I dreamt that I dwelt ..Oct.16. ― 裁判記録(名誉毀損/著作権侵害/本人訴訟) -7ページ目

I dreamt that I dwelt ..Oct.16. ― 裁判記録(名誉毀損/著作権侵害/本人訴訟)

私の自宅等のプライベート写真を用いながら、1万件を超える誹謗中傷をおこなう
堺市N区の女性との一連の訴訟は、裁判所は、この女性に対し、総額600万円(遅延損害金を含む)に届く
損害賠償金をこの女性から私に支払うよう命じ、すべて確定・終了しました。

訴訟の概要(このブログについて)

控訴答弁書(大阪高等裁判所)

 

 

第1訴訟と第2訴訟の判決書は、全て判例秘書やウエストロー等の判例データベースに掲載され、これらのデータベースを利用できる図書館等でどなたでも読めるようになっています(都内であれば、都立中央図書館(判例秘書)、日比谷図書文化館(ウエストロー)、他)(判例秘書:①L07251140 ②L07220561 ③L07310010 ④L07251376 / ウエストロー:①2017WLJPCA03176020 ②2017WLJPCA09016011 ③2018WLJPCA03016019 ④2017WLJPCA12266021)。また、 松尾剛行・山田悠一郎『最新判例にみるインターネット上の名誉毀損の理論と実務〔第2版〕』(勁草書房,2019) の 「第15章 正当防衛・対抗言論」(316頁‐) に、名誉毀損の正当防衛の肯定事例として紹介されています(320頁)。

 

 

 

第1訴訟第二審(大阪高等裁判所)において私が裁判所に提出した控訴答弁書を掲載します。

 

* 裁判における主要事実・争点とは直接関係しませんが、相手方に対して、私が直面化(このケースでは、解離した相手方に対し、真実を突きつけ直面させること)した部分に下線を引いています。

 

 

 

控 訴 答 弁 書

 

平成29年6月22日

 

大阪高等裁判所第○民事部○○係 御中

 

 

 

第1 控訴の趣旨に対する答弁

 

 1  本件控訴を棄却する。

 2  控訴費用は控訴人の負担とする。

 との判決を求める。

 

 

第2 控訴理由に対する認否

 

1 控訴理由書「第1 はじめに」について

 

  全て否認ないし争う。原判決は,控訴人が主張するところの,名誉権侵害及び業務妨害による不法行為について,正しい理解のもとなされた正当な判決であり,控訴人による控訴は速やかに棄却されるべきである。

 

 

2 控訴理由書「第2 1 (1)違法性についての判断基準等」について

 

  全て否認ないし争う。原判決は,控訴人の行為が明らかに先行し,かかる先行行為に対し,被控訴人が自己の正当な利益を擁護したという本件の本質を,各事実を正確かつ精密に審理した上で認定している。この点については,本控訴答弁書「第3 被控訴人の主張-原判決の正当性-」において論証を行い,原判決における事実認定の正確性・正当性を明確にする。

 

  なお,本項において,控訴人は,「原告は,被告を中傷しようと思って線量計の写真を貼り付けたのではない。」(控訴理由書(2頁11行‐))(①「原告」との記載は「控訴人」 ②「被告」との記載は「被控訴人」 の誤りと思われるが,原文のまま引用した。)と主張する。

 

  しかし,控訴人による最初の「線量計の写真」(以下,「本件写真」という。)の掲載は,被控訴人が«○○○○»ら第三者に対して「PTSD解離性悪行の数々」あるいは「ストーカー」行為を行っているという虚偽の事実を摘示する文脈で行われており(乙第10号証の1(乙204頁‐)),以降も,全ての該当記事において,本件写真が,本来の創作意図(乙第4号証の3及び4(乙084頁‐乙085頁))とは無関係な凶悪犯罪事件をテーマとした文中に掲載されている(被控訴人第3準備書面(9頁‐))。

 

