今後のブログの方針について | ヴァイオリン技術者の弦楽器研究ノート

ヴァイオリン技術者の弦楽器研究ノート

クラシックの本場ヨーロッパで職人として働いている技術者の視点で弦楽器をこっそり解明していきます。

こんにちはガリッポです。

けっこう長くブログをやってきましたが、弦楽器について間違った知識が広まることについて職人の側の責任を感じて始めました。
どれくらいの人に見ていただいているのかもよくわかりません。以前はGoogleの分析ソフトを利用できましたが、いつしか使えなくなり正確な数字もわかりません。
広告はついていますが、すべてブログの運営会社の収入になるもので私は一銭も得ていません。
運営会社の指示でもありますがトラブルになっても困るので個人情報にかかわる内容は避けています。内容もきわどく快く思わない人もいるでしょう。そのため閲覧者数を増やすための「工作」は一切せずに、ハッシュタグとやらも利用していません。隠れてやりたいくらいです。
職人だからというだけではなく個人的にもITにはとんでもなく疎く、仕事は完全にアナログでコンピュータも使いませんからこのようなサービスを利用して何とかブログができているわけです。

ヴァイオリン製作について努力することは職人の本分であるわけですが、それ以外に労力や時間を費やすと努力ができなくなります。
当初は張り切って書きまくってしまいました。普通はブログなんていうのは飲食店で食べ物の写真を撮ってちょっとコメントして終わりですが、ひとつ記事を書くのに6時間くらいかかっていました。何週間も前から企画を考えて写真などを用意しないといけません。それが慣れれば楽になるかと思いましたが、2~3時間は軽くかかります。

頭でやろうと思っていることに対して実際にできることが10分の1くらいです。ヴァイオリン製作にしても作ろうとしているものが商業として成立しないレベルなのでしょう。思い描いているものを作ろうとすること自体に無理があるようです。世の中に手抜き楽器がたくさんあるのは当然のことです。自分が10人くらいいればチェロも作れて良いとは思いますが、こんな偏屈な人が集まってうまくやって行けるとも思えません。

あれをやったらどうだとか、これをやったらどうだとかアイデアを出していくのは楽しい時期かもしれません。しかし一度始めたらそれをやり続けないといけません。そうなると無理なアイデアを出したことが失敗だったということになります。このブログでも当初はヴァイオリンを分析して項目ごとに点数をつけて良し悪しを判定できるくらいに思っていました。全くの見当違いでした。

今は毎日空いている時間で楽器作りをやっています。正規の仕事としてやると手間がかかりすぎて値段が高くなりすぎてしまうので、余暇の時間で半分趣味のようにやっています。生活水準が高く労働時間が短い国では一時間当たりの単価を計算すると安くはできないのです。
日本のように便利ではない国で毎日の食事の支度だけでも仕事です。ヴァイオリン作りに用意できる時間は一日に1~2時間がせいぜいです。質問などに応えようとすれば一日の作業がまるっきり飛んでしまいます。夜寝れないと疲れがどんどん蓄積していきます。

研究については会社でそのための人員はありません。今は従業員が2人の会社でありとあらゆる仕事をしなければいけません。それでも弦楽器工房としては一人でやっているところも少なくないのでそれに比べれば業務に幅があります。他の産業なら販売、製造、開発、修理、貿易などは別の会社の仕事でさらに部署や子会社に分かれていますが、それを一人の人が全部やらないといけません。
東京の楽器店なら営業と職人は分かれていることでしょう。
その弊害も語ってきました。

そういうわけで、記事の質を落とすということを考えなければいけません。
内容も一巡すれば同じことになりますので、もうわかったと思われた方は卒業してください。
何かしら日々の仕事の中で感じたことは書いていきたいと思います。


皆さんの意見でもっと発展させるのも素晴らしいことかもしれません。
私はクイズ王みたいなタイプの人間ではなく細かな正誤には割といい加減なので、質問に答えるとなると知識があやふやなのです。調べ直したりとかになるとできる自信はありません。

即答するには勘が鈍いので相手の気持ちを読み取るのが難しいです。後で何日も経って、「そういう事だったのか」という具合です。


私は一つのことを始めるとそればかりを探求していくタイプでしょう。同じことにしか興味が無いので新しいことはそんなに出てきません。多少飽きっぽくて次々と違うことに興味が移っていけば何でも知っているという事にもなるでしょうが。
楽器製作もとても奥深いものですが、ニスだけでもそれと同じくらいかそれ以上の奥深さがあります。このため普通の産業では別の会社が製造しています。フランスの19世紀でもニスがあまりにも似ているため、ニスを作る業者から買っていたと思います。
それに弓が加わるとそれだけでもまた奥深い世界だろうとは思います。とてもじゃないけども私には手が出せません。
自分の能力を最大限に発揮するとなったときに特別弓に向いているとは思えません。

実際弓職人はヴァイオリン職人の10分の1にも満たないかもしれません。弓職人の方も情報を発信するような暇は無いのかもしれません。


長期的には考えますけども、皆さんが意見を言いたいならコメントを言い合う場にするというのもアイデアではあります。
様々な経験を持ち寄ることも面白いかもしれません。

そうなると演奏者のコミュニティになりますね。
ただネットのコメント欄なんて喧嘩になってしょうがないですよ。

しばらく考えさせてください。