カキオキ -2ページ目

DEADSPACE3(北米発売日2013/2/5)の予約が始まっております。

今回も日本発売は見送りになったDEADSPACEシリーズ最新作、DEADSPACE3の予約が始まっておりますよ。


購入ガイド

プレイアジアでアジア版の購入がお勧めでございます。
2012/12/26時点でUS$ 54.90 (¥~4,613)安!
今回は二人COOPも導入されたようですし、お友達と購入してはいかがでしょうか。
ただし、海外からの輸入ですので、発売日の2013/2/5から多少時間が掛かります(一週間くらいだったかな)。

アジア版は前作、前々作と同じならば、マニュアルが中文でディスク自体は北米版と同じ物で、すべて英語表記です。
北米版より安いです。

PS3:アジア版
購入する Dead Space 3 (Limited Edition) (PS3)

PS3:北米版
購入する Dead Space 3 (Limited Edition) (PS3)

XBOX360:アジア版
購入する Dead Space 3 (Limited Edition) (Xbox360)

XBOX360:北米版
購入する Dead Space 3 (Limited Edition) (Xbox360)

尚、検閲なしで発売できるPC版は日本語マニュアル付きが2013/2/14に国内でも発売されるようです(中身英語)。
こちらはamazonでも低価格(2012/12/26現在 4,439円)。
DEAD SPACE 3 ※英語版


ステマじゃないよ、ダイマだよ^^


FFヴェルサス13はFF15に改名すべしですよ。

たまには本道のゲームの話。

jin記事より
『FFヴェルサス13』のタイトルが変更されるかもしれない

ファイナルファンタジー ヴェルサスXIII wikiより
『FFXIII』や『FF零式』とは共通した神話が存在するが、時代や世界観などは異なる。


そもそも、FFヴェルサス13はFF13とパラレルのストーリーなんでしょ?
神様だかなんだかの神話的レベルが共通みたいな、一番どうでも良い開発オナニーで共通ナンバリングにしてるけど、それって今までのFFの別ナンバリングだって同じでしょ。
歴代FFナンバリングも全部世界観違うのにチョコボやらモーグリやらサボテンダーやらオーディンやら色々共通してたわけで。
結局、FFはキャラクターゲームとして売るのがメインになってしまったのかな?
でも、そういう意味でもあまり受けが良いとは言えないよね。
「神話が共通してるから時代や世界観が違ってても買うよ!」って人の数(そんな人が何人要るか疑問だが)より「新規ナンバリングだから買うよ!」って人の方が遥かに多いでしょ。

FF11まではやたらリリースペース速かったのに、FF12以降はさっぱり新作ナンバリングが遠のいてる。
FF14も事実上、まだ発売前の状態だし。
このリリースペースなのに、「ストーリー自体は全く関連しない」「大作」でナンバリングカウントを進めないのは愚の骨頂。

FF15に改名しましょう。
そうそう、マルチにするのは勝手にすれば良いが、DVD1枚に収まる程度のFFナンバリング、ましてオープンワールドRPGなら要らないからね。


↓DVD一枚じゃなきゃ買ってた。
本当にマルチ化は愚作。
ナンバリングが最大公約数のゲームではそりゃFFのブランド力も低下しますわなあ。

ファイナルファンタジーXIII-2

ドラクエも10年前レベルの低性能機でMMORPGと言う、一番やってはいけない組み合わせをチョイスしてブランド潰しちゃったりでもうグタグタ。
MMORPGは長期に渡って運営する物なので、ベースハードの性能は高めにしないと絶対だめなのはFF11経験者なら自明でしょう。
京都からいくら貰ったんですかね?

「007 スカイフォール」感想【ネタバレほぼなし】

007 スカイフォール」感想。
世代交代と原点回帰の二律背反アクション。
100点満点で80点です。


面白かった。

ダニエル・クレイブの前二作が、大して面白くも無いのに無駄に解りづらいストーリーだったので、正直あんまり面白く無かったんだけど、本作のストーリーはドライヴ感満点で、スルスルと脳内に流れて行きつつも、実にコクのある物語なのが素晴らしかった。
武器、車、人、システムなどの新旧世代交代と、それとは真逆の原点回帰を描いたテーマの一つのようで、新しい物と古い物の、リスペクトや対比が味わい深かったです。
一例を挙げると、(ネタバレ反転)実質的な初代ボンドカーであるアストンマーチンDB5の登場などは「ゼロゼロセブン」シリーズへの最大のリスペクトと感じました。