  また,本件写真が,被控訴人を特定し,身元が明らかになると認識した上で掲載された事実は,原審当事者尋問において控訴人自身が認めている点であり(控訴人尋問調書(24頁20行‐)),控訴人が同様の行為を2015(平成27)年2月以降再開した事実についても「相手が嫌がっていることが明らかなことを21回も繰り返した」(控訴人尋問調書(25頁2行‐))ことに問題を感じず(控訴人尋問調書(25頁4行‐)),「相手にとっては大事な写真だとは想像できないの」(控訴人尋問調書(27頁9行‐))「当たり前のマナー」(控訴人尋問調書(27頁11行‐))と第三者から指摘を受けても行為をやめようとは「全く」思わなかった(控訴人尋問調書(27頁14行‐))ことを控訴人自身が述べている。これは,控訴人の明らかな「故意」,すなわち,自身の行為が一定の結果を生ずることを認識した上で,あえてその行為をする意思を示すものであり,被控訴人が「嫌がる」ことを目的とした控訴人による中傷にほかならない。

 

  本項におけるその余の控訴人の主張についても,控訴人は,いずれも原審において,被控訴人より反論書面及び書証が提出され,審理・検討が尽くされた内容について,控訴人の主観的意見あるいは偏った認知のみを前提に,何ら合理的根拠あるいは新たな視点を示さないまま,原審における控訴人の主張を繰り返し述べているにすぎず,詳細な認否には及ばない。

 

 

3 控訴理由書「第2 2 (2)原告主張事実①について」について

 

  全て否認ないし争う。本項において,控訴人は,被控訴人が「著作権侵害」という法律違反を繰り返し述べていることは,「控訴人が法律に反することを行っている」と見る者に感じさせ,控訴人の評価を悪化させることから,「著作権侵害は被告の認識に過ぎないことが自明である。」(判決(11頁))とはいえないと主張する。

 

  ここで,原判決は,被控訴人が摘示した控訴人による著作権侵害行為について,違法性阻却事由としての真実性・真実相当性の判断を行っていない。すなわち,原審においては,自身が所有する写真を控訴人が控訴人ブログ上に繰り返し掲載した行為について,被控訴人が著作権侵害であると批判したことは,一般読者の普通の注意と読み方をして,被控訴人自身の認識を述べたにすぎないと受け止められることは自明であり,違法性阻却事由の有無を検討するまでもなく,そもそもが,違法性がないとの判決が下された。

 

  原判決におけるこの判断は,被控訴人が摘示した控訴人の著作権侵害行為自体が,インターネットという公共の空間で,公然と繰り返されたことも事情として考慮されていると考えられる。一般読者の多くは,控訴人の他者に対する一連の常習的行為を把握しているのであり,同様に被控訴人が「深刻な被害として学会に相談しています。」「定款の甚だしい違反による学会側の被害の視点も持たれたようです。」と記載したことについても,控訴人が被控訴人に対し「ストーカー」「PTSD多重人格」等の膨大な量の侮辱・名誉毀損行為を控訴人ブログ上で展開していることが,控訴人のブログを訪れた者の多くが認識しているのであるから,被控訴人が何を「深刻な被害」と表明しているのかが自明である。したがって,原判決は,控訴人の社会的評価の低下が,控訴人自身の被控訴人に対する一連の行為を発端とし,自らによりひきおこされることは考えられても,控訴人の先行行為を非難し対処する趣旨で表明された被控訴人の表現行為が,控訴人の社会的評価の低下に直接的に影響を及ぼすとまではいえないとの判断であったと解釈することができる。

 

  そして,仮に,被控訴人の上記行為が控訴人の社会的評価を低下させるとしても,「法的な見解の正当性それ自体は,証明の対象とはなり得ないものであり,法的な見解の表明が証拠等をもってその存否を決することが可能な他人に関する特定の事項ということができないことは明らかであるから,法的な見解の表明は,事実を摘示するものではなく,意見ないし論評の表明の範ちゅうに属するものというべきである。」(最高裁判所第1小法廷判決2004(平成16)年7月15日)とされるように,著作権侵害との被控訴人の表現は,法的な見解を示す意見ないし論評なのであり,著作権侵害の真実性・真実相当性を検討するまでもなく,被控訴人の行為の違法性は阻却されることとなる(被控訴人答弁書「第3 3 (1)イ 最高裁判所第1小法廷判決2004(平成16)年7月15日」(27頁‐))。

 

