こんにちは。

 

今回はウマ娘シンデレラグレイ感想編。およそ3か月ぶりの投稿となります。その間も最新話を毎週楽しみにして欠かさずチェックし、最新刊は予約を入れ、別カバーも獲得するためにヤンジャンを買いに走る日々。アニメ化はまだですか。

 

前回は3~5話でしたので、今回は6~7話の感想となります。1巻の感想はこれにて完結です。それではスタート。

 

!注意!

ネタバレを含みます。扱う話の範囲のみならず、その先の展開、本誌連載分や史実までネタバレが及ぶ恐れもあります。単行本のみでシングレを追いたい方や、史実の知識を入れないで漫画を楽しんでいる方はブラウザバックを推奨します。

 

読みながら思いついたことをかなりダラダラ書いていますが、ご了承ください。

 

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第6R『頂の景色』

扉のキャラ紹介はフジマサマーチ。元ネタはマーチトウショウ。トウショウを藤正と書いて、訓読みするとフジマサとなるということでしょうか。

 

トウショウボーイやスイープトウショウの冠名であるトウショウは、トウショウ牧場から来ているのですが、どうやらマーチトウショウのトウショウはそれとは関係がないようです。

 

JRAのCMにありますが、「芦毛の馬は走らない」と言われていた時代に、芦毛の怪物が生まれ、その怪物を笠松で破ったマーチトウショウ、中央で立ちはだかったタマモクロス、「事件」の牝馬であるホーリックスがことごとく芦毛であることは、偶然とは思えないほど出来すぎです。競馬の神様はたまにそういうことする。

 

キャラ紹介に「気骨稜稜」とあるのですが、この紹介書いているのルドルフじゃないでしょうね。なんとなく意味は分かりますが、ぱっと出てくる四字熟語じゃない。念のため調べてみたら、意味より先にウマ娘のスキル名がトップでヒットしました。キングヘイローのイベントサポカで入手できる金スキルみたいです。

 

6話の最初のコマ、「カサマツレース所属トレーナー一覧表」という気になる表示が。全部で18人いることが確認できますが、当時の騎手の数とか調教師の数とかに準拠してそう。

 

2コマ目の雰囲気がリアルの競馬場やウインズのそれですね。着こんだおじさんしかいない。6月にしては厚着な気もしますが。

 

オグリキャップの記事はしっかり文字まで確認できます。

 

ラジカセはなんと本人持参。(ちなみに盆踊りの仕上がりは非常に完成度の高いものとなっていた。)という注釈がついていたり、ギャップの高低差で減圧症になってしまいそうだ、という記述であったり、記者の個性が強い。

 

面白いのは大食いに関しての記事。12杯のラーメンを平らげたことに関し、「いったい何処にその質量が消えているのか、専門家に話を伺ったところ喰い気味に「知らんがな」とのコメントが返ってきた。専門家も匙を投げる物理法則を無視した究極の栄養補給こそが……」

 

正直、みんな突っ込みたいけど突っ込めないことをしっかり取材しているあたり、有能な記者ですね。

 

「料理長に話を伺ってみたところ、「もう勘弁してくれ。学生全員でも5年は満たし続けられるだけの食糧庫が、もう8割食い尽くされている。食べ放題とは言ったが、これではやりたい放題だ。」と、たいして上手くもないことを言い残し、食材の買い出しに向かった。ちなみにその間、オグリキャップは18杯目へと手を伸ばしていた。」

 

細かい文字で書かれているため目立ちませんが、このテキスト考える人楽しかったでしょうね。

 

天ぷらそばを食べるオグリキャップ。作画自体はおいしそうに書かれているのに、莫大な量のせいで別の何かに思えてしまう。カサマツの食糧庫が心配です。

 

前回オグリに落ちた三馬鹿が話しかけてきますが、オグリ節が全開。「おいノルン、こいつ察し悪いぞ」というルディの突っ込み、デレながらキレるノルン。段々三人の立ち位置が分かってきました。

 

「…あと、いじめてごめん…」

 

ちゃんと謝れて偉い。まだ彼女たち若いですから、精神的にも成長できます。当のオグリは「?」でしたが。

 

金華山でのトレーニング。岐阜のみならず中部地方についての土地勘が全くないので、位置とかは全く分かりませんが、別名が稲葉山であると聞けば歴史深い場所だと分かります。斎藤氏・織田氏の城があったところですか。

 

ベルノライトがサポート役のやりがいに目覚めつつ、スタミナトレーニングをギブアップ。ウマ娘も走るだけに特化したわけではなく様々なタイプがいるんですね。馬もそうか。

 

展望台のような場所にたどり着くオグリキャップ。モデルになった場所はあるんでしょうか。聖地巡礼してみたい。ていうか、岐阜城の史跡とかありそうだし普通に面白そう。

 

そこにいたのはフジマサマーチ。初めて二人きりでの会話となります。フジマサマーチは素で険しい表情なので警戒するオグリですが、マーチが聞きたいのはオグリ自身の目標。思えば、東海ダービーに並々ならぬ意欲を有しているマーチは、北原がオグリに対して発した「東海ダービー……夢じゃねえ!」という言葉にすら反応を示していました。

 

レースで競ったことでオグリキャップの才能を誰よりも近くで体感し、東海ダービーに勝つためにはオグリキャップを倒さなければいけないと直感したマーチは、それでも自分とオグリとの間にある差を問いただします。

 

