ヴァイオリン職人という職業 | ヴァイオリン技術者の弦楽器研究ノート

ヴァイオリン技術者の弦楽器研究ノート

クラシックの本場ヨーロッパで職人として働いている技術者の視点で弦楽器をこっそり解明していきます。

こんにちはガリッポです。

コメントについては常に丁寧に応えることはできません。
時間が無いので応えることすらやめようかと考えています。

その時の時間の余裕や気分次第です。
いろいろ考えた結果結論だけを書くと冷たいと思われるかもしれません。質問であれば答えがはっきりしている場合は即答です。答えが分からない質問には分からないと答えます。
そういう事が少なくないと思います。そうなりえると思ってください。無視されたとしても怒らない覚悟のうえ書き込んでください。

友達に「ビオラ・ダ・ガンバ」を作ってくれと半分冗談で言われたことがあります。「ビオラ・ダ・ガンバは作れない」と即答してケンカになりました。それくらいできるだろうと思うかもしれませんが、私にとってはヴァイオリンやチェロとは全く違う未知の楽器であり、寸法や製法が分かりません。そもそも弦楽器は時間がかかるので友達だからと言ってプレゼントのように作ることはできません。弾く方も難しく、まずチェロから練習するように言いました。私は職人としてそれくらいシビアに物事を考えています。はっきりわからないものは分からないとしか言いませんし、できないものはできないと言います。友達としては「良いよ、いつか作ってやるよ」というくらいの答えで良かったのかもしれません。そんな答えが欲しいですか?

職人と一般の人ではかなりギャップがあるようです。それを埋めるためにブログを始めたわけですが、どうも無理そうです。



前回はトランジェントという概念で音を説明してみました。そのような発想を頭に置いて実際の楽器の音を聞いてみるとやはりよくわかりません。本当にそれが言い当てているのでしょうか?
音が鋭いとか柔らかいということを「時間軸」の特性で説明しました。

そんなことは考えずに音が鋭いとか柔らかいと感じたままに感じれば良いんじゃないかと思います。

作業などをしていると音が発生します。工房では作業音が出ます。ハンマーなどで叩いたりするのはもちろんやすりで削ったり擦ったりするだけでも思ったよりも大きな音が出て周囲の人を驚かせることがあります。これは、特に響板のような振動体を持っていない部品でも意外と大きな音がするものです。
何か机から落下しただけでも相当な音が出ます。そう考えると松脂のついた弓で弦を擦って出る振動はとても微弱なものでしょう。その微弱な振動を響かせるのが弦楽器の胴体ということですね。

世の中には騒音が溢れていて、音を響かせようとして作られていないのに大きな音になっていることがよくあります。ものを叩いたり擦ったりするときのように、弓と弦が擦れる瞬間にもいろいろな音が出ることでしょう。そのような音が楽器によっては吸収されたり、微弱な振動も失われずに響いたり差があるのではないかと思います。



さてヴァイオリン職人の職業について質問がありました。
イメージと現実が違うかもしれませんので皆さんにも説明しましょう。

クリエイティブな職業

ヴァイオリン職人として思い浮かべる仕事はヴァイオリンを作って販売することでしょう。これは、小説家や漫画家、イラストレーターや画家、作曲家、デザイナー、ゲームクリエイターのような作品を作って販売する仕事です。どうやったらそれらの職業になれるか決まったルートは無いでしょう。
もっと言うとお笑い芸人とか歌手ミュージシャンとか役者やアイドルなどそのようなものもあります。
これらの仕事はやりたいと思っている人が、求められている仕事の量よりも多いのでその職業に就くことがとても難しいものです。

クリエーター系の専門学校は日本にはありますね。
全く誰一人その職業につけないということは無いですが、ほとんどは辞めていくものです。学校に入ったからと就職できるわけではなく、クラスに一人、ものになる目の輝きの違うやつがいるかいないかの世界です。就職率などをアピールしてもやめて行った人はカウントされていません。


職業は需要と供給の関係にありますから、働き手が多い仕事ほど待遇は悪くなり、働き手が足りない仕事ほど良くなるはずです。仕事の重要度も大事です。暮らしや命を守るのに重要な仕事であるほど待遇は良くなるでしょうし、そうでなければ悪くなるでしょう。

