お遍路さん日記 18 〜再会と再開の喜びお遍路〜 | しまだの芸術活動記。

しまだの芸術活動記。

日々笑ったり泣いたりはしゃいだり小躍りしたり…
おおいそがしなのであります。

(※紫色の文字のところも押してみてね。リンク先に飛べます。)



コロナが流行してから再開第1回目の記念すべきお遍路。

持ち物やお参りの準備とか、久々すぎて色々と探り探り。


夏のお遍路は初めてなので、何が必要になるかな〜とか想像しながら。

わたしにしては荷物が少なく出来たのはこの2年ちょいで成長いや、ただただ、夏のおかげですね。(薄着)



出発前日、鮒の里に泊めていただきまして。

お父ちゃんと再会の祝杯。




朝、お寺まで送ってくださいました。

お父ちゃんありがとう!




22番札所 平等寺さん。


徳島で出会った皆さんに良くしていただいて

とても居心地が良くって

随分と足を止めておりました。笑


さぁ!ここから歩きますよ〜!





歩き始めって、まだ散漫なので、

靴や笠の紐の締め具合が気になったり、

首から下げたカメラやリュックの位置が気になったり、

馴染むまでにちょっと時間がかかる。



薬王寺さんには何時に着けるかな〜?

お父ちゃんに行き方を尋ねたら、

「もし歩けそうにないと思ったら、途中で汽車に乗るといい」とアドバイスをいただきました。

わたしがなかなかの方向音痴な上に、

面白いものを見つけると写真を撮りたがり、

地元の人とすぐ話し込んじゃう、道草食いまくりのへっぽこお遍路さんだということを熟知しているのでね

でも歩いて辿り着きたいな〜!



民家を抜けて、少し小道に入ったところにお地蔵さん。



  深い緑 は、

わたしにとってお遍路になくてはならない要素のひとつ。


景色も、気分も、

歩き遍路モードに徐々に入っていく感じが「これこれ!」って懐かしい気持ちがした。





水滴がキラキラ美しい。(うまく写せなかった赤ちゃんぴえんあせる)


沢の音が涼しい。




あらっ。

こんにちは。









わたしも一歩一歩踏みしめますね。足



歩き始めて1時間くらい経ったかな。

だらりとした上り坂で、軽トラックに乗ったおじちゃんに声をかけられた。


「ご苦労さん!」

「おはようございます!由岐ってこの道であってますか?」

「遠いぞ〜!暑くて大変だから、乗せていくぞ〜!」

「ありがとうございます!まだ歩き始めたばかりだし、このまま足で行こうと思います!」

「遠いから乗せてってやるぞ!」

「あ!いや!出来るだけ歩こうと思ってるんです〜!お気持ちだけ、有り難くいただきます!」

「この間のお遍路さんもな〜


…と、おじちゃんがお話をしてくれるんだけど、

本格的に陽がのぼっちゃう前に出来るだけ距離を稼いでおきたいのと

上り坂の途中なのと 重たい荷物を背負っているのとで

わたしの心や足は先に向かいたがっていて。

落ち着いて話を聞いていない 自分 に気付く。

ご、ごめん!ごめんよ!おじちゃん!


これがきっと、心が折れかかってたり、

16時とかだったらお言葉に甘えて乗せてもらってたかもなぁ

(納経所は17時に閉まってしまうのでね。)


話の切れ目で、「ありがとうございました!いけるとこまでがんばってみます!」と言ったら、

「おう!いってらっしゃい!」と、おじちゃんが答えて車を走らせた後、

すぐにこちらへUターンして来て、

「ほら、これ、飲めるか?」と、ブラックの缶コーヒーをこちらへ差し出しました。

何かしてあげたいと思ってくれる気持ちが尊い。嬉しい。

「いただきます!」と受け取って、手を振って見送りました。

おじちゃん!お接待ありがとうございます!



あ〜 お遍路してるな〜

と、思いながら撮った写真。



斜めった竹や木って、つい撮りたくなっちゃう。



鉦打トンネル。



初トンネル!

暗さも狭さもなのですが

何が一番って、音が怖いぃぃぃぃ!!!!!


車が通り過ぎる時の爆音が

心臓が破けちゃいそうな恐怖感。

杖を小脇に抱えて、耳を塞ぎながら小走りで進む。


トンネルの途中に曲がるところはないんだし、

道は合っているんだろうけど、

不安になってへんろ道の矢印を探してしまう。

でも矢印は無くて、

ビュンビュン車は走っているけど 歩行者は一人もなくて、

不安が不安を呼び大きくなって。


トンネル長かった

長かったよぅ!赤ちゃんぴえんあせる


なにかごっそり持っていかれたような心持ちで歩いていたら、

次のトンネルが見えてきた。



……またトンネル……赤ちゃんぴえんあせる



いよいよ本当にこの道であってるのか不安が炸裂していたら、

トンネルの手前で草むしりしているおじさんを発見。


すがるような気持ちで、こんにちは、と声をかける。

手を止めて挨拶を返してくださった。

「歩きで回ってるんですか?」

「そうなんです!薬王寺に向かっているんですが、この道であってますか?」

おそらくわたし、泣きそうな顔で聞いていたんだと思う。笑

「そうですよ〜!この道であってますよ^ ^」

と、安心させるように答えてくださった。


「国道の方じゃなくて、海沿いのへんろ道を歩きたいんですが、この先がよく分からなくて

と、地図を広げながら話すと、

「そうそう、このトンネルを越えて道なりにしばらく行くと、左に道があるのでそっちへ進むと海沿いに繋がるはずですよ。

ちょっとこの辺、歩きの道は詳しくないんだけど、左に行けば大丈夫なはず!

