Zanthoxylum piperitum 山椒 サンショウ
ミカン科サンショウ属の落葉低木で別名“ハジカミ” 北海道から南は屋久島まで生息し
若葉は日本料理の食材でもお馴染み“木の芽”の愛称で親しまれています “椒”は
「芳しい」の意があり 山の薫り高い実である事で“山椒”名称の由来になりました
別名“ハジカミ”は生姜新根の香辛料名でもあり その区別の為古名では“ふさはじかみ.
なるはじかみ.なりはじかみ”と呼ばれました “はじ”は実が弾ける事から “かみ”は韮
(ニラ)の古名“かみら”の意で辛い事を示します “ふさ”は房状に実が成る事で“なる”は
実が成るハジカミであることを示しています
雌雄異株で樹高は3m程 大きなものは5mに成長します 葉は互生.奇数羽状複葉で
長さ10~15cm程 5~9対の小葉は1~2cmの楕円形で縁は鋸歯状です 裏は表に比べ
白っぽいのが特徴です 枝には鋭い棘が2本ずつ付いています(注意)
花は4月~5月頃開花し直径5mm程で黄緑色 雄花は“花山椒”として食用にされます
雌花は若い果実または完熟物を“実山椒”として利用します 収穫量は和歌山県が
国内の約80%を占め 有田川町の特産品として栽培されている“葡萄山椒”は果実.
果穂が大型で葡萄房の様な形で沢山実るためこのように呼ばれているのだそうです
果実の直径5mm程度 はじめ緑色ですが9月~10月頃に赤く熟し 裂開して中の黒い
種子が出てきます 熟した実皮の乾燥粉末は“粉山椒”に加工され香味料として
また七味唐辛子の材料として用いられます
古くは縄文時代の土器から実山椒が発見された事でも伺える様に 日本では春の
食材には欠かせない鮮やかな彩りと薫りの役割を担っています
朝掘孟宗筍 うすい椀豆と若布 葉山椒
中でも新筍 眼張との愛称は格別ですね 先人の達観にただ敬服です