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お久しぶりのお遍路日記。
前回、22番平等寺さんから、23番薬王寺さんまで進んでおりました。
(その時のこともまだ途中までしか綴れていないのですが…それはまた後日!)
23番薬王寺は、徳島の最後のお寺。
24番の最御崎(ほつみさき)寺は、高知のはじめのお寺です。
と、いうわけで、続きを歩いてまいりました。
今回、行きは深夜バスでした。
バスタから海部観光さんに乗り込み、22時に新宿を出て、
阿南津乃峰に到着したのが翌朝7時前。
仕事後そのまま出発だったため、出勤時に笠も金剛杖もスタジオに持参。
行く先々で「どこに行くんですか?」「お遍路って何をするんですか?」「歩くんですか?」などなどお声をかけていただき、すでにお遍路が始まっているようでした。^ ^
予定よりも到着が早かったので、列車の時間までバス停の待合室で休ませてもらうことに。
壁に貼られた地元の小学生たちが編集したという緊急避難MAPを眺めながら朝ごはんを食べ、駅に向かいました。
途中、中学生と思われる男の子に道を尋ねたら不意に話しかけられてビックリしたのかシャイなのか、たどたどしいながらも教えてくれて、
わたしが無事に着けるか、遠くの曲がり角からこちらをこっそり見守ってくれていて。
有り難いのと嬉しいのとで思わず大きく手を振ったとさ。
タクシーを磨いていた女性に「お気をつけて、いってらっしゃい^ ^」と声をかけてもらって「いってきまーす^ ^」と返す喜び。お遍路だなぁ。
阿波橘から列車に乗って、8:30頃に日和佐に到着。
前にも書いた気がしますが、徳島県には電車はないのですよ。日本で唯一。
ディーゼル車!初めて乗った時、車内のにおいに驚いた記憶が今も鮮やか。
今回のお遍路は、国道55号線沿いにひたすら真っ直ぐ進みます。
とにかく直進!迷わず直進!歩け歩け。
(と、言いつつ何度か横道で迷いましたが。笑)
方向ド音痴のわたくしにとりまして細かな進路変更がないのは大変に心強かったのですが、
トンネルが多い。
私の苦手なトンネルが多い。
迫り来る車の音が怖い。
薄暗くて怖い。
狭くて怖い。
響き渡る音が怖い。
とにかく音が怖い。
昔ながらのへんろ道(55号線)を歩きたい気持ちは重々ですが…
避けられるなら避けたい(南阿波サンラインという別ルート有。トンネルが無いという噂)気持ちもある…
薬王寺から最御崎寺までは四国遍路の中でも2番目に長い距離だそうで、約76km。
途中に山道などは無く平坦で歩きやすいものの、とにかく遠いのだそう。
これまでに出会ったお遍路経験者さんからは、
「あそこは海・道・山しかない。特に見るものがない。」とか
「ただ距離が長いだけで何もない。」とか
法輪寺で出会ったおいちゃんも、
「あそこはな、とにかくただ遠いだけじゃ。家も人も居らんし、ひとりで歩いても大して実りがない。それよりも、誰かに出会って話をすることの方がよっぽど良い。ヒッチハイクして、車に乗せて連れて行ってもらったらいいんよ。」
って言ってたなぁ。
ちなみに、サンラインコースはトンネルは無さそうなものの、Googleマップによると55号線沿いよりも4km長く、1時間ぐらい長く歩くことになる。
できるだけ体力を温存しておきたい気持ちもある…
けどトンネルは避けたい…
迷ったので地元のおじさんに道を聞きがてら相談。
「確かにこの先には長いトンネルがある。けど、車道と別に歩行者用の道が整備されているからそれほど危なく感じないとは思うよ。でも、音はうるさいだろうなぁ。言われてみれば、サンラインはトンネルが無いかもしれんね。サンラインなら、ちょっと行って左ね。」
なるほど…
優柔不断なわたくし、それでも決めかねたので鮒の里のお父ちゃんにテレフォン。
「おお、サンラインはなぁ、観光用の道だからな、あんまり勧めんぞ。トンネルなんぞ大した事ない。そこから先もいくらか出てくるんだけん道なりに行きなさい。」
腹を括れということですねーーー
ですよねーーー
はいーーー!
