あけましておめでとうございます 2022年 | ヴァイオリン技術者の弦楽器研究ノート

ヴァイオリン技術者の弦楽器研究ノート

クラシックの本場ヨーロッパで職人として働いている技術者の視点で弦楽器をこっそり解明していきます。

あけましておめでとうございます、ガリッポです。

コロナの方はまたヨーロッパで感染拡大の兆しが出ています。クリスマス休暇で集計作業も滞っているのではっきりした数字は1~2週間後にならないとわかりません。

私は去年も病気も何もなくいつものような日々です。
音楽史の勉強もどんどん脱線して行ってわけわからなくなっています。

私は何かの音楽家の熱狂的なファンになったことがありません。
クラシックの場合には作曲家が生きていないので新曲がもう出ません。残っている作品を全部聞いたら新しい体験はできません。
特に私が聞くような時代では楽譜が出版されることが少なかったので残念です。また後の時代になると作品が壮大になりすぎて作品数が多くありません。

いわゆる熱狂的なファンというのはおそらく音楽だけではなくて、ミュージシャンの人物そのものに惚れ込んでいるのでしょう。作品よりも人に興味が強いのだと思います。その点はクラシックでは人物を見ることもできません。一方で有名なクラシックの作曲家は偉人として人物像が語られてきました。それは本当なんでしょうか?
少なくとも貴族社会や上流階級での成功者です。ヨーロッパに住んでいると「社交界」というのをなんとなく感じることができます。

私は音楽であれが嫌いとかこれが嫌いとかいうのはあまりなくて、何でも聞いてみたいと思う方なんですが、あまりにもジャンルも多すぎて手を付けられないものが多いです。どんなジャンルでもファンの人たちがいて作り上げられてきたものはそれなりに魅力的だと思います。排他的にこれじゃないとダメとか、低俗だとかは思いません。

高校生の頃は図書館に通って毎週CDを2枚借りていました。いろいろなジャンルのものを聴いていました。最近もYouTube Musicを図書館のように利用しています。

それでも私があまり好きでないのは電子音です。これは私のこだわりが異常に強い所でアコースティックでないとダメです。この職業に就いた理由ですから。
だから楽器を作るにしても聞くにしてもアコースティックの楽器が持っている独特な音でないとダメです。これには趣味趣向があります。
そうなると最近の音楽の多くは難しくなります。音楽よりは音が苦手です。そうなると古い音楽しか聴けません。

貴族や上流階級の音楽も若い人には嫌われるのですが、芸術家として最高のものを作ろうと才能を発揮したのは間違いありません。ある種の心地よさがあると思います。
親や先生から強要されれば嫌でしょうが、そんなつまらない現代のことは忘れた方が良いと思います。


チェロは年末に最後のニスの層が塗り終わったところで、ひと月くらい乾かしてから演奏できるようにしましょう。またちょっと新しい試みもしてみました。どんな音になるか楽しみです。

今年はヴァイオリンも作っていきたいと思っています。
ビオラ製作の経験も生かして面白いものを作りたいと思います。


しばらく休暇をいただくので、ブログもお休みにするかもしれません。数日間休んでから考えていきます。

今年もよろしくお願いします。