アクションも素晴らしい。
特に、チェイスシーンでの、ショベルドーザー等、突拍子も無いアイデアと、それをフィルムに焼き付けるスタッフの実行力、制作力には脱帽です。
矢継ぎ早に展開し、一時も留まる事無く、ジャンルその物が変化していくアクションシーンはハリウッドムービーの面目躍如どころか、新しい地平を打ち立てたとすら思います。

僕は基本的に新しい映画ほど好きなため、町山さんが本作の予習に薦めてられていたのでレンタルで観た「ゴールドフィンガー」のつまらなさが嘘のように面白かった。
やっぱ古い映画はきついです。
カメラアングルとか。
もちろん、「ゴールドフィンガー」を観たからこその感動もありましたし、観ておいて大正解でした。


子供の頃、金粉ショウなどの全身ペインティングは長時間放置すると皮膚呼吸ができなくて死ぬって言う都市伝説が蔓延していたが、発信元ってこの映画じゃないのかしら。
ゴールドフィンガー [Blu-ray]

「のぼうの城」感想【ネタバレ若干】

のぼうの城」感想。
上映時間145分の睡眠導入映像。
100点満点で45点です。

秀吉の小田原攻めで唯一落ちなかった忍城の攻城戦のお話。


一言。退屈。

別に長い映画は嫌いでは無いですよ。
同じお金を払うなら、上映時間が長い方がお得ですしね。
だが、本作の場合は、大した面白みも無い状況説明の為のドラマが延々と続くので苦痛でした。
最初の見せ場の攻城戦まで1時間位掛かったのではないでしょうか。
クライマックスシーンに対して、状況説明や進行パートがあまりにも長すぎる。
もちろん、状況説明や進行パート自体が面白ければ何の問題も無いんだが、いかんせんつまらな過ぎる。

後、好みの問題も多いが、ちょっとキャスティングが演者のキャラクターのまんま過ぎないかな。
ぶっちゃけ時代を感じないって言うか、現代劇を観てるかのようでした。
単に、台詞が現代的だからってだけじゃなく、なんか演技がまんま現代劇っぽいんだよねえ。
主演の野村萬斎はキテレツな役どころだからともかく、佐藤浩市はいつも通りの佐藤浩市的カッコいい大人だし、成宮寛貴はちょっと若気の至りなやんちゃ坊主だし、榮倉奈々なんてそのまんま。
特に、ドンドコドンの山口氏の終始カッと目を見開いた熱演は、一部では評価が高いようですが、僕的には逆に「こんな漫画みてえな武将いねえよ」的にマイナスポイントにしかならなかったです。

野村萬斎演じるのぼう様のキテレツなキャラクター造詣自体はこれはこれでアリだとはと思うのですが、周囲の人間達の佇まいや、そもそも世界観に対して、あまりにも浮いていて感情移入できない。
この親からのぼう様が生まれたとは到底信じられないし、明らかに一人だけ演技的にも物語的にも勝手に暴走してる感じ。
特に問題な点だが、のぼう様が味方のみならず、敵をも人身掌握するのだが、民衆が心変わりする過程があまりにも不自然。

僕的には本作でもっとも期待していた肝心の知略戦も、あまりにもいい加減で質、量共に不足。
145分も上映時間があるのに、スペクタクルシーンはすげー短くてガッカリ。
ていうか、知略戦を仕掛けるのは敵側の方で、のぼう様は大した策も講じないのは閉口した。
成宮君がちょこっと罠を仕掛けただけじゃねーかよ。
ドンドコドンの山口氏や佐藤浩市に至っては、悪い意味で漫画の様な単騎の力押しで何故か大勝利を収めてしまってナニコレ状態。

そもそも、のぼう様が秀吉に盾突いて城篭りをした事ってほぼ無駄だよね?
敵味方にどれほどの生命が失われたかわかりませんが、それで何を得たと言うのか。
なんか、予告でも「嫌な物は嫌なのじゃ!」って言ってますけど、結果的にはまるっきりこの台詞そのままの我侭でクソみたいなプライドを通したかっただけの人で結果的に城主として最低なんだけど。
問題なのは、それをさも良い事をした偉人のような体で映画にしている事。
愚かな我侭城主のお話的な落とし所だったら、僕も納得していますが、まるで英雄のような描き方で萎え。