  なお,被控訴人が摘示した控訴人による著作権侵害行為に関し,控訴人は,原判決において違法性阻却事由としての摘示事実の真実性・真実相当性の判断がされなかったことを根拠とし,控訴人の行為は著作権侵害にあたらないとの主張を開始し,今後も本件写真を控訴人ブログ上に掲載し,本件写真に写る人物の顔を皆で解析する旨の主張をブログ上で展開している(乙第58号証の1(乙712頁‐)〖F001〗〖F115〗〖F191〗〖F202〗他)。したがって,被控訴人は,この点について本控訴答弁書「第3 被控訴人の主張-原判決の正当性-」において論証を行い,被控訴人が摘示した事実には,真実性・相当性の法理が成立することを,改めて強調する。

 

  ところで,本項において,控訴人は,警察,専門家,学会の考えが被控訴人によって記載されているとし,被控訴人が示した警察の見解が「虚偽の事実」であるとの主張をしている。しかし,○○警察署が被控訴人に対し,「(被控訴人の行為に)犯罪性はなく,告訴できるような案件ではない。」と述べたことは事実であり(乙第5号証(乙089頁3行)),また,○○警察署においても,○○刑事(2015(平成27)年2月4日電話)と○○刑事(2016(平成28)年9月16日電話)の両氏によって,警察署が控訴人から告訴状を受理した事実はない旨が明言されている。さらに,被控訴人が控訴人に対しストーカー行為を行い ①告訴された ②警察から2度の接近禁止警告を受けた(乙第58号証の1(乙712頁‐)〖F001〗〖F003〗〖F110〗〖F189〗〖F199〗〖F217〗他) とする,控訴人による控訴人ブログ上での著しい名誉・信用毀損表現に悩んだ被控訴人が,○○警察署に○○○を提出した2016(平成28)年10月7日には,○○警察署から○○警察署へ直接連絡がとられ,その場で,再度, ①被控訴人が告訴された事実 ②警察が被控訴人へ注意・警告を行った事実がない旨が,○○刑事から○○警察署に伝えられた。このように,控訴人による度重なる脅迫行為を含む侵害行為に対し,警察や学会が,被控訴人にかかる負荷を軽減するために示した見解は,いずれも真実であり,被控訴人の社会的評価の低下を防御する必要性からの表現でこそあれ,上述の主張と同様,控訴人の社会的評価の低下に直接的に影響を及ぼすものではない。なお,上述の警察署とのやりとりについて,被控訴人は録音音声を含む資料の用意がある。本件控訴審の審理にあたり,必要に応じ提出する。

 

 

4 控訴理由書「第2 3 (2)原告主張事実②について」について

 

  全て否認ないし争う。本項において,控訴人は,検索エンジンで「○○○○」を検索すると,控訴人に関する誹謗中傷が複数上がるとし,かかる問題は被控訴人の故意によるものであり,違法であると主張する。しかし,控訴人の氏名の検索結果に,控訴人に関する誹謗中傷が「並んだ」事実は見当たらず,この点は,原審当事者尋問において,被控訴人が提出した乙第53号証(乙698頁‐)にも示される(控訴人尋問調書(25頁23行‐))。被控訴人が控訴人の氏名を記した記事(2014(平成26)年4月18日投稿)は,翌19日には被控訴人によってアカウントごと削除・退会手続きが行われており(乙第12号証の1(乙280頁)),«○○○» もまた,ごく早期に控訴人の氏名が表示されたコメントを削除している。したがって,控訴人が示す甲第6号証の1,2,3及び4は,すでに削除されている情報が検索エンジンの更新上の時差から一時的に掲載されていたにすぎず,«○○○» のブログのみが,3年間にわたり検索結果に掲載され続けた事実は確認されるものの,かかる事実は検索エンジン会社のバグによるものと推測され,«○○○»は何ら責を負わない。なお,現在検索エンジンで控訴人の氏名を検索すると,最上位には,控訴人が自ら氏名を明らかにしながら,被控訴人に対する侮辱・名誉毀損表現を継続する○○○○○○○が表示されることを付言する(乙第58号証の3(乙765頁‐))。

 

 

5 控訴理由書「第2 4 (3)原告主張事実④について」について

 

  全て否認ないし争う。本項において,控訴人は,いずれも原審において,被控訴人より反論書面及び書証が提出され,審理・検討が尽くされた内容について,控訴人の主観的意見あるいは偏った認知のみを前提に,何ら合理的根拠あるいは新たな視点を示さないまま,原審における控訴人の主張を繰り返し述べているにすぎず,詳細な認否には及ばない。

 