と、いうことで、55号線をゆく!👣
ひとつ目の小さなトンネルを耳を塞いでなんとか乗り越え…
更に歩いたところで…
う、うわぁ…
気配が…
日和佐トンネル。
地図では800mと書いてあったけど、実際は690mだそうで。
どちらにせよ長い…長いよ…
恐怖の音対策に、わたくし、秘密兵器を使用しました。
ノイズキャンセリングイヤホン。
を、両耳に装着。
すごい!大分軽減される!
ちょっと怖いけど大分怖くない!
・:*+.\(( ° ∀ ° ))/.:+
結構進んだかな?と思って後ろを見たら、行く手のかまぼこより全然大きい明るいかまぼこ!
くそぅっ!振り返らなきゃ良かった!まだあんなに先なのか!長い!
イヤホンと排気ガス対策のマスクをつけるのに必死で、トンネルの入口の写真は撮っておらず。
出口は撮ってました。笑
やったったぜ…
手強かったぜ…
あちこちで藤の花が咲いてました。
綺麗ねぇ~♩^ ^
そう、ここで一瞬迷ったんだった!
道沿い直進?それとも、右の細道?
小松大師をヒントに右を選択出来たんだけど、
緊張や不安は本当に物事を見えなくさせるね。
事実を見て、冷静に捉えれば自ずと答えが出ることも、余計な考えが浮かんで惑っちゃう。
経験を重ねて危機管理が向上した故の 一瞬 と言えばそうなんだけどさ。
それから順調に歩いていたのですが、霧雨が降って来て。
笠もかぶっているしリュックも撥水してくれるので、ある程度の雨はへっちゃら。
なのでそのまま歩いていたのですが、だんだん雨が強くなってきて。
けど弱まったりもして、カッパの着どころがわからない。
一度着ると脱ぐのは面倒だし、暑いし、蒸れるし…
でも今回はもうちょい早く着とけば良かったな。
完全にタイミングを逃して結構濡れました。
加えて、横を通る車のタイヤが道路の雨水をまきあげて、霧状に降りかかってくる。
トラックの威力に乗用車がかわいらしく感じる。
久々に受けるお遍路の刺激に、早くも心が折れかけたりして。
屋根も囲いもベンチもテーブルも揃った立派な休憩所に寄せてもらい、
荷物を置いて笠もカッパも一旦脱ぐ。ホッとする。
歩きはじめてすぐの頃、お仕事中と思われる男性が駆け寄って来て持たせてくれたポカリがまだうっすらひんやり美味しい。
栄養補給して、お手洗いをかりて、あともう少しがんばる。
お膝元で飲むポカリはいつもより新鮮な気がする!(©︎大塚製薬)
一度しっかり休むと、
回復もするけれどその後の疲れの感触は刻一刻と濃くなる。
重い…荷物が重い…
昨夜から洗えないまま連れてきた汗を吸いに吸いまくったヨガウェアのせいだろうか…
背中が重い…肩が痛い…
距離としてはまだ大して進んでないだろうに…悔しい。
雨と荷物に消耗しつつ、14:00過ぎにやっとこさ牟岐駅に着いた。
この日はここで歩き納め。
鮒の里には最終日にお邪魔する予定だったのですが、急遽向かうことになったので切符を買う。
牟岐から立江へ。
汗と雨でじっとり…
服がすぐ乾く素材でなかったことが悔やまれる…デニムがおかしな縞模様。笑
列車が来るまで待つ間も、乗ってからも、寒さがしんどかった。
さっき降りた日和佐や
さっき乗った阿波橘を
車内からうっすらと横目に見つつ…
一日目のお遍路は終了。
その日は鮒の里に泊めてもらって、あたたかいお風呂をいただき、念願のお洗濯もさせてもらって。
(ヨガウェア!清潔バンザイ!笑)
夜ご飯はお父ちゃんをはじめお遍路ラボの皆さんとご一緒させていただきまして。
いかの天ぷらも美味しかったなぁ。
宮本さんにも久々に会ってお話ができてとっても嬉しかった~!^ ^
良い夜でした…☆彡
つづく〜