極上の厄災 ◇4 | 有限実践組-skipbeat-

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 弊宅閲覧者数・延べ50万人様を記念して、GREEN23様からお与かり致しました原作沿い記念リクエストの続きをお届けです。


 前話こちら⇒極上の厄災<13>


■ 極上の厄災 ◇4 ■





 それから数日後の朝7時過ぎ。

 予定通りの時刻に目覚めた俺は、リビングでテレビをつけた。


『 ……ってことで、偶然再会したその彼が、応援するねって言ってチューしてくれたんですってぇぇぇ!! 』



 インスタグラムに投稿されていた俺とキョーコちゃんの写真の前で、女性アナウンサーが興奮気味に語っている。

 同スタジオにいた別の女性もその意見に賛同してくれていて、そんな朝の番組を見ながら俺は素直に顔を綻ばせた。



『 いや~~~ん!!身悶えちゃいますね!マンガみたいですよね。幼少期に少しの間だけ一緒に過ごした外国人の男の子と異国の地で再会しちゃうなんて、運命感じちゃいます~~!! 』


『 しかも!イケメンに成長しているんですよ、その彼!!胸キュンポイントありまくりじゃないですか!? 』


『 おいおい、ちょっと待て。何を興奮しているんだ 』


『 そうだぞ。この写真では男性の顔は見えないんだから 』


『 何言ってるんですか、朝だからって寝ぼけているんですか?顔なんて見えなくてもオーラで判るじゃないですか!ねっ?! 』


『 そうですよ!こんな見事な金髪の男性なんですよ?イケメンに決まっているじゃないですか! 』


『 決まってる?…なんてメチャクチャな理論を展開するんだ、女性陣は… 』


『『『 いいんです!!イイ男にはそういう法則があるんです!彼は間違いなくイケメンです!!! 』』』



 たまらず口元を抑える。それでも笑いはこみ上げてきて、正直、朝から幸せいっぱいになった。



「 …これ、出来ることならずっと見ていたいニュースだよな 」


 とはいえ30分後には社さんが迎えに来る。

 今日も仕事に行かないと…と、俺は身支度を始めた。






「 よ、蓮、おはよ 」


「 おはようございます、社さん 」


「 お前、今朝のニュース見たか? 」


「 見ました。今朝も実に清々しいニュースでしたね 」


「 ……でもあれ、本当に大丈夫だと思うか?いや、世間的にはあれが最良だと思ったけど、もしキョーコちゃんの言う彼がこれに気付いて抗議してきたら…って考えるだけで俺は冷や汗もんなんだけど 」


「 心配しすぎですよ、社さん。仮にもしそうなったとしても発案者の社長が何とかしてくれるでしょうから気にしない方がいいですよ 」


「 ……そりゃそうかもだけど~~~~~ 」






 あの社長室の一件で決まった方向は、このキスを美談にしてしまおう…だった。



 シナリオはこうだ。


 カインドードリンコのCMでデビューした後、最上さんはダークムーンの美緒役を経て、BOX”R”のナツ役でも随分と頑張った。


 そのご褒美として、社長が一つの仕事を彼女に依頼。


 内容は、LMEプロダクションが常日頃からお世話になっている人の元へお礼の品を届けるという名目で、春休みの最上さんに4日間のグアム行きを命じたとするもの。



 届け物をするだけなら彼女じゃなくても出来る訳で、どころか荷物なんて発送したって特に誰も困らないはず。

 つまり仕事というのはあくまでも口実で、4日間のグアム旅行が彼女へのご褒美というわけ。



 出かけた先で最上さんは、子供の頃に出会っていた、もう二度と会えないと思っていた外国人の彼との再会を偶然にもご褒美の地であるグアムで果たした。



 彼に何故ここにいるのかと問われ


 役者をメインに芸能人というくくりの中で仕事を頑張ったご褒美としてグアムに来られたことを説明すると、事情を理解した彼は西洋人らしい方法で約束をくれたのだ。



「 役者?!それは凄いね、キョーコちゃんは女優になるんだね!

 だったら俺はそれを応援するよ。俺は君の熱烈なファンになる!キョーコちゃんの活躍を心から応援すると約束するよ!…チュ… 」



 …という具合。





 もちろん、このシナリオの最初から最後までを社長が全面プロデュース。

 純情乙女の最上さんに、社長はこれでもかと念を押した。



「 いいか、最上くん。これで重要なのはいやらしい感じを一切排除することだ。甘酸っぱくもほのぼのした気分を全面に押し出すことが肝要なのだ!

