5月の騒乱 | IDSアライグマ・ハクビシン・スズメバチ駆除日記

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ハチ・有害獣駆除担当のヴェスパ1号、アライグマ駆除担当の変人プロチョーネ1号、太ったネズミ駆除担当ムスムスクルスムスクルス初代 そして、ハクビシンのツヨシとヨワシの日常の奮闘ブログです♪
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 プロチョーネ1号です。7日からというもの、各地でアライグマを始めとした野生動物の気配がかなり出てきており、農家では稲の苗を育てている苗場が荒らされたり、家庭菜園、畑をお持ちの家では畑、埋めて捨てていた野菜、さらには鉢植えまで見境なく掘り返されていました。どれもイノシシにしては荒らされた規模が小さいのでアライグマと推測できましたが、早いところでは罠を設置した翌日にはアライグマが捕獲されました。

 

 それだけ春という季節は野生動物が人のいるところに出てきてはいるものの、作物もまだ実っておらず、食べ応えのある虫や両生類も少ないので彼らはあちこちを植物の根っこやミミズ、眠っているカエルや虫でも求めて掘り返しているのでしょう。だからこそ、一年で最もアライグマもハクビシンも捕まりやすい時期でもあるのだろうと実感しています。そりゃ、何カ月もほぼ絶食状態で秋の間に蓄えた脂肪も2,3kgも落ちてきて痩せ細ったところに餌をぶら下げられたら罠と分かっていても捕まってしまいますよね。

 

 で、今日はプロチョーネのいつもの活動範囲を外れて某市街地へアライグマの回収に行ってまいりました。

 このように川沿いに小さな工場と家が並んでいるところだったのですが、その一角で昨日奇妙な動物の鳴き声がするという通報があったのでヴェスパ氏が駆け付けたところ、倉庫の床下に作られた収納スペースにアライグマの幼獣がおり、母親を捕まえるためにひとまず子供は放置したまま罠を設置することにしたのです。そしてその夜にはアライグマが捕まったと連絡があり、私が向かったわけです。

倉庫の裏側にわなを仕掛け・・・

 アライグマが捕獲されました。

この隙間から入り込んでいたようです。

 床下スペースには色々な物が収納されていましたが、この荷物の下の隙間から鳴き声がしたとのことでしたので荷物を除いたのですが

 この下の部分に尿らしき痕跡があり、このあたりに子供を置いていたのは確かなようですが、すでに姿はありませんでした。そこらじゅうからアライグマの獣臭もしましたけれども、やはりどこを探しても見当たらず。捕獲された母親は子供を先に逃がして、なぜかここに戻ってきて捕まったという推測ができました。

 ただし、この結果は私が見てきた限りでは珍しいです。大抵子持ちの母親の警戒心は強いため捕まりにくく、罠を仕掛けても母親には逃げられ、仕方なく子供だけを回収するケースが大半でしたからね。今回は・・・・子供を逃がしたはいいものの近頃あまり食べ物にありつけていなかったためか、罠に入った食べ物のことを忘れられずに子供の安全を確保した後で食べに戻ってきた、なんて想像が浮かびましたが、なぜかは分かるはずもありません。もしかすると既にここにいた母子は逃げ出して、この個体が全くの別人(別アライグマ)という可能性もありますからね。いくら彼らを捕獲しているからといって、僕が見ることができるのは彼らが捕まった結果だけでしかなく、こうして捕まるまでに彼らがどのように暮らして、交流して、食べ物を得ているのかなどはほとんど分かっていないのが現状なのです・・・。

 

 既にアライグマは人間の生活圏の隙間で大勢くらしていますが、人間が彼らについて知っているわけではなく、彼らは少なくとも人間がどのように建物を作り、どこに食べ物を置く、育てるかは知っているわけです。アンバランスですね。