  なお,本項において,控訴人は,「原審判決のように,勤務先に連絡をすることが違法でないというのなら,控訴人も,裁判を起こしたり,警察に相談に行くのではなく,被控訴人の勤務先に連絡してもよいということになる。」としているが,控訴人は,すでに複数回,被控訴人の親族や勤務先に対し,電話連絡の他,悪意ある接触を繰り返しており(○○○○(被控訴人の叔父)(乙第47号証の4(乙633頁),乙第57号証の3(乙711頁),乙第58号証の1〖F246〗他,数十回),○○○○○○(乙第47号証の3(乙611頁-乙613頁)他,数十回),○○○○○(乙第58号証の1〖F190〗〖F245〗他,数回)),また,被控訴人が交流を持つ«○○○○»に対しても,この半年の間に100件を超えるアプローチがあったとの報告を«○○○○»自身から受けている。特に,被控訴人の勤務先の一つである○○○○○のアカウントを,何ら関係がないはずの控訴人が繰り返しリツイートする行為は,被控訴人に対する常軌を逸した「つきまとい行為」と捉えざるを得ない。

 

 

6 控訴理由書「第3 業務妨害について」について

 

  全て否認ないし争う。本項においても,控訴人は,いずれも原審において,審理・検討が尽くされた内容について,控訴人の主観的意見あるいは偏った認知のみを前提に,何ら合理的根拠あるいは新たな視点を示さないまま,原審における控訴人の主張を繰り返し述べているにすぎず,詳細な認否には及ばない。

 

 

7 控訴理由書「第4 補足」について

 

  全て否認ないし争う。なお,本控訴答弁書「第4 本件控訴に関連する事実及び事情」において,本項に対する被控訴人の認識を示し,被控訴人の意思を表明する。

 

 

第3 被控訴人の主張-原判決の正当性-

 

1 最高裁判所第3小法廷判決1963(昭和38)年4月16日

 

  最高裁判所第3小法廷判決1963(昭和38)年4月16日を以下に示す。

 

  「すなわち,本件は,上告会社による講演内容掲載の行為が「盗載」にあたるかどうかが請求原因であるわけでなく,従って原判決の事実認定の対象となっているわけでもない。原審は,上告人Aが,B博士から承諾を得ていないのにかかわらず,Cから不明朗な手段で講演の訳文原稿を入手し,博士から正規の承諾を得た日本医師会雑誌への掲載に先がけて発表に及んだ行為を非として,これを非難するのに「盗載」とか「悪徳行為」とかの激越な言辞を用いてはいるけれども,事実を曲げて虚偽を語るものではないと判断しているに過ぎないのである。」「しかして,自己の正当な利益を擁護するためやむをえず他人の名誉,信用を毀損するがごとき言動をなすも,かかる行為はその他人が行った言動に対比して,その方法,内容において適当と認められる限度をこえないかぎり違法性を缺くとすべきものであるから,本件被上告人らがB博士の承諾を得て,その講演内容を日本医師会の機関誌である日本医師会雑誌に掲載する権利を有していた以上,右講演内容が先に他誌に掲載されたことにつき,真実を公表弁明して,その権利名誉を擁護するにあたり,被上告人らが採った処置の方法。内容は,原判決の確定した客観的事情の下では,いまだ上告人らの名誉・信用を害したものとなすをえないとした原審の判断は,これを肯認しえないではなく,原判決に所論の違法があるとはいえない。

 

 

2 東京地方裁判所判決1972(昭和47)年5月29日

 

  次に,上記判例理論に基づき,この免責の余地を広く認めた,東京地方裁判所判決1972(昭和47)年5月29日を引用する。

 

  「もとより表現の自由の名において人格権の無視や侵害が行われるときは,これを容認することはできないのであって,ある事実を摘示して名誉を毀損した場合それが積極的事実であれ消極的事実であれ,右事実の存在についての真実性が証明されない限り(その主張,立証責任は事実摘示者が負担する),その者は名誉毀損にもとづく不法行為責任を負わなければならないし,事実を摘示することなくしてなされた軽蔑の表示,名誉感情を害するに足りる事項の表示についても,侮辱にもとづく不法行為責任を生ずる。しかし,まず相手方の批判ないし非難が先行し,その中に自分自身の名誉や近しい  第三者または自己の属する機関の正当な利益を侵害する事実の摘示が存し,これに対し,その名誉ないし正当な利益を擁護するために必要な範囲を逸脱しない限度でなされた反論は,それだけを切り離して考えると相手方の名誉権を侵害する言動を含んでいても,相手方の摘示した事実が真実であり,あるいは相手方において真実と信ずるにつき相当の理由がある場合を除いて,名誉毀損または侮辱による不法行為とならないと解するのを相当とする。そして,また,当該反論が自己の名誉やその他の利益を擁護するために必要な範囲をこえているか否かは,その方法・内容につき,これに先行する相手方の言動と対比して考慮すべきものといわなければならない。