公開延期決定からずーっと期待していた映画なのですごく残念でした。


墨攻みたいな映画かと思ってましたよ。
墨攻 [DVD] ASBY3865

「アルゴ」感想【ネタバレ若干】

アルゴ」感想。
冒頭の大使館襲撃から国外脱出の瞬間まで緊張が持続する手に汗握る楽しい映画。
100点満点で80点です。

外交官6名のイラン国外脱出の為に偽映画ARGOをでっち上げた実話の映画化。

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「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」「パール・ハーバー」のベン・アフレックが、監督のほか製作・主演も務め、イランで実際に起こったアメリカ大使館人質事件の救出作戦を描くサスペンスドラマ。
1979年11月4日、イラン革命が激化するテヘランで過激派がアメリカ大使館を占拠する。52人が人質になるが、混乱の中、6人のアメリカ人が自力で脱出。
カナダ大使の自宅に身を潜める。CIAで人質救出を専門とするトニー・メンデスは、6人を安全に国外へ脱出させるため、大胆不敵な作戦を立案。「アルゴ」という架空のSF映画を企画し、6人をその撮影スタッフに偽装して出国させようとする。
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映画.comより引用



冒頭の民衆がアメリカ大使館を取り囲む襲撃シーンからさながらゾンビ映画の如き様相を呈していて早くもテンションマックス。
その中の6人が思わずこっそり逃げちゃって、カナダ大使私邸にかくまってもらっちゃったからさあ大変!
実際には数ヶ月の長丁場での出来事なんだけど、120分に凝縮された緊張感のある流れが最後まで途切れないのが実にすばらしいです。

特に、クライマックスの脱走シーンで、脱走者側、追う過激派本部、アメリカでの作戦指揮側、アメリカやイラン国内など各所の協力者など、ロケーションの事なる人達の現在の状況をリアルタイムに描く編集がお見事。
空間を越えたリアルタイムの並列処理編集が実に良く出来ていて、とてもハラハラドキドキさせつつ、尚且つ解りやすい。
たとえば、過激派が子供をも動員した人海戦術でシュレッダーでバラバラになった機密書類をつなぎ合わせて、脱走者をついに突き止めるカットと、脱走者がギリギリ検問を通るか、通らないかの瀬戸際が並行で描かれたりと言った辺りは凄く良くできている。
ここら辺なんかもう手に汗握るどころか、肛門がキューっとすぼまりますね。

後は何気にイラン領に入ると同時に、旅客機内で禁酒アナウンスが入るアイデアが良かったですね。
逆もまた然りで、ここは実に上手いなあと。

ただ、実話物の性として、実話縛りから踏み外せないって所が少々不満ではあった。
演出も演技も編集もすばらしいのに、元の実話が肝心なところでイマイチ肩透かしだったりするので、それが足かせになってるなあと言う事。
一言で言うと、「盛れよ!」。
だってさ、ニセ映画で脱出する話だったら、スタッフに化けるんじゃなくて、役者になりきらせるべきでしょ。
何なら、大脱走シーンをシナリオに書いて、撮影のふりしてホントに大脱走しちゃいました!みたいなのが欲しいわけですよ。
メガネの女子外交官に半裸同然の金ピカビキニを着用させて、脱出!なんて馬鹿カットも欲しかった。
結局、ニセ映画である必要があったのは、検問でコンテ見せて感動させる辺りだけだったような。
なんか、振り返ってみると、「ニセ映画」って大ネタを小さく纏めちゃったなあって印象が残る。
まあ、無理言うなよと言われそうだが、この実話が邪魔問題は常々感じている所。
実話は実際にあった事だから「事実は小説より奇なり」の論法が通るわけで、映画にした時点で「実話であった事の奇跡」に頼り過ぎてはいけないような気がする。
ソウルサーファーなどは実話が上手い事行き過ぎてて、逆になんかもっと一波乱あれよって思ったりするし。
その点、最強のふたりなんかはかなり別物に仕立て上げられているようで上手いなあと思った次第。
実話の呪縛、恐るべし。

