もの直しとものづくり | 不況になると口紅が売れる

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~遊びゴコロで、世界を救おう!~

先日、古時計を何でも直してしまう青年(確か19歳?)がテレビに登場していた。
彼の自宅はさしずめ、時計の博物館という雰囲気。
修復された時計のあの「音」を聞くと、昭和の時代の記憶が鮮明に蘇ってくる感じがした。


家の近くに、ちょっと雰囲気のいい自動車修理工場がある。
さりげなくポルシェなんかも並べ、ロゴもなかなかいい。
工場の中にも入っていって、修理工と話したくなるような気分。
技術とスポーツをかけあわせた職場、といった感じを醸し出している。


私はどうも、 「ものづくり」という言葉 が、ずーーーーっと腑に落ちない。
定義や範囲規定のいい加減さもさることながら、
「ものづくり」を口にする人たちの欺瞞を感じ取ってしまうのだ。
そしてそれ以上に、ものをこれ以上つくってどうするんだ?という疑問もある。
ものはつくるんじゃなくて、もはや直して使う時代かも知れない。
もっというと、 直す過程で付加価値をつける 、そういうサービスの時代だ。


例えば自動車は、修理工場でオリジナルのカスタマイズをする。
それで、世界にひとつだけの車を創作する。
場合によってはその車が、中古市場で高く売れる。
修理というサービスそのものがブランド化していくわけだ。
部品の供給と流通は、当然ながらインターネットを活用する。
そういうふうに市場全体を推移させていけばいい。


メーカーにとってアフターサービスや修理は、
これまで「外部不経済」という位置づけで捉えられてきた。
しかし、そういうところにこそ、いまや付加価値の源泉がある。

ともあれ、「もの」を直せる人って、かっこいい。
そこがポイントである。