 

 

3 被控訴人の主張-控訴人による「先行行為」-

 

  上記2判例を土台とし,控訴人による「先行行為」に視点をあてた論証を以下に行う。

 

 

(1) 訴状「請求の原因」における控訴人の主張とその不合理な変遷

 

  本件は,控訴人による次の主張を請求原因として,開始されている。すなわち,「被告は,平成24年頃から,原告のブログ「○○PTSD○○○○○研究所」に対し批判的な意見を持っていたが,原告に対する妬みも相まって,平成26年3月15日から複数の名前(○○○,○○○,○○○,○○○,○○○,○○○ 等)を使って,原告を誹謗するブログを書いたり,原告のブログ「○○PTSD○○○○○研究所」にコメントを投稿し,ブログを荒らすようになった。」「そこで,原告は,平成26年3月下旬,複数の名前を使う被告を特定するため,被告が自分のブログで使用していた写真(甲第2号証の3 2頁 線量計の写真 以下「本件写真」という。)を掲載したところ,被告は,「著作権侵害」,「盗人」だとコメントし始めた。」とする主張である(控訴人訴状「請求の原因(3頁))。

 

  被控訴人は,控訴人によるかかる主張が,複数の点において事実から解離していることに強い疑念を抱き,原審の審理過程で,以下の具体的矛盾点の指摘を続けた。

 

  ①被控訴人が控訴人に対し,平成24年頃から批判的な意見を持っていたとする控訴人の主張に合理的根拠は示されるのか。

 

  ②2014(平成26)年3月15日から,少なくとも6つの複数の名前を被控訴人が使ったとする主張に合理的根拠は示されるのか。

 

  ③被控訴人が控訴人を誹謗するブログを書いたり,控訴人ブログを荒らしたとする主張に合理的根拠は示されるのか。

 

  被控訴人による上記指摘に対し,控訴人の主張は,審理過程で不合理な変遷を繰り返し,原審当事者尋問期日の時点では,上記3点は,訴状における請求原因からかけ離れた内容に変容していた。

 

 

(2) 当事者尋問における«○○○»の出現とその矛盾点

 

  ここで,原審当事者尋問において,控訴人が供述した複数の「新たな事実」の矛盾点を指摘する。

 

  ①被控訴人が初めて控訴人に関わった時期につき,「今から思えば,平成24年に○○○という人が接触してきて,しつこくコメントを繰り返していました。」(控訴人尋問調書(1頁24行‐))「(«○○○»が2012(平成24)年ごろから,控訴人ブログに執拗に質問を繰り返したというのは,具体的にどのような質問であったかという被控訴人からの問いに対し)余りにもたくさんあり過ぎて,即答できるような状態ではありません。」(控訴人尋問調書(16頁19行‐))。

 

  (矛盾点)«○○○»が子を持つ母親であり,子が聾(ろう)児である(「障害」という言葉が社会で使用されることの問題とたたかっている。)ことを,控訴人は当初から認識していた(乙第57号証の1(乙708頁‐))にもかかわらず,独身で明らかに子のいない被控訴人が«○○○»であると供述したこと。«○○○»によるコメントは,控訴人ブログ上にすべて残っていると供述する(控訴人尋問調書(17頁24行‐))が,«○○○»によるコメントに,控訴人に対する質問は1件も見当たらず,«○○○»が「執拗に質問を繰り返した事実」はないこと。当然,控訴人が«○○○»に対し発信者情報開示請求を行う理由はないこと(質問することが発信者情報開示の要件に該当することは考えられず,«○○○»に対し開示請求を行ったとする控訴人の供述(控訴人尋問調書(17頁26行‐))は虚偽である。)。

 