 決して忘れることが出来なかった彼との偶然の再会。そして至ったファーストキス。それらすべてを尊いものとして夢見るように君が語る必要がある。女優を目指しているならそれぐらい、簡単にできるな? 」


「 はい、もちろんです!コーンに関する想いは全て本当の事ですから少しも難しくありません。

 それに、私はコーンの事を一度も忘れた事は無かったですし、どんな時も彼を心のよりどころにしていました。ファーストキスも……嬉しかったんです。だから誰にでも胸を張れます 」



 はにかみながらもまっすぐ社長を見てそう言い切った最上さんがとにかく愛おしく感じて…。

 何度抱きしめたい衝動に駆られたことだろう。




 そのたびに俺は社長の視線を感じて

 無表情を決め込んでいた。




「 社長… 」


「 なんだ、社 」


「 それで本当に大丈夫でしょうか。相手の都合を一切考慮せずにこちらが一方的に内容を決めてしまって本当に良いんでしょうか?事実と違うと、もし彼が言って来たら… 」


「 心配は要らん! 」


「 要らんって… 」


「 最上くんの話によると、その妖精王子は既に妖精国に帰っているのだろう。だとしたらもう人間界にはおらん。なぁ、最上くん、そうだろう? 」


「 社長!!それ、本気で言ってるんですか!! 」


「 本気だ 」


「 社さん、大丈夫です。社長さんの言う通り、コーンはもう自分の世界に帰っていますし、人間界の仕組みも良く判っているんです。もしコーンがまた人間界に来た時、この話をしたら彼は絶対、俺の正体をバラさないでいてくれてありがとうって、そう言ってくれると思います。コーンはそういう王子様なんです 」


「 ……くっ…だ、そうだ。なぁ、蓮。お前はどう思う? 」


「 最上さんがそう言うのならそうなのでしょう。最上さんの言う通り、きっとその彼はもう妖精界に戻っていると思いますよ、社さん 」


「 蓮、お前まで何言ってるんだよぉぉぉ!! 」




 ……で、話がまとまったこの数時間後

 未成年の最上さんに変わってLME芸能プロダクションが公式にコメントを発表。


 その内容をしたためたファックスを各メディアに送付した。



 もちろんその日は社さんが一日最上さんに付いて回り

 いくつかの突撃取材だけを受けた事を俺は後で教えてもらった。





「 京子さん、ファックスの内容は事実なんですか? 」


「 はい、もちろん事実です。彼とは子供の頃に少しのあいだ一緒に過ごしただけで、でも忘れた事は一度も無かったんです。自分の生まれた国に帰るって言われた時はもう二度と会えないよって言われていたから、再会できたことが本当に嬉しかったんです!!

 最高に嬉しいご褒美になりました。社長さん、本当にありがとうございました!! 」



 録画したこれをここ数日間で何度再生したか知れない。

 それぐらい俺は嬉しかった。




 けれど、一つも懸念が無かった、といえば嘘になる。



 この世でたった一人だけ、これに異を唱える男がいることを俺は知っていたのだ。



 社長には動くなと言われていたけど、これだけは俺でなければ対処できない。

 そう申し出て、社長にはきちんと了承を貰った。




「 社さん、お願いがあるんですけど 」


「 うん? 」


「 百瀬さんと大原さんがいまどこで仕事をしているのか、それを調べておいて欲しいんです。なるべく早く 」


「 ……ダークムーンで共演した?なんでだよ 」




 それは


 未来の俺とあの子のため。




 だってアイツはこれを知って

 確実に憤慨しているに違いないから。




「 妖精王子とあの子のファーストキスを本物にするためです。ぜひご協力ください 」




 にっこり笑った俺を見ながら、素っ頓狂な顔で、『 はぁっ?! 』と言った社さんのそれが、なんだか無性に面白かった。






 ⇒極上の厄災5 に続く


芸能事務所の社長が、所属している芸能人にご褒美をあげる…という内容は、プリプリのダイヤモンドが頭に浮かんで決めました。


え?プリプリってご存知ですよね?この方たちが歌ったDiamondが大ヒットしたご褒美にって、事務所の社長さんが全員にダイヤのネックレスをプレゼントしたんですよー♡


いいお話。あー、すごく懐かしい(〃∇〃)



⇒極上の厄災◇4・拍手

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