それで言うと弦楽器はそれほど生きていくのに重要ではありません。ラーメンを食べる人は人口の大半を占めるかもしれませんが、ヴァイオリンを弾く人はわずかです。弾く人でも生涯に買う楽器の数はそれほど多くありません。ラーメン屋でさえ従業員の数がヴァイオリン工房よりもはるかに多いものです。ヴァイオリン工房に就職することはそれくらい難しいのです。

自動車なら製造するのはメーカーです。
メーカーは下請けの会社が作った部品を組み立てているだけです。
出来上がった車はディーラーという売る専門の会社で販売します。外国の車を輸入して販売する会社もあります。故障を修理する整備士がいたり、修理を専門にする会社もあります。古い車は中古車を販売する会社があります。クラシックカーを修理して販売したり、レースカーを改造して作ったりする会社もあるでしょう。レンタカーもあります。

このように自動車の産業は多くの会社が携わり、それぞれ専門の職業があります。ディーラーだけでも経営者、事務、経理、営業、整備士などヴァイオリン工房では考えられないほど多くの人が働いています。

しかしヴァイオリン職人はこれらの仕事をすべて一人でやらなければいけません。それほど多くの人に給料を払うほど演奏者が多くないからです。

ヴァイオリン職人になるということは「ヴァイオリン産業に就職する」という意味になります。ヴァイオリンを作るというのはその中のほんの一つの仕事にすぎません。

お客さんの立場になって考えることが重要です。
自分がヴァイオリンを買いたいとします。そんなにお金は持っていないかもしれません。30万円でも大金でしょう。
ヴァイオリンを作るのに3か月かかるとすると1か月10万円になります。材料代と工房の家賃や自分の家の家賃、光熱費を払うとその時点で赤字です。
ということはその値段では自分で作って売るのは無理なのです。
お客さんからすれば100万円も200万円も出すことはできません。

それをもっと早く作れば可能性が出てきます。
仕事は手早く雑に作ります。それができることが「ヴァイオリン職人の才能」と言えるかもしれません。つまり、大雑把で適当な人が向いているというわけです。チェロなら間違いなくそうです。
それよりも早くするには機械を使えば良いかもしれません。
機械はとても高価なので、元を取るためにもっとたくさん作らないといけません。自分のお店では売れ残ってしまうので、お店に販売します。

お店は30万円のヴァイオリンを30万円で仕入れたのでは儲けが出ません。もっと安い値段で仕入れます。さらに安く作らないといけません。工場を大きくして機械と従業員を増やして極力安く作れるようにします。たくさん販売して機械を買うために払った費用を回収します。

それに対して中国のメーカーがもっと安い値段で楽器を作ってきます。楽器店はそちらの方を買った方が儲かるので買ってくれなくなるかもしれません。


つまり自分で楽器を作って売る場合の価格帯が限られてきます。
お客さんは人によって出せる金額が違うので自分で作った楽器で対応できるお客さんの割合がずっと少ないのです。さらにもっとお金持ちの人がいると、骨董品のような古いものを買うようになります。

楽器の販売全体の中で、職人が自分で作った楽器を販売するのはわずかな割合であるということです。そもそも弦楽器を買う人自体が少ないです。それに対してヴァイオリン職人になりたいという人の方が多いのです。


人は皆自分のことを第一に考えています。他人を成功させようなんて考える人はいないと思ったほうが良いです。
若い職人が楽器を作っても、それを大きな楽器店の社長が「君の才能に惚れ込んだ、ぜひうちで販売させてほしい」なんて言ってくることはありません。楽器店の社長はいかに安く買って高く売るかを考えています。若い職人がほかに収入が無いことを知っていればものすごい安い値段で買いたたかれます。クレモナの職人などは、新作楽器の製造以外に収入源がありません。クレモナには職人が多すぎて、お客さんである演奏者が少なすぎるからです。それを知っている社長はものすごく安い値段を提示します。それしか収入源が無い職人の中にはその日のパンを買うためにやむなくそれを受け入れる人もでてくるでしょう。それが店頭に並ぶ時には何倍にもなっているのです。


