病院の待合室という図書館 | 不況になると口紅が売れる

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子供にとって否が応でも行きたくないのは歯医者である。

 

しかし小学生のころ、近所の歯医者に嬉々として通っていた思い出がある。

薄汚れた建物に老婆の女医がひとり、という歯科。

何をされるかわからない器材の数々と、そしてあの独特の匂い!!

その怪奇じみた雰囲気たるや、相当なインパクトであった。

そんなところに子供が一人で行きたがったのはほかでもない。

待合室に楳図かずおの漫画本が何冊も置いてあったからだ。

「赤ん坊少女」「猫目小僧」「へび女」「笑い仮面」…。今考えてもワクワクするぜ。

もっともやたら空いていたので、1回に読める分量が少なくて残念だったが(笑)。

 

子供のころ、病院の待合室に置いてあった本が、意外な出会いにつながったという人もいるかも知れない。

「ノンタン」とか「かいけつゾロリ」なんかは、病院で読んだのが最初だったという読者も多いはずだ。

 

そもそも、ゴルフの本ばかり置いてある街医者など、絶対に信用できない。

漫画にしても「ナニワ金融道」とか、医師の偏狭な趣味を押し付けるような本を置くのはどうかと思う。(「ナニワ金融道」のファンの方、ごめんよ!)

 

不安や苦痛を緩和するために、患者さんに待ち時間をどう過ごしてもらいたいと感じているのか、それを示すのが待合室のライブラリではないか。

なぜなら患者にとって、診察時間よりも待っている時間の方が圧倒的に長いのだ。

そこへの配慮が圧倒的に足りていない、と感じるのは私だけだろうか。

 

出版社がコンソーシアムをつくり、「小児科の待合室においてほしい本・ベスト100」などをまとめて提案したらよいと思う。

あとは眼科も。普通の本じゃなくて、目に優しい本とか…。

心ある医師であれば、受け入れてくれるんじゃないかな。