  ②控訴人が複数の名前・複数のブログを持っていたとする主張につき,「○○○とか,○○○とか,○○○とか,○○○とか,平仮名で○○○と書いたかと思うと,片仮名で○○○と書いたりしておりまして,」(控訴人尋問調書(3頁16行‐))「簡単に10は超えると思います。」(控訴人尋問調書(3頁19行‐))「○○○とか○○○とか○○○とか,いろいろありました。それから○○○とかそういうのもありました。」(控訴人尋問調書(3頁24行‐))「それから,○○○というブログもありました。」(控訴人尋問調書(4頁21行‐))。

 

  (矛盾点)2014(平成26)年3月24日に控訴人がブログ上に本件写真を掲載する時点より以前に,被控訴人が○○○及び○○○以外の名前を使った事実はないこと。「○○○」「○○○」というアカウントは存在しないこと。「○○○」「○○○」というアカウントはみつかっているが,2アカウントともブログ記事は存在しないこと。いずれにおいても被控訴人のハンドルネームまたはアカウントではなく,被控訴人は関係しないこと。

 

  このように,控訴人は,当事者尋問の期日当日になり,突如上記の新たな供述を展開し,被控訴人が尋問の場で供述の虚偽を弾劾する機会を妨害した(乙第57号証の1(乙708頁‐)等の証拠を被控訴人が用意する時間を与えなかった)が,控訴人が上記虚偽供述を行った理由は,審理過程で被控訴人が繰り返し指摘・主張してきた「控訴人による『先行行為』」について,その真実を歪曲し隠蔽しようとしたからにほかならない。控訴人は,訴状に記載した「被告は,平成24年頃から,原告のブログ「○○PTSD○○○○○研究所」に対し批判的な意見を持っていた」とする主張の整合性をつけようとして,当事者尋問期日において,突然,「今から思えば,平成24年に○○○という人が接触してきて,しつこくコメントを繰り返していました。」(控訴人尋問調書(1頁24行‐))とする虚偽供述を行ったのであり,供述の虚偽を隠蔽する必要性から,控訴人が陳述書(甲第31号証)を準備する段になり,慌てて控訴人ブログの数点の記事タイトルを変更したのである(「始まりはコメント強要から」(乙第52号証の2(乙695頁))を「サイバーストーカー被害はSNS連続送信から」(乙第52号証の1(乙694頁))に変更)(控訴人尋問調書(18頁1行‐20頁22行))。

 

 

(3) 控訴人の主張における同一性の欠落

 

  さらに,当事者尋問において,本件写真が控訴人ブログに掲載される前の段階で,被控訴人が控訴人に対し,少なくとも6つの名前を用いながら,「中傷しブログを荒らした」とする控訴人の主張について,その事実を具体的に示すよう被控訴人が控訴人に求めた場面(控訴人尋問調書(20頁23行‐23頁24行))では,控訴人は被控訴人の問いに答えることができなかった。この点について,控訴人は,本件控訴において甲第34号証「陳述書(2)」を提出し,「ブログ上で,PTSDに悩む方と専門的で良好なやりとりをしていたのに」(14頁),被控訴人によって「嫌な思いをした」(14頁)ことを理由に本件写真を控訴人ブログに掲載したとの陳述を行っている。

 

  しかし,実際に控訴人がブログ上で行ってきた行為とは,乙第2号証(乙012頁‐)に示されるように,精神疾患や心身の不調に苦しむ者達の症状,外傷体験,家庭的背景,経済的事情を,凶悪犯罪事件の記事や写真と並べ,彼らのプロフィール写真や著作物を無断掲載する控訴人独自の手法をもって,インターネット上にとりあげ,嘲笑し,侮辱するという,膨大な量の,極めて悪質な行為なのであり,乙第3号証(乙030頁‐)に示されるように,控訴人は,被控訴人を「カオナシ」の画像(乙第58号証の2(乙757頁‐))で示しながら,被災地訪問を揶揄する趣旨の記事(乙第3号証(乙030頁‐)〖B014〗)や被控訴人の父親が交通事故で死去したことを控訴人が知った直後の自動車保険詐欺の記事(乙第3号証(乙030頁‐)〖B021〗)等,偶然とは考えづらい記事の掲載を繰り返していたのである(なお,このような控訴人による催眠療法を悪用したマインドコントロール手法は,被控訴人以外の他者に対しても,頻繁に用いられている(乙第2号証の3(乙012頁‐)〖A065〗))。