アルゴ

「ザ・レイド」感想【ネタバレ若干】

ザ・レイド」感想。
オールタイムベスト更新しました(以前はターミネーター2^^;)。
100点満点で100点です。

麻薬王が支配する30階建ての高層マンションを舞台に、SWATとマフィアの戦いを描いたノンストップアクション。


ちょっと恥ずかしいチョイスですが、僕のオールタイムベストムービーは「ターミネーター2」でした。
T2は本当に素晴らしい作品ですが、どうしても中盤、敵サイボーグの追撃を完全に振り切ったメキシコでのシーンが退屈であまり好きではない。
あそこは確かに、逃げるための戦いから、未来を変えるための戦いに主人公たちがシフトする重要なターニングポイントで重要なシーンなのですが、ここで一旦アクション映画のテンションが切れてしまうのがどうしても不満なんです。
ところが今回、「ターミネーター2」に変わって、僕のオールタイムベストになった映画「ザ・レイド」は、始まったが最後、エンディングまで中弛みが一切無い!止まらない!

ストーリーはマフィアの巣窟である30階建てのマンションに20人のSWAT部隊がボスを捕らえるべく潜入すると言う至ってシンプルな物。
言葉でストーリーが語られるのは、冒頭の兵員輸送車内での作戦説明だけなのですが、その時点ですでに退屈とは縁遠く、選ばれた隊員達が新人大目の編成故に、作戦への恐怖による空気感と異様な緊張を感じました。
言葉のみでの説明ながらも、震える隊員達の手や、もう戻れないのではないかと言う不安に満ちた表情など、実に臨場感たっぷりで、この後に起こる阿鼻叫喚の地獄絵図が思い浮かびます。
僕はこの時点ですでに、スイッチ入っちゃいました。

てな感じで始まり、上映時間102分のうち、85分がアクションとの事ですが、マンションへの突入後は本当に間断なくアクションが続いていきます。
なら、ストーリーなんて無いんじゃないの?って思うかもしれませんが、言葉で表すようなストーリーではないだけで、実はかなり濃密にお話が展開していきます。
つまり映像とストーリーが融合してるんです。
ゲームに例えるなら、「ファイナルファンタジーシリーズ」でボスを倒してムービーでストーリーが展開されるのを繰り返すが普通の映画だとします。
要はアクションシーンとアクションシーンの間に挿入されるような、説明的なシーンがある構成。
最近の映画で例を挙げるとゲームをお手本に作った「ネイビーシールズ」がまさにそうですが、ゲームの「プリレンダムービー」と「アクション」をサンドイッチしたみたいな映画は、緩急が付いていると言えばそれは長所でもあるし、否定はしませんが、僕は途中でせっかくのテンションが途切れてしまってちょっと退屈に感じます。

んで「ザ・レイド」の場合は「ウィザードリー」の様なストーリーなのです。
つまり、地下4階のモンスターアロケーションセンターに進入したら、敵のパーティーと遭遇し、敵の忍者がこちらの戦士の首を撥ねたとか、こちらの魔法使いの攻撃魔法で何とか敵の僧侶は先にしとめたとか、敵を全滅させて何とか箱を発見したが箱の解除に失敗して盗賊が毒を食らってしまい、地上に脱出する前に死んでしまったとか・・・・。
そう。間に説明的な「プリレンダムービー」、つまりアクションのジョイントに過ぎないエピソードなど無くても、この冒険の詳細つまり「アクション」それ自体が立派なストーリーなんです。
「ザ・レイド」はまさにそういう映画で、マンション内の地獄の戦闘状況自体がストーリーで、エンディングまでテンションが途切れません。
そんなのがドンドン展開して行くわけです。
こりゃたまらん!

