昨日 車に乗せてもらったところまでまた送迎していただき、お遍路のつづきを。
14番札所 常楽寺
階段を登った先は、
地面が岩で出来ていて。
ゴツゴツしていて、今までのお寺にはない雰囲気で、すごく印象的でした。
あと、猫さんたちが のんびりすごしていました。
クールなんだけど、人懐っこくて。
ダウンドッグ
ならぬ
ニャンドッグ？
ダウンキャット？
ふふふ。
納経をしてもらいながらお寺のことを教えてもらった。
一度火事で焼失してしまったけど、
江戸時代に再建して、その時に今の岩盤の地面になったんだって。
今は安全面から舗装されているけど、昔は階段も全て岩だったそう。
直接うかがうと意味が染み込みやすい。
ネットで調べれば知識や言葉はたくさん出てくるけど、それを理解する深度や速度には大差がある。と、わたしは思う。
お礼をして外へ出ると…
あら！
お二方ともお揃いで。
お見送りしてくれているんですか？
ありがとうございます
^ ^
^ ^さぁて、次のお寺へ！
13番大日寺からのこの辺りは、
お寺の間隔がせまいのであっという間に着く。
15番札所 国分寺
なななんと
ただ今ご本堂は修復中らしく、足場に囲まれていて全貌が明らかになっていませんでした。
お寺に近づくにつれ、民家の隙間から覗く様子が
立派な佇まいだったので拝見出来なかったのは残念だけど、
これはこれでなかなか見られないお姿でしょう！ってことで、一時的にお隣のお堂にお引越し中の現・本堂へ、心を込めてお経を唱えた。
さっき常楽寺でも唱えたばかりか
般若心経をすらりと言えた気がした。
てくてくてく。
荷物を鱗楼さんに置かせてもらっているので、お遍路グッズ以外は ほぼ手ぶら。
軽い！歩きやすい！
どこまでも行けそう！笑
そうして進むこと2キロ…
16番札所 観音寺
こちらも、住宅街のなかに佇んでいました。
立派な門！
お参りにくるのが地元の人が多いのか、
わたしより後にいらした方が先に帰っていかれた。
お経が手短。
納経もせず。
わたしはお作法通りに唱えているので、それなりに時間がかかっております。
ふふふ。
立ちっぱなしだから足が辛いけどね。
でも、下手っぴですから。わたしのお経。
心意気で祈るのです！
仏さまには、さぞ片言で不思議な音色に聞こえているに違いない。
お世話になった 鱗楼さん。
観音寺からすぐ近く。
落ち着いた雰囲気で、くつろがせてもらいました。
お食事、豪華だったなぁ。
美味しかった♫
預けていた荷物を背負って、再度出発！
お世話になりましたー！^ ^
昨日から密かに企んでいたのが…
荷物を軽くすること！！！
ここから荷物送れます！
の、のぼりに引き寄せられ一軒のお店へ。
もうこの先使わないだろう荷物を選別して家へ送ることにしました。
少し余分に持ってきた衣類や非常食など、
細々したものの他に…
「立ち止まったらそこが舞台！」
と意気込んで持ってきた、花いちもんめの衣裳一式も……
悔しいけど、
今はそういった状況ではない。
札所を打つのに必死で
お芝居を打てる感じではない。
わたしうまいこと言うねぇ。笑
…今回は手放したとしても、諦めずにまたチャレンジしてれば、きっとどこかいつかのタイミングで出来るでしょう！
最悪、今のこの姿で出来なくもないしね！
(簡略verだけど、全身白だし輪袈裟もしてるし！)
ええい！今はとにかく先へ進むのが大事！
と、いうことで送り返すことに。
住所を書き書き…
ちなみにここは調味料や発酵食品などを売っているお店らしく、今はもう使っていないおっきな桶がありました！！！
おじさん自慢の浮世絵。
今は郵便受けと牛乳受け置き場に。
ちょっとしたベンチにもなって便利なんだって。
と、言うわけで少し身軽になったわたくし。
次のお寺へ。
歩け歩けー！
17番札所 井戸寺
と、ここまでは良かった。
大変だったのは、ここから。
井戸寺から次の恩山寺まで18.7km。
ルートが色々とあるんだけど
