商品を区分するときに「消費財と生産財」「物財とサービス財」などの軸がある。「必需品と嗜好品」といった分類軸もあるかも知れない。
これらに加えて「完成財/未完成財」という軸を新たに提唱したい。
「未完成財」とは、加工・編集・カスタマイズできる商品、広義のデザインや用途に余白があり、消費者にとって参加性のある商品、そしてパーツそのもの…などである。これらは「完成財」と同じようなビジネスモデル、マーケティングでは成立しない。消費者が自分なりに商品を完成させるトータルな仕組みを提示しなければならない。
具体的にはアセンブルやコーディネートのツールや方法、知識の提示や利用者間コミュニティづくり、コンテストなど、いわゆるアフターマーケティングが重要なポイントとなる。もちろん、単独メーカーではそれも難しいため、タイアップやコラボレーションなども必要だろう。マーケティングの主体は、メーカーではなく、流通側になってくる可能性が高い。
例えば自動車ディーラーが、特定の雑誌とタイアップし、ディーラー独自のカスタマイズモデルを市場導入する、といった方法論などはこれに近いものがある。が、こうしたビジネスモデルの追究は、これからのテーマであろう。
ただし「東急ハンズ」モノだけがその対象とは限らない。全ての商品に、実はその可能性がある。「保険」だって「電話回線」だって、それは成立しないわけではない。
未完成財のマーケティングを展開することによって、アフターマーケットにおける新たな市場創造が可能になるだけでなく、商品に対する関与性を高め、消費者参加型の枠組みが成立してくる。
昨今の、いわゆるWeb2.0とかいう議論がそもそも気に入らないのは、商品や企業プロセスへの参加の仕組みを考えずに、ネットコミュニティレベルへの参加でお茶を濁そうという姿勢が見えるからである。これは、市民が政治に参加するのは「投票」すればそれでいい、という姿勢と同じであって、政策の中身自体はお前ら考えなくていいから、と言っているようなものである。
参加させるなら、もっと内側に引きずり込んで、それでいてプロの技を見せつけるぐらいでなければ意味がない。