とはいえ、85分連続アクションでは、途中でお腹一杯になるのでは?と思っていたのですが、展開に応じてアクションのバリエーションがガンガン変化していくため最後まで全然飽きないのが素晴らしい。
序盤ではSWATはフル装備状態で、住民には発見されていない状態なので、ステルスアクションですが、被発見後はアサルトライフルを用いた銃撃戦、マンションからの脱出を許さない狙撃マフィアの登場、弾が切れればその辺のアイテムやら天井や床の穴を利用した知能戦、そして、本作で大フィーチャーされている格闘術「シラット」によるナタ、拳銃、壁、床、扉、ステゴロ、なんでもありの格闘戦、再び怪我を負ってステルス、更には住民との駆け引きによる心理戦・・・・・・まだまだ続くがこの辺で。
このアクションやシチュエーションが、常に今にも溢れそうなマグマのようにテンションを一切途切れさせずに、状況に応じて変化して行く様が本当に素晴らしい。
爆発的に高まったテンションが遂にはスクリーンを飛び出し、精神的な拘束感が劇場全体をも包み込み、観てるこっちもヤバイ感じを受けました。
多種多様なアクションの畳み掛けから、PS3の「アンチャーテッド」シリーズを思い出しました。

カメラワークも凄い。
この狭いマンションのシチュエーションでよくもまあコレだけ素晴らしいカメラワークを魅せてくれたものだと感謝したい。
横スクロールで撮ってみました^^ などと言った奇をてらったカメラなど皆無。
例えばナイフを首を刺して引く所など「お前の見たい所はここだろう!」と言う所を絶対に外さない。
異常にテンポが早い格闘シチュエーションでも、確実に観客に伝わるようにカメラが良い仕事をしてくれる。
例えば、一瞬だけ格闘シーンで俯瞰のカットを入れて、相対する二者の位置関係などの情報を観客に叩き込んでくれたり、戦闘参加者の位置関係やステージに配置された武器などの情報をしっかり提示してくれる。
安易な迫力ばかりを重視してアップの連続でごまかす「トランスフォーマー」のような真似はしない。

登場人物も凄い。
まずイコ・ウワイス演じる主人公、新人SWAT隊員のラマが凄いヤバイ。
シラットの達人にしてサバイバル能力が高く、格闘、銃撃、潜入、全てに置いてハイスペックな超人。
マフィアのボスの右腕にして最強の超ステゴロジャンキー、ヤヤン・ルヒアン演じるマッド・ドッグのチビなのに異常に強いっていうか最強な感じも素晴らしい。
やはりアクション映画は主人公とライバルが素晴らしいと俄然面白い。

他にもSWAT司令官にして超熱くて超人情派で超強い男ジャカ。
「楽しんで殺せ」と異常な命令を平気で下す血も涙もない升毅似の麻薬王リヤディ。
ボスのもう一人の右腕であり松山ケンイチ似の謎の頭脳派アンディ。
頼りにならなそうなガイド役のワヒュ警部補。
そしてこの人達が上の紹介通りに動かない意外性も、本作のストーリーの良い所。

それとどんな大予算のハリウッドムービーでも、予算の都合でアクションシーンを削ってるなと言うのは確実に解ります。
「アヴェンジャーズ」ですら、本当はこのシーンとかアクションにしたかったが、予算と時間が足りなかったんじゃないかと思う場面が多々あります。
「ザ・レイド」の場合は、それが無いのが素晴らしい。
観客の緊張を止めたらこの映画は成り立たないと言う事が凄く解っているのだろう。

この映画の更なる美点はアクション映画素人の僕にも物凄くフレンドリーな映画だった事。
なんかのリテラシーが必要な部分は無い。
恐らく、アクション映画の歴史等関係なく、原初的な戦いを描いたからなのだろう。
武器になりそうな物があれば一番良い物を使え。無ければステゴロじゃ~!って感じ。
闘争本能なんて、映画観てたら身に付く物じゃなく、全ての人間が元々持っている物ですからね。

結局、本作で僕は3回涙を流した。
うち2回は嬉し涙とも悲し涙ともつかなくて、アクションシーンで一時も目を離したくないから、自然にまばたきしないために、涙が出やすくなる状況になった上に、異常にテンションが高ぶって涙が出てきた。
ふおおおおおおおおって感じ。
後はやっぱりエンディング。
お前たち最高だろ・・。

追記:日本版1月11日BDリリース決定!
ザ・レイド [Blu-ray]

実は海外版BDは既にリリース済み。
吹き替えも観たいんで日本版出たら買うますよ。
The Raid/ザ・レイド[米版]