このように自分でが作った楽器を売るのは、ものすごく安く作って楽器店に卸すか、自分で演奏者に直接売るかのどちらかです。

自分で演奏者に楽器を売るなら、楽器製造の能力だけではなく、販売員としての能力が必要になります。これは営業マンの能力です。
ただし、もしこの能力を持っているのなら、何も自分で作った楽器を売る必要がありません。人が作ったものを売ればその方が楽です。何か月も働かなくても、人が作ったものを買うのはお金を払えば一日で手に入ります。自分よりも知名度が高いものなら、もっと簡単に売れますし、安く買ったものなら安い値段にもできます。さっきの楽器店社長の立場です。


楽器を作ることはとても難しいです。
8割の人はそれすらできずに数か月以内に辞めていきます。
それ以上に難しいのは楽器を売ることです。
逆に楽器を売る能力があるなら作る必要はないのです。

このため職業としてヴァイオリンを作ることは世の中にそれほど必要性が無いのです。
日本では「イタリア製」ということが喜ばれます。日本人に生まれた時点でハンディキャップです。ヨーロッパでは中古楽器がたくさんあるのでそれに対抗するのが難しいです。楽器は古くなる方が音が良くなってくるので新品の楽器は難しいです。現代の物価の高さからすると値段が高くなってしまいます。中古品の方が音が良くて値段が安いので自分で楽器を作る意味がないのです。

お医者さんや弁護士が、患者や依頼者とお話をします。ヨーロッパでは30分お話をしただけでお金がたくさん入ります。楽器職人はお客さんと話をしてもお金は入りません。コメント欄で質問に答えるようなことは弁護士なら有料です。命や権利を守ることと、楽器とは重要性が違うからです。その上難しい試験によって人数が制限されているからです。こちらでは病気の治療を受けるためには何か月も待たないといけない状況になっていますが、お医者さんは長い休暇を取って優雅な生活をしています。
これに近いのは鑑定士です。鑑定士なら楽器を見て作者を判別し、書類を作成すると一日の仕事で何百万円も稼ぐことができることもあります。つまり楽器の作者が誰なのか判定するのは有料です。なぜなら高価な楽器は鑑定書が無いとその価値を保証できないからです。ただしその地位に就くのは大変なことです。そのような人たちは「マフィア」とも揶揄されています。


職人の仕事というのが世界全体でどんどん減ってきています。昔はそれしか物を作る方法が無かったのが、産業革命以降機械で作られるようになり、工場では分業で一人一人が別々の工程を担当するようになってきました。今では外国で作ったものを売るのが普通になっています。アマゾンでは中国製品ばかりが売られています。



弟子とヴァイオリン製作学校


楽器を作って売ることは職業として人々から求められていないという話でした。
それに対して趣味で楽器作りをしたらどうかと思うかもしれません。これは私はお薦めしません。ヴァイオリン作りは趣味でやるには難易度が高すぎるし、時間がかかり過ぎます。まず教わることが困難です。何年も修行しないとまともな楽器は作れません。

教える人も大変です。
職人が弟子を育てるにはつきっきりで面倒を見ないといけません。少し作業をしたらチェックして、もうちょっとこうしろとか、ああしろとか四六時中指導しないといけません。教えていると自分の仕事が半分もできなくなります。
それでいて弟子が作った楽器が売りものになるまでには何年もかかります。親方にとっては何年も自分の仕事が邪魔されるわけです。
その上に給料を払わないといけません。技術を身につけた後に独立すると商売敵になるかもしれません。どう考えても損です。そのため弟子を取りたくないという人が多いでしょう。

さらに最低賃金というものがあります。こちらでは左翼政党が一生懸命頑張って最低賃金を上げてきています。一時間あたりに支払わなくてはいけない給料が決まっているのです。何年か売り物にならないものを作っている間もその給料を払わないといけません。授業料を徴収したいくらいです。

このためヴァイオリン製作学校があります。
うちの工房に若者が「ヴァイオリン職人になりたいのでヴァイオリンの作り方を教えて欲しい」と言って来たら「こういう学校があるので行ってください」と答えます。


