしまったサポーター含む現場の状況です。この通報者は、警備員とクラブにきちんと
通報していたのでした。にもかかわらず、試合後も横断幕は撤去されなかったと。何とかしたかったのに、
というサポーターの後悔が伝わってくるようでした。問題はしかし、この日に始まったものでもないようなの
ですが。難しい判断…というよりも、勇気ある行動が求められる問題でした。
過激だったのはJリーグ全体に嫌韓・反中の空気が蔓延している、というくだり。これを言語化する
ことは問題を顕在化させることにもなり功罪あると考えます。それでも勇気を持って書いたサッカー批評。
業界のための太鼓持ちじゃないと。いいですね。Jリーグ発足当時は、リーグ自体を批判する記事は
たくさんもあったように思います。セルジオみたいに怒ってばかりじゃないですよ(笑)。
覚えているのは「倒れてごらん、ファウルだよ」というもの。サッカーマガジン、ダイジェストの大手2誌
ではなかったです。当時のリーグの試合における選手の意識とレフェリングのレベルの低さ。
草創期だからこそ何でも言えたのでしょうか。だとすると今は業界事態、安定志向と予定調和に安寧し
堕落してはいませんでしょうか。浦和の報道を見て気持ち悪かったのはそこです。サッカー批評が
切り込んでくれて、少しだけつかえていたものが取れた思いでいます。