「アウトレイジ ビヨンド」感想【ネタバレ若干】

アウトレイジ ビヨンド」感想。
こんなえいがにまじになっちゃってどうするの
100点満点で40点です。


僕がたけし映画を最初から最後まで観たのは実は今作が初めて。
そりゃ不勉強だろとご指摘されれば返す言葉も無いが、地上波放送等で部分部分はチラ観しても、どうにも幼稚な表現や作劇ばかりであまり真面目に観る気になれずに、ついつい他局をザッピングしてしまう次第。
と言うわけで、前作「アウトレイジ」も未見だが、一応は本作からでも大体の話は理解できる作りになっている。
ただし、予備知識が無いと情報整理や理解に結構思考を持っていかれるので、絶対に前作を観ておいた方が楽しめるだろう。

まず僕はヤクザ映画にも現実のヤクザにもなんの憧れも無いので、ヤクザ映画の楽しみ方が解っていない、カタギの人間の感想として捉えて頂けると幸いです。
言い換えると素直な感想。
本作もライバルが邪魔だから全滅させました程度の殺人ゲームにしか思えなかった。
要は、頭数揃えて拳銃持たせて不意打ちする方が勝つゲームにしか見えないわけです。
たけしとチョロのコンビが関西やくざの親分と杯(さかずき)交わしたから潰せたんじゃなくて、とどのつまり高橋克典を起動させたから戦争に勝てただけでしょ。
杯の件も指の件もドラマとして弱いし、そもそもヤクザ同士のやり取りも対話も面白くもなんともない。
結局、下っ端の構成員から全員丸ごと射殺しちまえじゃ、仁義も愛もへったくれも無いわ。
街中に大量の死体を置きっ放しでもOK!ってのがヤクザのルールって事で合ってる?
いや、これ、重要な話で、殺人が一般的で無いのは「死体の処理出来ない=証拠が残る」ってのが凄く大きいから、ヤクザはそこどうでも良いんだって思ってしまいますよ。

罵り合いの対話も、「ばかやろう」だの「ボケ」だの「クソ」だのと、とにかく台詞が全然粋じゃなくて、一言で言うとセンスが古い。
あーよくこんな皮肉言えるよなあ的な台詞は全然無くて、怖くもなんとも無い罵り合いばっかり。
唯一、心の「イイネ!」を押したのは、松重豊の発した「どうみてもヤー公じゃねーか!」って台詞だけ。

後、正直、話が不必要に解り辛い(カタギの意見ですよ。)。
大粗筋としてはシンプルなヤクザ抗争の話がなんでこんなに複雑な話になるのかが良くわからん。
面白いお話なら多少複雑でもすんなり頭に入ってくるんだが、話自体がつまんないので、理解する為に能動的に頭を回転させたり、人名の記憶等に意識的に注力する必要があり、正直、あまり気持ちの良い鑑賞体験ではなかった。
そもそも人の命が軽すぎる為に、致命的にどうでもいい話ばっかで、能動的、意識的に脳味噌をフル回転させて理解した見返りが無い。
前作を観ている人ならすんなり入って来るのかも知れんが、登場人物もアホみたいに多くて、収支、「大友って誰だっけ?」「石原って田中哲司が演じてる元用心棒だっけ?」ってな具合だし。
いっその事、これだけ大物役者を大量起用するんだったら、俳優の名前をそのまま役名にして欲しかったと思ったくらいだ。
役者の話を言うなら、キャストにとにかく大物ばっかり揃えちゃってて、役者本人のキャラクターが邪魔をして、全然劇中内の架空の人物が浮かび上がって来なかった。
もちろんそれがこの作品の売りなんだから言っても詮無きことなんだけど、「いつもの人たちだ」とか「この人、Mに見えてSらしいよね。」とかいった感じのノイズが介入して劇中の人物像が立たない。
前作の評判で加瀬亮のインテリヤクザっぷりが良いみたいな話を良く耳にしたが、少なくとも続編の本作では収支怒鳴ってばかりで他のヤクザとなんら変わらんくてガッカリ。

まあ、ヤクザ抗争を糧にのし上がろうとする小日向文世演じる悪徳刑事とコンビを組まされていた、出世欲は特に無い松重豊演じるコワモテ純粋刑事の視点が、唯一共感の対象だった。
出所した大友を迎えに来たヤクザを指摘した松重豊の「どうみてもヤー公じゃねーか!」って台詞がこの映画で一番共感し、一番面白かった所ですね。
我が意を得たり。
あーこの人は顔の怖さはやばいけど、僕と同様カタギマインドを持ってるんだと。