わたしは昨日からの足のマメの具合が芳しくなく。
近道だという山道は歩けそうにないな…
と、徳島駅方面の街中を歩くルートを行くことにしました。
暑い。
確かに昨日からの天気予報でも言ってたけど、
とにかく暑い。
更にコンクリートの照り返しもあって暑い。
日差しも、
温度も、
暑い。
暑い。
暑い。
暑い。
そして減らしたとはいえ荷物も……
重い。
重い。
重い。
体力も気力も奪われる。
そして
わたしの方向音痴が ここでも炸裂。
地図をぐるぐる。
持ち手をぐるぐる。
今通ったセブンイレブンがこれだからー、
ん？ガソリンスタンド？
ん？セブンイレブンこっちにもあるな。
んー？
んーーー？？？？？
お庭の手入れをしていたおじさんに、
す…すみませぇん……
ここ、この地図でいうと、どこですか……？(T_T)
ここは…この辺りだよ！赤い線の道はね、向こうの道だなぁ！ …来た道を戻るか、ここからだと…まず真っ直ぐ行って…左に曲がって…しばらく行くと〇〇歯科があって…そこを右に曲がると……
自分から聞いているくせに
途中で集中力が切れてわからなくなる。
んーと、まっすぐー、左ー、右ー、歯医者さん、まっすぐ…
ん？ちがうな！
まっすぐー、左ー、歯医者さん！右ー、まっすぐ…
うっ。うっ。(T_T)
この方向音痴は家族の誰に似たんだろう。。。
突然変異かな？ いや、母かな？
犯人探しをし尽くすパワーもないので歩く。
また自信がなくなって、
洗車していたタクシーの運転手さんに、
のどから足が出そうなほど本当は乗せてもらいたいところなんですが、道をお尋ねしてもよろしいでしょうか…？(T_T)
と、話しかけたら、
ほぉ！どこ行くけん？おぉ恩山寺か！そうそう、この突き当たり右に行ったらまっすぐや！
なんじゃ、ラーメンご馳走してくれたら乗っけってってやるぞー！^ ^
ううううう…！！！
おっちゃん、なにそのおかしな提案。
ちがうのよ。ちがうのよ。ダメなのよそれじゃ。
っていうか、もう今回その手は使ったし、笑
そもそもラーメンと引き換えって！
面白いけど ちがうんじゃぁぁぁ！笑
と いうわけで、交渉決裂。笑
歩きました。笑
マメがだいぶ痛くなってきた。
荷物が前より重く感じてきた。
そして暑い。
信号待ちで、渋めの男性に声をかけられた。
なんか、雰囲気が違うな？と思ったら、
埼玉から来た とのこと！そうか、確かに地元の人っぽくない！
わぉ〜関東！それだけでなんとなく一体感。笑
明日から区切り打ちをスタートさせるそうで、
職場の先輩と2人でまわるそう。今日は近くのホテルに泊まるそう。
どのくらいの日程でまわるのか とか、
今日はどこまで歩くつもりなのか とか、
その男性は、スペインの巡礼もされたことがあるそうで、向こうはさほど道がキツくなくて歩きやすいらしく。お遍路ほど荒業ではないって笑いながら教えてくれた。
何ブロック分か話しながら歩いて
お互いに無事を祈って別れた。
あの方は健脚だろうから、もしかすると明日どこかのお寺でお会いするかもしれないなぁ。なんて思いつつ。
不思議なことに、その方とお話している間はマメのことなんかほとんど忘れて足取りが軽かった。
サクサク歩けてた。
けど、別れてしばらくした途端、
また ずずずぅぅうん っと重たくなった。
ひとり…
寂しい…
山と違って
周りにたくさん人も車もお店もあるのに
寂しい 寂しい 寂しい…(T_T)
と、下向きながら歩いてたら、
前から誰かの足が視界に入ってきて…
ガンバッテクダサイ(^人^)
と、外国人さんから合掌と共にエールをいただいた。
イケメンさんだった。
サングラス越しだったけどすぐわかった。
イケメンさんだった。
いや、もう、そのお心遣いもイケメンだ。
惚れてまうやろ。
と、後ろ姿を激写。
ポッケに手を突っ込み歩く姿も麗しい。
どこかのお国のイケメンさん。
不意打ちのイケメンは、
写真を撮るという余裕も もたらしてくれるみたいです。
