Clupea pallasii 鰊.鯡 ニシン
回遊魚で北太平洋に広く分布し 春季に産卵の為北海道に現れる事で別名“春告魚”
とも呼ばれています 最盛期には100万t近くの漁獲高があり 北海道ではニシン漁で
財を成した漁師による“ニシン御殿”が建並ぶ程でした
昭和30年(1955年)以降 日本国内の水揚量は100tにまで激減しロシアやカナダからの
輸入品が大半を占めるようになります 激減の原因として海流或いは海水温変化や
乱獲.森林破壊などの諸説が謳われています
産卵期の春から初夏にかけ脂が多くのる時期に様々な料理として用いられます
冷凍.冷蔵技術や輸送の発達していなかった昔 身欠きニシンは山間地では重要な
卵を干したもの.塩蔵品は数の子と呼ばれ祝膳.お節などの高級食材で重宝されます
因みに“数の子”の由来は鰊をアイヌ語で“カド”といい“カドの子”が訛ったものです
旬期 鮮度の良い鰊が手に入る時は極薄の塩を振り 軽く昆布締めして造りにするのが
鰊の持つ旨さを最大限に味わえる食べ方… と自分は経験から実感しています
冷蔵.輸送技術が発達した現在ならではの産地の粋ですね