 

  控訴人は,控訴理由書及び陳述書(2)(甲第34号証)において,「被告は,私に,なぜ,線量計の写真が大切なのか説明したり,大事な写真だから削除して欲しいと」「懇願」すべきであったとの主張を行っているが,控訴人の行為の動機付けは,常に,被控訴人が大切にしているものを破壊し,被控訴人を「嫌がらせる」ことにあることは明らかであり,実際に,被控訴人の母親が死去した事実を控訴人が知った際には,「身内の不幸まで裁判に悪用」 (乙第39号証の1(乙521頁‐)〚E180〛〚E181〛〚E188〛〚E194〛〚E169〛〚E176〛〚E211〛,他)(乙第47号証の5(乙643頁)他)とし, 被控訴人が反論を示す(甲第24号証)と,期日変更に際し被控訴人が虚偽の記載を行ったとする主張を展開した(なお,この事実関係については,2016(平成28)年4月29日付けで被控訴人が原審裁判所に提出した上申書の添付書類に示される通りである。)。このような状況下で,本件写真が被控訴人にとって大切なものであることの控訴人に対する説明と「懇願」を行うことが有効であるはずがない。

 

  そもそも,被控訴人に「懇願」を求めることを発想するような,控訴人にみる認知は,当事者尋問において,「(«○○○»が控訴人の箱庭の写真(甲第35号証)をインターネット上に掲載すると警告したことにつき)とても大事にしている場所なのに,神聖な場所を汚されたような気持ちがしました。誹謗中傷の表現はいろいろできるはずですけれども,このような表現をあえてする人は,とても怖い人だと思いました。」(控訴人尋問調書(10頁25行‐))と供述する一方で,本件写真の控訴人ブログ上への掲載や,被控訴人の自宅住居建物内の室内写真を,住居侵入・強姦事件の記事中に繰り返し掲載した控訴人自身の行為については,何らの疑問も持たない(控訴人尋問調書(27頁22行‐))等,激しい歪み・解離が本件全体にわたり見受けられ,その同一性や他者への一切の共感性を控訴人の表現に認めることはできない。

 

  なお,控訴人が提出した上記箱庭の写真(甲第35号証)につき,控訴人ブログのコメント欄にはリンクを貼る機能がなく,「クリックする」ことはできない。また,記載されているurlは○○会(○○○○大学同窓会)ではなく,控訴人ブログのurlである。控訴人は,箱庭療法施術場所を公表していないとしながら,実際は自身のブログ上に紹介を行っていることとなる。また,一般読者が甲第35号証を閲覧しても,箱庭の写真であることに気付く者はおらず,ましてや,○○会の一室の写真だとわかる者はいないだろう。«○○○»もコメント投稿時には認識していなかったと推測される。

 

 

(4) 「控訴人による『先行行為』」とした原判決の正当性

 

  ここで,本件を上記2判例(1及び2)に照らす。判例1では,「自己の正当な利益を擁護するためやむをえず他人の名誉,信用を毀損するがごとき言動をなすも,かかる行為はその他人が行った言動に対比して,その方法,内容において適当と認められる限度をこえないかぎり違法性を缺く」とし,判例2では,「まず相手方の批判ないし非難が先行し,その中に自分自身の名誉や近しい第三者または自己の属する機関の正当な利益を侵害する事実の摘示が存し,これに対し,その名誉ないし正当な利益を擁護するために必要な範囲を逸脱しない限度でなされた反論は,それだけを切り離して考えると相手方の名誉権を侵害する言動を含んでいても,相手方の摘示した事実が真実であり,あるいは相手方において真実と信ずるにつき相当の理由がある場合を除いて,名誉毀損または侮辱による不法行為とならないと解するのを相当とする。」としている。

 

  すなわち,本件において,控訴人と被控訴人のどちらの行為が先行したかという点に検討を加える時,その「先行行為」には,「自分自身の名誉や近しい第三者または自己の属する機関の正当な利益を侵害する事実の摘示が存」する必要があるのであり,また,かかる明確な侵害行為に,違法性阻却が成立するか否かの検討も必要となるとするものである。控訴人による侮辱・名誉毀損行為を伴う著作権侵害行為(著作者人格権の侵害を当然に含む。)が,被控訴人の名誉や近しい第三者または自己の属する機関の正当な利益を侵害するものであったことは,被控訴人がこれまでに提出した主張書面中に,多角的に光をあてながら,立証・論証を行ってきたことである。一方で,上述(3)に被控訴人が示したように,被控訴人によって「嫌な思いをした」ことを理由とした控訴人の主張を,本件の「(被控訴人による)先行行為」とすることは,不可能というべきであり,控訴人の行為を「先行行為」として事実認定した原判決の正確性・正当性に,疑問をはさむ余地はない。

