今日は、数年ぶりに
近所の美容院に行ってきた。
今までは
東京出張のついでに髪を切っていたけど、
この状況なら仕方ない。
わたしは、ひさしぶりに、
地元の美容院に行くことにした。
そしたら、電話で予約の時点から、
すでにピリピリムード。
美容院の方によると、
『ご本人とご家族で、1ヶ月以内に県外に出た人、
2週間以内に発熱や風邪の症状かある人がいる場合は
来店をお断りしている』とのこと。
わたしは該当しないので、
幸いにも予約ができた。
私が住む静岡県では
「今は来ないで!静岡県」をスローガンに
県境をまたいだ不要不急の移動をしないよう、
移動自粛が呼びかけられている。
静岡県公式HPより
https://www.pref.shizuoka.jp/kinkyu/covid-19-siyouteisisisetu.html
https://www.pref.shizuoka.jp/kinkyu/covid-19-taisetunaoneai.html
漁村の有線放送でも、
県境をまたぐ移動等の自粛が呼びかけられているし、
県内ニュースでも
「複数の県外ナンバーの車が傷つけられる事件が発生した」
なんていう事件が話題になったり。
県境をまたぐ移動自粛に関して、
相当なピリピリムードを感じてはいた。
で、今日が美容院の日。
そしたらね・・・・。
想像以上に
近所の監視の目がすごくて、
怖くなっちゃった・・・。
市内で県外に出てる人や
ゴールデンウィークの帰省状況などが、筒抜け。
「あそこの家の娘が、ゴールデンウィークに県外から帰省に来ていた。」
「あそこの家は、感染者の関係者で検査を受けた。
結果は陰性だったが、そもそも潔白なら、検査を受けない。
検査を受けたこと自体がグレー。」
(↑「潔白」って表現・・・怖いよ・・・)
「どこどこの家は、旅行に行って数日間不在のようだった。」
「誰々の家は、息子が東京の大学に入学したが、帰ってきてやいないか?」
「あの集落にはよそから来た人がいるから、あまり近寄らない方がいい。」
「あそこには県外ナンバーの車が停まっている。」
・・・・などなど。
具体的な屋号や個人名が、
当然のように、情報として広がってた・・・。
こわいよ・・・・・・
ちびりそうだった。
ぶっちゃけ、差別に近いものがある。
田舎の村八分の風習だ。
私が一番怖いと思ったのは、
「検査の結果が陰性でも、そもそも潔白なら検査を受けられない。」
という、
まるで、感染者を迫害するような表現が
ごく普通に、ごくナチュラルに
美容院で交わされていたことだった。
こわい・・・こわすぎる・・・。
本当に、そういうの、やめてほしいよ・・・。
前にもこの記事で書いたけど。
わたしは、個人事業主だから
自分で仕事の調整ができて、
県外の出張を取りやめることができる。
けれど、社会的に必要があって
県外に出なければならない人もいる。
(鉄道業や、道路旅客運送業の方や、運輸に附帯するサービス業の方や、県をまたいだ医療福祉、複合サービス業をされている方など)
その方達が、
「1ヵ月以内に県外に出ているから」という理由で
必要な医療やサービスが受けられなかったり、
そのご家族が病院を受診できなかったり、
家族を施設に預けられなかったり、
周りの人から白い目で見られたり
近所の人から噂されたり
嫌がらせを受けたり迫害されたりするのは・・・
嫌だなぁ・・・・。
本当に嫌だなぁ・・・・。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため
自粛が必要である状況もわかるけど。
それで差別される人が出てくるのは、本当に嫌だなぁ・・・。
でも、どうすることもできない。
私にはどうにもすることができない。
誰も悪くない。
誰も悪くないんだ。
誰も悪くないのに、
集団の恐怖なんだろう。
そういった悪い噂は
狭いコミュニティーでどんどん広まってゆく。
わたしは、なんだか、胸が痛くなった。
美容院を予約できて嬉しかったけど。
髪を切れて嬉しかったけど。
なんだか胸糞悪くなった。
たぶん、コロナが終息したら、
やっぱりわたしは
地元の美容院には行かないだろうと思った。
誰も悪くないし
どうやら、みんな善意で情報を広めてるようだ。(←?)
「あんたも、あそこに行かないように気をつけた方がいいよ。」
「あの家は要注意だよ。」
そういうニュアンス。
善かれと思って、教え合っている。
そうして、長い歴史の中で、村の安全を保って来たんだろう。
でも、やっぱり、わたしには合わない。
今日、髪を切ることができたから。
あとは、終息するまで可能な限り
ぎりぎりまで伸ばそう。
なんだかとっても複雑な1日だった。
※身バレ防止のため、内容の一部にフェイクを入れています。