実に33年ぶりの全国ツアー。先日の土曜日、出不精の自分が日本武道館まで足を運んだのは、竹内まりやの生の歌を聞きたかったからだ。彼女のコンサートに行くのはこれが初めて。2、3年前までは全く興味がなかったが、ここにきてCDを集めるようになってしまった。出雲市で講演をやり、彼女の実家である竹野屋に泊まったのがきっかけだったが、それも旅館の目の前にある出雲大社に参拝したかっただけだ。人の縁はわからない
その日は、音楽を聞きに行ったつもりだったが、思ってもみないことを教えられた。もちろん歌も素晴らしかったが、それ以上に同じ価値観をもつ仲間がそこにいた。彼女はバンドのメンバーを演奏の合間に一人一人紹介していく。
松たか子の旦那でもあるギターの佐橋佳幸とはもう17年のつきあいだというし、ベースの伊藤広規やピアノの難波弘之ももう十年来の仲間。その一方でサックスの宮里陽太は、バンドのリーダーである山下達郎が17人目のオーディションで見つけてきた若き逸材。二人の女性バックボーカルを含め10名のメンバーは個性も役割も違うが、すべて同じミュージシャンの匂いがした。こんなすごいメンバーがいて、その音の後押しがあるから安心して歌えると彼女は言っていた。
チームということについて考えさせられた。
手にする楽器も役割も違うが、それが混ざり合って素晴らしい音楽が生まれる。個性や感性も違うから音に広がりや深みが出る。これは自分のような産業支援の世界にも当てはまるのではないかと・・・。経営戦略、マーケティング、財務、デザイン、ITなどそれぞれの専門分野は違えど、チームが一丸となって企業の支援に当たる。それが経営者の心を動かし、素晴らしい結果につながるのだと思う。
竹内まりやは同じ価値観をもつ仲間と一緒に生きてこられて幸せなんだなあ。それこそ、人生の喜びのすべてとも言えないか? そして還暦を前に体力のいる全国ツアーに自分を駆り立てたのは、いつもCDを買って自分を応援してくれるファンの皆さんに直接会って一言お礼がしたかったからだと語った。
ビートルズに出会った最後の世代の音楽は、自分にはやっぱり大人の匂いがした。二回のアンコールの最後にピアノの弾き語りをした「命の歌」には、彼女がこの場所まで歩いてきたそのすべてが詰まっていた。ここにいてよかったと思えた瞬間だった。
