非利用時の経済学 | 不況になると口紅が売れる

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 もはや「利用していないときのコスト」も含めて、商品の損得を総合的に考えるべきかと思う。

 住宅も自動車も、そのような観点から、買うか借りるかを判断すべき時代である。


 家電にしたって、使っていないときは単に場所を食うだけの存在であり、使っていないときのコストを考えると、とてつもない高額な買い物になる可能性がある。

 冷蔵庫などは、開けたときだけが仕事しているわけではないのでまだよいのだろうが、電子レンジやテレビなんぞは、使ってないときはただただ邪魔なだけである。


 これは、フローかストックか、といった単純な問題でもない。

 例えば、洗濯機や食器洗い機は、一時的な「洗い物貯蔵庫」になる。

 電源を入れないときにも、立派に道具としての役割を果たしているわけだ。

 「自動車」もそのように考えると、使ってないときはうまい具合に「物置」になるとか、そういうことも考えながら、商品開発すべきかもしれない。

 「別荘」だって、いまや全く売れないだろうが、例えば非利用時の運営を委託できるとか、そういうシステムが充実していたら、もう少しなんとかなるのではないか?

 「テレビ」だって、消したら画面が鏡になるとか、くだらないけどそんな機能があるのも、けして悪くはない。

 「トイレ」などは、非利用時の使用電力をセーブするとか、そういう機能が備わりつつある。


 つまりは、非利用時の使用価値開発が、もしかすると新たな付加価値の源となる可能性がある。

 「便利さ」というのは、どうもそうした一種の気楽さ、だらしなさを伴う性格を帯びているものだと思うのだが、どうだろう?