「だがそのままでは速いだけだ。頂上を決めなければ山は昇れない」

 

アニメ3期を見ている今のタイミングで聞くと、このマーチの金言も感じるところがあるというもの。ジュニアクラウンに出ろ、と挑戦状を叩きつけてマーチは去っていきます。

 

マーチが発した「頂の景色」というワードに導かれるように、金華山からの夕景を眺めるオグリキャップ。走るうえでの目標を手に入れつつあるオグリキャップは、ゆっくりと、でも着実に成長をとげています。

 

おまけ一コマは寮でのマーチの一コマ。同室はデビュー戦にいたウォークダンサーちゃんです。マーチは表情もそうですが威圧感を放っているため軽々に離せない存在ですが、実は優しい子なんですよね。丸くなった後を知っていると、むしろこの頃が新鮮に感じます。

 

第7R『ジュニアクラウン』

扉絵はノルンエース。誕生日少し遅めですね。

 

ベルノライトのデビュー戦は2コマ落ち。

 

「速くてごめん…」

 

と全く励ましになっていない励ましをするオグリ。

 

ベルノライトが感じた生のレースの難しさは、現実だと騎手が感じるものなんでしょうね。今季のジョッキーカメラ導入でイメージはつきやすくなったものの、実際に競馬で騎乗するとなると、想像が及ばないほどに難しいのは間違いない。

 

ジュニアクラウンについての解説が北原から入りますが、史実と若干の齟齬もあります。1400メートルが初挑戦かのような描写がありますが、史実では1か月前の秋風ジュニアというレースでオグリキャップは1400メートルを経験済みです。ついでにいうと、マーチトウショウをすでに2回下しています。

 

「耳にイカができるくらい聞いた」

(タコだよ)

 

もはやベルノライトのツッコミがサイレントになってしまいました。オグリの顔はなんでそんなにキリっとしてるんですか。

 

鋼の蹄鉄をポイっと投げるのは危ない。なんか間違ったら北原は骨の一本や二本持ってかれてましたよ。

 

レースにおけるライバルはもちろんフジマサマーチ。好走条件である外枠(8枠9番で大外)、先行馬を満たしている彼女は集中を極限まで高めています。

 

レース前、初めて東海ダービーというレース名を口にするオグリ。

 

「俺の目標だ」

「…そうか、なら私もそこを目指すよ」

 

金華山でのマーチとのやり取りでオグリの内面にも変化が。上るべき山を見定めたオグリはどのようなレースを見せるのか。

 

1番人気はオグリキャップ、そして史実のマーチトウショウは実は3番人気です。

 

そしてここでキーパーソンが初登場。フェアリーゴッドファーザー……もとい、六平銀次郎トレーナー。中央でトレーナーをやっていると聞いたときのベルノライトの反応が印象的でした。

 

「雲の上のお人やぁ~…」

 

となるのが一般的なんですね。アプリでのトレーナーはどこか抜けている人も多くてどうにもそういった感覚が湧かないので、ウマ娘世界の解像度を上げる材料としては貴重な資料です。

 

ハット、アロハシャツ、サングラス、髭……属性多いな。モデルは瀬戸口勉調教師…でいいのかな、とりあえず。

 

荒れてた頃の北原を知っている御仁で、憎まれ口こそ叩いているものの、甥が立派にトレーナーしていることは嬉しい以外の何物でもないでしょう。あとからわかりますがツンデレ属性ですからね。

 

レース前、マーチをオグリがびしっと指さし一言。

 

「貴様には負けん」

 

これに対してマーチの顔の上半分が映っていないコマを挟んだのが素晴らしい。マーチの口角が上がっていることだけが分かりますが、それで十分です。

 

そして1巻の最後のシーンはとあるうどん屋。きしめんをすする関西弁のウマ娘。後に現役最強の座に上り詰める白い稲妻も、いまはまだ名前の知られていない一人のウマ娘にすぎません。

 

風か光か、タマモクロス。オグリキャップとどう絡んでいくのか、想像が膨らんでワクワクが止まらなかった初見のときの感じを思い出します。そのワクワクを遥かに凌駕するものを摂取し続けているわけですが。

 

おまけのやつにはステージ衣装で赤面するマーチ。かわいい。

 

四コマはナイスアイディア電球なオグリ。違う、そうじゃない。

 

あとがきには企画構成の伊藤さんと脚本の杉浦さんが熱いコメントを寄せています。伊藤さんのコメントには作品を理解するうえで重要なものも。

 

時代設定のファジーさ、そしてアニメウマ娘1期についての言及も。「制作当時の時代設定およびレースプログラムにおいて、98-99の競馬世界をifを用いて描くもの」とはっきり言ってくれたことで、やはりエルコンのダービー参戦は出走権が外国産馬に解放された2001年以降の制度であれば……ということが確定。ウマ本とかでは言及あったりしたんでしょうか。

 

アニメ見ても思うのですが、もう主人公が違うのであれば違う世界線で描いてくれていいと思います。もしシングレ以外で4期をやるなら、の話ですが。RTTTとかああいう形でもいいから、もっと見たいんです。2000年代前期とかあのあたりは特に。

 

というわけで1巻はこれにて終了です。投稿頻度はまちまちでしたが、やはり好きな作品の感想を書いていると新たな発見もあって面白い。2巻以降もやっていくつもりですので、お楽しみに。例によって次がいつ投稿されるかは分かりません。

 

アニメ化いつまでもお待ちしております。

 

それではまた。