怖い描写も特に無し。
本作ほぼ唯一の面白殺害シーンのアレも、実は最初で意識飛ぶので、そこまでの恐怖はともかく結構安楽死なんじゃねーのかと。

まあ、こんなVシネマみたいな映画より、映画みたいなVシネマ(実は劇場先行公開作品の立派な映画だが)の黒沢清監督の「修羅の極道 蛇の道」と続編、「修羅の狼 蜘蛛の瞳」が良かった。
特に「蜘蛛の瞳」の終盤の台詞が無くカット毎に物語の状況自体が激変するトンデモ殺害シーンは良かったですね。
あのテンポの良い殺し表現は、アウトレイジビヨンドも影響受けてるような気がする。

前作。
「修羅の極道 蛇の道」と「修羅の狼 蜘蛛の瞳」はDVD絶版っぽいねえ。
アウトレイジ [Blu-ray]

「最強のふたり」感想。

最強のふたり」感想。
首から下が麻痺した大富豪と、彼を介護する青年との友情を明るいタッチで描く実話に基づいた爆笑ドラマ。
100点満点で90点です。

多くの障害者を題材にしたドラマはお涙頂戴な物が多く、それはそれで結構なのですが、本作は障害を題材に壁の無い関係性を描いた、言わば乙武洋匡イズムあふれる爆笑ドラマです。


金はあるが体の自由と他人との壁の無い関わり合いに飢えている障害者フィリップと、金は無いが全ての物と壁無く対話できる純粋が服を着たような男ドリス。
純粋なドリスには見えた物が全てストレートに入ってくるのでしょう。
だから木を演じる役者を見て大爆笑したりするし、目の前に大量の髭を蓄えた首から下が動かない男の髭を剃るとなればせっかくなので思う存分遊ばざるを得ないわけです。
絵の素人であるドリスが、前衛絵画を落書きだと一笑に付し、その後フィリップのバックアップは受けつつも、今度は自分自身で書いた前衛絵画にそれなり以上の価値が付いた事からも彼が純粋故の才能の持ち主であるが判ります。
物事をストレートに受け止め、それを表現する彼の能力は素晴らしい才能です。
ドリスは本質的には真面目な人間なので、親友の娘がぐれていたのなら、自身の種違いの弟同様に、柄にも無く説教くさくなる所とかも凄くストレートで良かったです。
金銭的には恵まれていても、肉体的、精神的に、あらゆる面で壁に囲まれていたフィリップには、ドリスは最高の相棒ですね。

お互いの現在のステータスや価値観が全く違うからこそ、壁をなくした時に最強のふたりになりえたのでしょう。
最後の「上手くやれよ」的な爽やかな振り返り笑顔も良かったですね。

深夜のTOHOシネマズ六本木が笑いでどよめいていた。
オペラ鑑賞中に大爆笑するシーンはマジで笑い死ぬかと思った。
笑っちゃいけない所でも気にせず笑いたいなら笑おう。垣根なんて結局は自分自身が作ってしまう物だから、素直になって幸せになろうぜってテーマを具現化していた名シーンでもある。

五体不満足 完全版 (講談社文庫)

「劇場版 TIGER & BUNNY -The Beginning-」感想【ネタバレそれなり】

劇場版 TIGER & BUNNY -The Beginning-」感想。
1~2話の総集編+出来損ないの追加エピソード。
100点満点で40点です。

40点はテレビ版を全部観た立場の意見です。
初めてTIGER&BUNNYを観る方へのキャラクター紹介映画としては、ギリギリありなのかなとは思います。
ただし、一本のヒーロー映画としては悲惨としか言いようが無い。
この作品はジャンルとしては「アベンジャーズ」と比較されるべき映画です。
でも、「アベンジャーズ」をその評判の割には難を示した僕でも「劇場版 TIGER & BUNNY -The Beginning-」に比べたら傑作だと思いましたよ。


内容は1~2話の総集編に追加エピソードをプラスした物で、テレビ版を「起承転結」とするならば、「承」の途中で終わる映画って印象。
主人公、虎徹がもう一人の主人公のバーナビーの信頼を「若干」得る辺りで物語は唐突に終わってしまいます。