日本では職人は昔は住み込みで雑用をしながら、たまに教えてもらえる程度で、自分で盗めと言われたものです。従業員というよりはその家の子供に養子に行くようなものです。そのため「弟子」という言い方です。つまり子供の代わりというわけです。親方というのも親の代わりということです。昔は職業は親から子供へと受け継ぐのが普通でしたから本当の親子であることが多かったはずです。そうなると時間当たりの給料などはもらえずご飯を食べさせてもらえるだけでした。

それが今では会社の社長と従業員です。児童労働もできないので子供がお手伝いをしながら修行することもできません。100年くらい前のフランスやドイツの弓工房の写真が残っています。工房の中には子供がたくさんいて働いています。集合写真にも10歳くらいの子供がたくさん写っています。今は子供に働かせることが禁止されているので子供たちを雑用係として使いながら、英才教育を施すこともできません。今の我々職人は昔の職人のように熟練してはいません。また雑用も全部自分でやらないといけません。子供に変わるものが機械です、機械を使わないと100年前の弓工房のような生産数はできないのです。逆に言うと高価な弓もかつては、一人の職人が一本一本こだわって作っていたのではなく、子供たちでごったがえする工房で右から左と次々に完成させていたのです。だから私は作者名ではなく必ず試奏して選ぶように言っています。


学校が良いというよりは、全くの素人を一から教える余裕のある工房がまず無いでしょう。学校のメリットは他の生徒と比較できることで、自分の能力が分かります。幅広い知識や理論を学ぶこともできます。しかし実務とはかけ離れているので現場で学ばないとそれだけで開業するのは難しいでしょう。
数年では道具を使う事すらできません。働けるようになるには道具を使って作業ができるようにならないといけません。学校だけでは無理です。
アマチュアでは一生そこまで行かないでしょう。
だから趣味で楽器を作る方法を私は教えることができません。
段階としては道具が使えるようになる事が初めで、そうなったら本格的に作り方を教えることができます。道具が使えれば、指図をして仕事を任せることができます。
学校では道具の使い方を学ぶために楽器を作るという感じです。アマチュアは道具が使えないで楽器を作るわけですから不可能です。


普通の職業は就職するとその月から給料がもらえます。アルバイトなら言われた作業をすると給料がもらえます。しかし職人は道具が使えないと仕事ができません。それまでに何年もかかります。学校だけではそれすら難しいです。私も就職してすぐは給料だけでは暮らしていくことはできませんでした。当時は最低賃金が低かったのでフルタイムで働いても暮らせるだけの金額にはなりませんでした。今は同じ給料でパートタイムの雇用になっているケースが普通だそうです。他の仕事を掛け持ちしながら働くことになります。しかしEU外の人は他の仕事をするにはまた別の労働許可(就労ビザ)が必要になります。このような状況では技能が身に着かず修業期間が倍増します。暮らすために他の仕事もするのならそちらの仕事に専念しても真っ当な人生です。



今でも「無給の弟子」というのはあると思います。
親方とは雇用契約は結ばず、従業員にはなりません。
従業員ではないので給料は払う必要はありません。
仕事を手伝うことで学校の授業料を払う代わりにします。

クレモナの有名なマエストロに日本人のヴァイオリン製作学校の生徒が無償で働いて「マエストロの弟子」という肩書を手に入れます。マエストロの方は彼らに楽器を作らせて日本に輸出します。東京でイタリア製の楽器を買ったら作っていたのは日本人かもしれません。今では中国人の可能性があります。クレモナにはたくさん中国人がいるそうですがどうやって収入を得ているのかは謎です。

これも楽器を安く作るための手法です。
つまり無給の弟子に作らせるというものです。
チェロではかなりあると思います。

そういうグレーゾーンの場合もあれば、昔ながらの人情に厚い場合もあるでしょう。日本なら弟子を取って無償で教えて、食べ物をごちそうしたりお小遣いをあげたりすることで弟子の暮らしを支えます。この場合は個人的な人間関係で、親方が気に入るかどうかだけです、優秀かどうかは関係ありません。案外ダメな子ほどかわいいものです。ずっと続けられても困るので楽器が完成するまでの何年間と制限している場合もあるでしょう。これで道具が使えるようになると楽器店に就職することができて給料がもらえるようになるというわけです。
こちらでは労働組合がお金を出してくれます。しかし期限が決まっていて厳しいです。