 

 

第4 本件控訴に関連する事実及び事情

 

1 平成28年(ワ)第○○○○号損害賠償請求事件(大阪地方裁判所堺支部)

 

  2016(平成28)年10月14日,控訴人は被控訴人に対し,別件訴訟「平成28年(ワ)第○○○○号損害賠償請求事件(大阪地方裁判所堺支部)」(以下,「当該訴訟」という。)を提起した(乙第59号証(乙771頁))。2017(平成29)年5月16日に行われた第4回口頭弁論期日において,本年度より着任の担当裁判官より,以下の心証が開示された。

 

  すなわち, ①当該訴訟は,控訴人が,被控訴人をストーカー加害者として,被控訴人を研究対象とし,ストーカー被害やストーカー被害訴訟(原審及び本件控訴審)をテーマとした学会発表を行うとする宣言をインターネット上で繰り返し行い, ②実際に,抄録・論文を学会に提出すると同時に,その抄録・論文と同一と考えられる抄録をインターネット上で販売した事実が先行行為として認められ, ③控訴人の上記行為に対し,被控訴人が,各学会に宛て,控訴人の抄録・論文に対する倫理審査を申し立てたという経緯である。被控訴人の行為は,控訴人の行為に比してやむを得ない行為というべきであり,社会常識的にみても自然であり,名誉毀損の違法性阻却事由を検討するまでもなく,そもそも不法行為は成立しない。 とするものであった。

 

 

2 控訴理由書「補足」における侮辱・名誉毀損表現

 

(1) 控訴人訴訟代理人による主張

 

  控訴理由書「第4 補足」(9頁‐)において控訴人訴訟代理人により主張されている通り,2017(平成29)年5月17日,被控訴人は,控訴人訴訟代理人に対し電話連絡を行っている。

 

  その目的は, ①被控訴人もまた控訴人に対し大量の誹謗中傷をインターネット上で行っている(すぐに被控訴人により削除されるために証拠はない。),とする完全に事実無根の虚偽主張を,控訴人による別訴(本控訴答弁書「第4 1」に記載。)提起前後から,控訴人訴訟代理人が期日において繰り返し行うようになったことから,存在しない事実が控訴人訴訟代理人自身の口から繰り返し主張されることに,被控訴人が強い疑問を持ち,発言の根拠を問う必要性を感じたため。 ②【第三者の心情に配慮し掲載を見合わせる】 であった。

 

  なお,上述①と同様に,控訴人訴訟代理人が法廷において,間接事実・補助事実として重要な部分につき虚偽の発言をし,虚偽であることの立証が可能である旨の指摘を被控訴人から受け,その場で発言を撤回する行為は,これまでに少なくとも2度行われている(①被控訴人の自宅住居建物内の室内写真を控訴人がブログに掲載した事実はないとする虚偽。 ②被控訴人が控訴人に対し売買代金の返還を求めた少額訴訟に関し,「原告は被告には売れないので代金を返還したい・・・と頼んだ」(控訴人準備書面(4))とする虚偽(被控訴人第4及び第5準備書面,2016(平成28)年8月5日付け上申書)。

 

 

(2) 侮辱・名誉毀損表現の撤回請求

 

  被控訴人が控訴人訴訟代理人に対し指摘を行い対応を求めた上記電話及びFAX(甲第18号証,甲第20号証,乙第28号証の1(乙463頁-))を根拠とし,被控訴人を「典型的なストーカー」であるとする控訴人訴訟代理人の表現行為(控訴理由書「第4 補足」(9頁‐))(以下,「当該表現」という。)は,代理人としての職務上の役割を逸脱した,控訴人訴訟代理人自身の意志による,被控訴人に対する極めて悪質かつ不適切な侮辱・名誉毀損表現と考える。 

 

  被控訴人は,控訴人訴訟代理人に対し,当該表現の速やかな撤回を求める。

 

以 上