前回の続き

 

ラクトバチルスは善玉菌のプロバイオティクス

不妊治療を進めるにあたって、子宮内フローラの状態があまり良くなかったとき、特に検査によって善玉菌ラクトバチルスの割合が90%に満たないことが分かった際には、ラクトバチルスを増やすための加療が勧められるのですが、そもそもラクトバチルスとはどのようなものなのでしょうか?

 

ヨーグルトなどのコマーシャルなどで見たことがあるかもしれませんが、身体を健康に維持するためには常在菌の中でも善玉菌と呼ばれる菌が適材適所で働くことが重要だとされています。たとえば、腸内環境を改善する善玉菌としてはヨーグルトなどでよく聞かれるビフィズス菌や乳酸菌が知られています。

 

善玉菌は「プロバイオティクス」とも呼ばれています。このことばもコマーシャルやスーパーのヨーグルトのコーナーなどで見かけたことがあるのではないでしょうか。

 

“プロバイオティクスとは、人の体内に自然に存在する微生物と同じ、または類似の生きた微生物(例:細菌)であり、健康に有益な可能性があると考えられています。”

https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/communication/c03/07.html

厚生労働省「プロバイオティクスについて知っておくべき5つのこと」

 

ラクトバチルスはこのプロバイオティクスです。つまり子宮内環境を改善する善玉菌です。EMMA/ALICE検査でラクトバチルスの割合が90%を割っている場合、ラクトバチルスを直接的に投与するラクトバチルス膣剤による加療が推奨されます。

 

ラクトフェリンは機能性タンパク質

「内臓脂肪の減少を助ける!」など、ダイエット効果が期待されるサプリメントなどのコマーシャルで「ラクトフェリン」ということばを聞いたことはありませんか?

 

このラクトフェリンとラクトバチルス、どちらも不妊治療で利用されます。「ラクト」ということばが共通していて、似ていることばなので、患者様が混同されてお話をされていることをよく耳にします。

 

ラクトバチルスは細菌、つまりプロバイオティクスです。しかし、ラクトフェリンは機能性タンパク質、つまりプレバイオティクスです。全く別のものですが、関係はあります。プレバイオティクスはプロバイオティクスのような、有益な細菌の成長または活動を誘発するものです。

 

ラクトフェリンとラクトバチルスは全く別のものです

善玉菌のラクトバチルスとこのラクトフェリンは全く別のものです。しかし、腸内環境を改善するために機能性タンパク質のラクトフェリンを摂取すると、ラクトフェリンが腸内の悪玉菌を減らし、善玉菌の増殖を促す効果が知られています。この効果があるので、タンパク質のラクトフェリンは整腸作用を助ける効果があるとされています。そして、このタンパク質のラクトフェリンは善玉菌のラクトバチルスの増殖を助けることも知られています。

 

不妊治療の一環で子宮内フローラの状況を改善するため、腸内環境を改善するときと同じようにサプリメントのラクトフェリンを飲んで、子宮内ラクトバチルスの増殖を待つという方法があります。

 

しかし、善玉菌ラクトバチルスそのものが含まれているラクトバチルス膣剤を子宮に近い膣内に直接入れれば、タンパク質のラクトフェリンがラクトバチルスを増やす時間を待たずに、子宮内フローラの中の善玉菌ラクトバチルスを増やすことができます。より短期間でより高い効果が期待できるというわけです。

 

ラクトバチルス膣剤による加療についてはEMMA検査、ALICE検査を受けていただいたあと、担当の医師にご相談いただくとよいでしょう。

 

EMMAとALICEで子宮内フローラを改善!

不妊治療の効果を高めるには子宮内フローラの状態を知ることが重要です。子宮内フローラの状況を知ることによって、子宮内環境を改善するためのより効果の期待できる加療を受けることができます。

 

アイジェノミクスのEMMA/ALICE検査で子宮内フローラの状態を確認し、善玉菌ラクトバチルスの割合が少なければ、ラクトバチルスを増殖させるラクトバチルス膣剤を使う加療を、また、ラクトバチルス以外の菌の割合が高すぎたり、慢性子宮内膜炎の原因菌が検出されてしまった場合には抗菌薬を使った治療を検討しましょう。

 

アイジェノミクスは不妊治療に取り組まれているみなさんを応援しています。EMMA検査、ALICE検査について、もっと詳しく知りたい!という方は、お気軽にお問い合わせください。

 

 

 

 

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