日本の楽器店に就職するとまず楽器製作はあきらめることになります。従業員に作らせるよりも、よそで作ったものを買ってきた方が売れやすくて儲かるからです。このためヴァイオリン職人でもヴァイオリンを作っていない人の方が圧倒的多数になります。ヴァイオリン職人のほとんどは若い頃の修行時代に「ヴァイオリンを作ったことがある」という人がほとんどです。結婚などをして生活に追われると趣味などで楽器を作るなんてことはほとんど不可能です。


ヴァイオリン作りを学ぶのはこれほど大変なことなので趣味でヴァイオリンを作るよりも職人が作ったものを買った方がはるかに安いです。絶対に元は取れません。


弓については、ヴァイオリン職人として修業をしてからさらに弓職人に転向することが多いはずです。ヴァイオリン製作学校では弓職人のカリキュラムが別にあったりします。弓学校の生徒として学び直す必要があります。また弓工房や工場に就職して修行することもあるでしょう。

ヴァイオリン工房でも毛替えや修理などはやっていますので師匠に学ぶことはできます。大きな楽器店なら弓職人を雇っている場合もあります。


就職が難しいのは、個人レベルでやっている人は人は雇わないし、日本の楽器店に就職するとアフターサービス要員になるだけです。
こちらでも日本人だから難しいということではなく現地のヴァイオリン製作学校の生徒にとっても就職先は狭き門です。学校に求人が来て即就職が決まるような状況ではないそうです。私は運よく就職できましたが、決まったパターンはありません。コネが無ければ片っ端から工房を訪ねて弟子にしてくれというレベルです。ヴァイオリン製作学校の生徒のインターンというのもあります。
私が会社を辞めれば一つ枠が空くとしか言えません。

厳しい現実を知ってからがスタート


世の中には政治家の悪口を言ったり、宝くじを買ったりする人がいますが、そんなことを言っていても何も状況が好転することはありません。政府によって支援されるような産業であれば、政策が自分の職業や暮らしに直結します。弦楽器は何の支援も得られません。

すべて自分でやるしかありません。
誰もこんな事は教えてくれませんでしたが、私が20年以上やって分かってきたことです。

世の中から職人ができる仕事がどんどんなくなってきています。それでヴァイオリン職人に希望者が集中してきます。このため職人が多すぎるというわけです。
また自然志向のようなものが強い人が集まっているようです。
こちらのヴァイオリン製作学校でも生徒の半分くらいがベジタリアンやビーガンだそうです。研修などで来ると食べ物を御馳走するにも気を遣います。圧倒的に女子生徒が多いそうです。しかし独立して工房を経営している人は男性がほとんどです。

実際には森林資源を使用して自然保護に役立つような仕事ではありません。ただし、電気のような動力源を必要としない楽器ではありますし、耐用年数が長く数百年使うこともできます。
そうなるとますます新しい楽器を作ることが難しくなりますね。

少子化が進んで私の頃とは子供の数が違っていますので、様々な職業で人手不足が深刻化することでしょう。手作業の汚れるような仕事をするのはダサくて、スーツを着てオフィスで仕事をするのがオシャレだと考えられてきました。そんなドラマが多かったですね。私はそんな仕事をしたことが無いのでオフィスを見ても一日何をやってるのか全く想像もできません。

日本の社会がやって行けるように人手不足の職業にうまく人員が分配されることが良いと思います。かつてはバカにされたような職業でもいないと家も建たないし暮らしも維持できません。そのような職人の仕事もカッコいいと認められてちゃんと対価を払ってもらいたいものです。必要度の高い職業を見極めるのが重要だと思います。
私が子供の頃は景気が良く、公務員などは安月給として馬鹿にされていました。今では安定収入の特権階級だと非難されるくらいです。学生にとっても難関試験になっています。

親や先生は世代が違うためこのような現実は分かっていません。
良い大学に行けば就職できると思い込んでいます。
とにかく勉強するように言う事でしょう。

しかし具体的な職業を想定して準備する方が有利です。
この時、実現できる可能性、夢がかなわなかったときに最悪どうするかも考えないといけません。



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