総集編と言う企画を否定するつもりは無いですし、ただの総集編ではなんだからと、クライマックスに新規エピソード追加し、一本の映画にまとめようと言うコンセプト自体は良いと思います。
ですが、残念ながら、肝心の追加エピソードが一本の映画のクライマックスを飾る物に全く持ってなっていなくて、完全にカタルシス不足。

市井の人、愛する人を救うべく共闘するヒーロー達の描き方や、最初は対立し、後に理解しあうであろう二人の主人公の関係性の微妙な変化の描写など、どこを取っても、テレビ版1~2話の総集編で作られた前半の方が、後半の追加エピソードより、お話の作りとして遥かに出来が良いです。
それくらい、追加エピソードの出来が悲惨。

※ネタバレ反転
何よりも主人公が結果的に何もしなかった事で相棒の信頼を少し勝ち得たって話の流れは、一本の映画のクライマックスとして最低だと思います。
何もせずに相棒を見守るのがヒーロー?

踊る大走査線か。
そもそも、この追加エピソードはコソ泥追跡劇で、誰かの生命の危険があるわけじゃ無い為、市井の人々にとっては新キャラの犯人もヒーロー達もただただはた迷惑な存在でしか無い。
盗まれた像がヒーローの象徴だかなんだか知らないけど、こんな大騒動になる位なら、そんなもんくれてやれよとすら思いましたね。

市井の人々を救ってこそヒーローですよ。
なんなんだよ、こいつら。

これからTIGER&BUNNYを観てみようと言う方が、たまたま上映劇場の近くで暇を潰したいなんて状況じゃない限り全くオススメしません。
こんなしょーもない蛇足が足された映画を1000~1800円払って観るよりも、テレビシリーズの1巻をセルorレンタルで観るのがオススメです!


プラモはマジオススメ。
ホントに良くできてる傑作キット。
MG FIGURERISE 1/8 ワイルドタイガー (TIGER & BUNNY)

MG FIGURERISE 1/8 バーナビー・ブルックスJr. (TIGER & BUNNY)

「桐島、部活やめるってよ」感想【ネタバレほぼなし】

桐島、部活やめるってよ」感想。
マルチ視点で徐々に立体的に浮かび上がるドラマ構造を心ゆくまで楽しめる真の3D映画。
100点満点で90点です。

じわじわじわじわと強烈に面白かった。
正直、らっきょうが転がる程度の話なのに、視点を変えて繰り返すとこんなにも面白くなるものなのか。


宇宙人も巨大ロボもでて来ないし(ゾンビとセクシーボイスは出てくるが)、取り立ててありがちなスペクタクルシーンも無いので、誰が観ても面白い映画では無いけど、踏み絵的な意味で万人に勧めたい映画でした。
「絶対面白いから」ではなく、「これ、面白かったかどうか教えて」と凄く聞きたくなる映画。
「面白くなかったよ!」って言われればそれはそれでまた良い。
その価値観ギャップこそがこの映画の楽しさそのものなのだから。

僕の行った回はお盆帰省中の新潟県の県央ワーナーマイカルのレイトショウで公開5日目にして客が5人しか居なかったのだが、僕の一列前に座ってた30前後の微ヤンキー系の男(以下、アラサー微ヤンキー)が、しきりにiPhoneで時間確認している光が目に入って、かなり呆れた。
ただし、映画が面白すぎた為、アラサー微ヤンキー(以下、アラビヤン)の暴挙もさほど気にはならなかったのは不幸中の幸い。
この映画、僕は大変面白く観賞していたのだが、アラビヤンに取っては、面白くなかったのは間違いない。
この状況って、この映画内で描かれている価値観ギャップが、まんま客席に逆投影されたようで、何か良く判らんけど凄く楽しい気分になった。
音楽のライブで踊ったり歌ったり、スポーツ観戦で必死に応援するのとはまた違った次元で、コンテンツと自分が同化するような奇妙な印象を感じた。
こんな体験は初めてだ。

できれば、あの時のアラビヤンにもう一度会って、桐島の感想を聞いてみたいなあと思った。

なんか、今回はエッセイみたいな感想ですが、本作のディティールに踏み込んだ感想は他の方々が濃密で深い奴をいくらでも挙げているので、身に起きたシンクロ体験を吐露してみました。


繰り返し映画の傑作。
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