ちなみに国道は右方向なんですけどね。海の方に行くなら、左!

本当は国道の方が道がわかりやすいし、それに薬王寺をこえた後は室戸までずーーーっと海沿いだから、今無理に行かなくても、この先ずっと嫌でも海沿い歩くことになるからね〜」と。

…確かに。噂で伺っております。

海、道、山、3日間くらい同じ景色を見ながら歩かないと辿り着けないという、薬王寺から最御崎寺へのへんろ道。

でもどうしても海沿いに行きたかったので、お礼を言ってトンネルに向かいました。


が、


一旦歩みを進めたものの踵を返し、

休憩所でひと休みすることにしました。


そういやわたしちょっと休憩したいんだった!キョロキョロ


いや、立て続けのトンネルに怯んだっていうのが、正直なところ。笑


さっきの軽トラのおじちゃんからもらった缶コーヒーをいただこう。



普段は牛乳を入れるけど、ブラック無糖がさっぱりで美味しい。

歩き遍路中に口に入れるものって、有り難美味しいんだよなぁ。



草むしりのおじさんも一緒に小休止。

ちょっぴりおしゃべりして。


聞かせてもらったお話の中で印象的だったのは、大八車をひいて何周もお遍路しているという方のお話。

自分の仕事を早くに息子さんに継いだ後お遍路に出て、それからお盆以外はずっと遍路。

大きくて重たい大八車をひいて、野宿。

ちょうど今話しているこの休憩所に、ブルーシートなどを張って台風の晩をやり過ごそうとしていたところで出会って、色々とお話をしたそうで。


野宿。

わたしがもし屈強な男子に生まれてたら、野宿という選択肢を選んだりしたのかなぁ…?

と、空想。

どうしよう。今後、野宿せざるを得ない状況に陥ったら。

1人では絶対無理だな…。

っていうか、そういう状況は未然に防ごう。安全第一。


缶コーヒーを飲み干し、いざ、トンネルへ!


おじさん!ありがとうございました!

(((お姿は撮れなかったのでお車をパシャリ。)))



「さっきのトンネルより短いよ」っておじさんのお言葉通り、

さっきよりはあっという間に終わってくれて一安心。

でもやっぱり怖かった。

暗いし狭いしうるさい…音がとにかく苦手。



そのまま道なりにてくてく行くと

おや?右に道があるなぁ?

更に二手に分かれていて、

    薬王寺

    海

って書いてある





うーん。

も、おじさん、左って言ってたなぁ。


キョロキョロするも、近くに人は居ない。


うーん。

こういう時は…テレフォン!

鮒の里のお父ちゃんにヘルプしたら、おじさんと同じく「左に道があるはず」とのこと。


うーん。

でもどう見てもこれ、右に道が続いてるんだよなぁ

「トンネル2つ抜けて、ほれを左よ!」

そうかよし!じゃあ、もうちょいこのまま直進してみよう!



と、いうことで歩き進めると、

「日和佐道路」と書かれた看板が立ってる。

日和佐は、わたしが向かっている薬王寺のある町。



おや?



自動車専用道路!

歩行者はダメなのね!


なるほど、草むしりのおじさんも、鮒の里のお父ちゃんも、

普段きっと車で移動するから、海の方へ行くならこの道()なのね!

でも、歩く場合は、右ってことなのね!


と、いうわけでバックバック!

来た道を戻ります。


こういう時、なんとなく損した気分になるんだけど、

でも、早めに気付けて良かった!

引き返す勇気を逃すとどういうことになるか、は、経験済みなのでね。

sammy、山中で迷子になったってよ。


(((あの時の出会い桜もとっても貴重だったので、良かったんですけどねお願い照れキラキラ)))




この矢印を頼って行けば良かったのかぁ。


もらったヒントから自分に適切な選択をする。

ひと任せも良くないし、聞く耳を持たないのも良くないし、塩梅って大事だね。



そんなことを考えながら道を渡ろうとしていたら、

見覚えのある車の窓から

「そっちそっち!」

と、声をかけてくださる方が!


草むしりのおじさん!


心配して先回りしてくれたようで。

自動車専用道路だとわかって、わたしが間違えないように追いかけてくれたみたい!

ありがたいね。^ ^

走り去るおじさんに、おっきい声で「ありがとうございまーす!」とかけて車を見送る。


あたたかさが沁みます。

にまにましながら歩いちゃうよ〜。

歩き遍路、やっぱりいいなぁ。



………続く!



足足足