気付けば今まで全然写真撮ってなかった。。。
すごいな イケメン。
すごいな 胸キュン。
もっとあんな世も末みたいな目でじゃなく、
ニッコリ歩いていれば良かった。。。
なんちゃって。
大きい車がビュンビュン通る横を
ちまり ちまりと歩く。
途中、休憩出来そうなお店がいくつかあったのだけど、
あともう少し
あともう少し
と、見送っていたら
とうとうタイミングを逃し
そのうちに、納経のリミットの17時にギリギリ間に合うか間に合わないか怪しくなってきた。
ペースを上げたいところだけど、
足が思うように動かない。
排気ガスで鼻や喉がザラリとする。
息苦しい。
手ぬぐいで泥棒のごとく口と鼻を塞ぎ歩く。
息苦しさが増す
が、こっちの方が随分マシ。
痛いよー。
暑いよー。
重いよー。
ひとりが苦しくて、
色々なものに故郷や友人・知人を重ねる。
先輩お元気かなぁ。とか
今年も梨の季節だなぁ。とか
わたしとその人やその土地にしか伝わらないだろう、なかばラブレターのような↑写真。笑
どうしよう。
お手洗い行きたくなってきちゃった。
自販機探しに心配のない道になって、
ビクビクせずに水分補給出来るようになったら
うっかり飲み過ぎちゃった。
と、いうか
足の痛みやら荷物の重みやらを紛らわすのに、がぶ飲みはなんとなく気が晴れたのです。
が、それが元でお腹チャポチャポ感。
そしてトイレに行きたくなっている。
ダメじゃーーーん。
トイレ行きたい
今すぐ行きたい
さっきのお店で行けば良かった！
トイレ行きたい
トイレ行きたい
うぬぬぬぬぬ
駆け込んだ先は
新聞屋さん。
すみません！
お手洗いを貸していただけないでしょうか⁉︎
わたしの切羽詰まった様を見て
どうぞー！
そこ、上がって正面のドアがそうだから！
と、快く貸してくださいました。
落ち着いてよくよく考えると、乙女と呼べる年齢ではないにしろ(戸籍上ね)、一応 わたしもレディなわけで……
スッキリしてから溢れる恥ずかしさ。
突然の不躾なお願いを聞いていただき…ありがとうございました。助かりました。。。m(_ _)m
と お礼を申し上げると、
いえいえ！歩きで回ってるんですか？
大変ですね！今日は特に暑いし！
きっと夕刊はもう済んでいるはずだから
明日の朝刊の準備かなぁ？
折り込み？みたいな作業をしながら、わざわざ少し手を止めて声をかけてくださった。
それからいつもの、どこから来てどこへ向かうのか…みたいなやりとりをして、
芝居のことや、花いちもんめの夢の話もした。
いつか、徳島新聞にわたしが載る日が来るかもしれないのでその時はよろしくお願いしますね！なんてケラケラ笑ったりもして。
お世話になりました
そこからまた
てくてく。てくてく。
やっときた…勝浦川橋！
昨日と違って
泳ぎたいとは思わなかった。
成長したのか…
退化したのか…
それが問題だ。
笑
笑うーーー
もうすぐ17時。
それ以降もお寺に入ることは出来るけど、
納経所は閉まる。
行けるか？
間に合うか？
ギリ……
いや、このペースじゃかなり難しそう。
と、いうか、足が、もう、限界。
むくみも手伝って、足の状態は最悪。
マメの部分だけじゃなく、もう足の裏全体が痛い。
よちよちとしか歩けない。
いや！でも！
恩山寺までは！
17時まで、
あと20分…
あと10分……
あと5分…………
あと……あと……
17:25 恩山寺の前に着いた。
間に合わなかった。
ここから3.5km先に宿がある。
数字にしたら、どうってことないのに。
気絶したいくらい遠く感じた。
もう無理。
一歩も歩けない。
限界の限界だぁぁぁ。
今宵のお宿、鮒の里のおっちゃんへ電話。
目の前に広がる空を見ながら
虚しい気持ちになった。
達成感よりも 悔しかった。
お宿へ向かう道すがら
車の中で涙が出たのは
ここだけの話。
そうして
この鮒の里での出会いが
後に
想像していなかったご縁に繋がる。
つづく。