伊予の禅酒 獅子林 | 侘寂伝文(わさびやブログ)

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楽菜 わさびや公式HP-獅子林1  

愛媛県西宇和郡伊予町 酒六酒造「京ひな 禅酒獅子林 純米吟醸23BY」 

喜多郡内子町産山田錦.松山三井 精米歩合50% 日本酒度+3.0 酸度1.3 

アミノ酸度1.1 Alc15.9 協会酵母9号 小田深山伏流水
       

端麗で後味に引き締まりが有り 喉越しも爽やかで食中酒向きの清酒です 

色々な食材と併せ易く 四国というよりは北信越の酒質に近い味わいを感じました 


楽菜 わさびや公式HP-酒六酒造1  

蔵元HP/酒六酒造株式会社 京ひな  

江戸時代より木で栄えた歴史ある内子町 そこに蔵を構える酒六酒造は大正9年 五つの

蔵元が合併し前身となる蔵が誕生しました 昭和16年に初代酒井繁一郎が“酒六酒造”を

創立し商標を"京ひな"と銘々 酒名京ひなは初代と縁の深かった京都の名僧がこの酒を

飲み 賞賛したその日がひな祭りだったことに因んでいます 

“一意専心”の精進の心を理念に 代々品質本位の酒作りを守り 真剣に酒販経営を行い 

商品の品質管理に努力を惜しまない酒販店とのみ契約を行う為 県内でも取扱いしている

酒販店は極僅かと限られています その為“伊予の幻酒”とも評されています  

  
楽菜 わさびや公式HP-酒六酒造2  
小田深山の水と契約米にが織成す淡麗の酒 

   
初代酒井繁一郎が5つの蔵元が統合してできた喜多酒造を買取り 酒六酒造として

大正9年(1920年)に創業 創業者の父酒井六十郎の姓と名から一文字ずつ取り“酒六”

と名付けました 昭和52年には現在の伊予杜氏を迎入れ 間もなくして純米吟醸酒を造り

始めます 当時愛媛県では珍しかった淡麗辛口の純米酒や大吟醸を手掛け 30年経た

今でもその味を醸し続けています 

  
先代が残した「機械では感心するお酒は出来ても 感動するお酒は出来ない」という
言葉と 

当杜氏の「酒造りは毎年一年生」という姿勢を大切に その技を磨き続ける酒六酒造 

大吟醸クラスには県内の契約農家が栽培した兵庫県産山田錦を 他のお酒は松山三井を

使用しています また水は内子町の水源となっている小田深山(おだみやま)の伏流水を

使用しその澄んだ水質からすっきりと爽やかな口当たりの日本酒を醸しています 近年では

地産地消を意識し 地元農家との契約面積を増やす一方で 白ワインを思わせるような

純米酒や地元産の果実を利用したリキュールなど新しい分野にも挑戦しています 

  

さて 京ひなの銘酒に冠されている“禅酒”の言葉 昔から禅宗への信仰が厚い内子町が

輩出した大正の根源詩人 高橋新吉が深く関わっている事が伺えます   

  
楽菜 わさびや公式HP-根源詩人 高橋新吉  

高橋新吉(1901-1987) 
  

四国の佐多岬の町 愛媛県西宇和郡伊方町に生まれ八幡浜市で育ったた新吉は19歳の

時 新聞“万朝報”に「焔をかかぐ」を投稿し入選 大正期のダダイズム第一人者として

論壇で活躍し 昭和2年 26歳で地元八幡浜へ帰郷 万松寺で足利紫山より禅宗の

教えを受け 精神分裂症(統合失調症)に苛まれながらも数々の詩を残します   

   

この酒の名前にもなった“獅子林”も 伊予らしい禅の影響を受けているのでしょうね  

   
楽菜 わさびや公式HP-蘇州 獅子林  

獅子林

  

元代に造営された蘇州の築山 1341年蘇州に来訪し説教を行った高僧の天如禅師は

多くの弟子達に尊敬され 1342年弟子達が天如禅師を記念するため禅林を建て“師子林”

と命名 園内には怪岩が多く獅子の様な形状をしている為“獅子林”とも称されています  

  
獅子林は怪石.深い洞窟でよく知られ昔から「築山の王国」といわれてきました 獅子林の

築山総面積は普通の庭園より広く約1153㎡もあり 三面は水に囲まれています 築山は

小飛虹を境とし東西2部分に分けられており その為獅子林の築山は中国の古典庭園に

於いて最も変化に富み 最も複雑な築山の一つと称されています 

 
2000年11月 ユネスコの“世界文化遺産”に登録されています