いつもありがとうございます。一葉です。
弊宅閲覧者数・延べ50万人様を記念して、GREEN23様からお与かり致しました原作沿い記念リクエストの続きをお届けです。
前話こちら⇒極上の厄災1
■ 極上の厄災 ◇2 ■
常とは比較にならないスピードで社長室に辿り着き、ノックの間さえ惜しんで返事を待たずに入室した。
社長はベッドに寝そべるかの如くソファに腰を下ろしていて、緩慢に俺へ視線を向けると目を細めながらわざとらしくタバコの煙をくゆらせた。
ニヤリ…と片側の口角だけを持ち上げ、まったく危機感の無い呼びかけが見事に俺のカンに障った。
「 来ーたーなー、蓮 」
「 来ましたよ!それよりどういう事ですか?話が違うじゃないですか。最上さんのキス写真が出回っているってどういうことですか!? 」
「 それは俺が聞きてぇよ。ま、座れ 」
「 何のんきに構えているんですか、あなたは! 」
「 俺が焦った所で現状は変わるまい。んなことよりな、俺としてはまずお前に確認してーことがある 」
「 俺が何だって言うんです?! 」
「 まだひと月も経っていねぇんだ。スパッと答えられんだろ。4月4日のグアムだ。現地時間19時23分頃、お前はどこで何をしていた? 」
「 !!?? 」
「 本来なら既にテンと会っていた時間のはずだな 」
「 ………っ 」
その時間は
グアムに新しく出来た最上階のバーのテラスで……
――――――― キョーコちゃん
俺、生まれてきて良かった ―――――――
「 どう…して、そんなことを…… 」
「 一応、確認だ。カイン・ヒールに化けたとき、自分からホイホイ自白したみてぇに、グアムでもお前が最上くんに自分の正体をバラしたんじゃねぇかと思ってな 」
「 する訳ないじゃないですか 」
「 どうだかな 」
社長の合図で運ばれてきたのはタブレットPCだった。
それがテーブルに置かれて、いぶかしみながら画面を見る。
瞬間、俺は息を飲んだ。
「 ……っっ!!! 」
「 どうやら間違いなさそうだな。この金髪はお前だな? 」
「 ……っっ…… 」
「 蓮。お前、何してくれちゃっているんだ。苦労して仕事を終えて来たんじゃねぇのか、俳優X。
何が、いざという時の心配事に久遠の関係が含まれているのなら杞憂です、だ。お前、分かってんのか?
お前が久遠だとバレるのもマズければ、カインヒールがお前だとバレるのもマズい。それに加えてカインの妹、雪花の正体がバレるのもヤバいって理解してるか?どこから紐解かれるか判らんのだぞ 」
「 ……判っています 」
「 ならいいがな。最も、これが不可抗力以外の何物でもないことは俺も判っているつもりだ。そこでもう一度確認する。お前、まさか最上くんに… 」
「 言ってません。あの子には何も…… 」
「 信用していいな? 」
「 信じてください 」
「 良かろう。ではこの件に関しては最上くん次第ということになる。最上くんの意向を確認してからこちらで対応を考える 」
「 最上さんの? 」
「 そういうこった。念のために言っておく。お前は何もするなよ? 」
「 ……分かってます。それより社長、この写真は一体どこから… 」
「 ああ、その写真を見つけたのは実はマリアだ。ハッシュタグから辿り着いたらしい 」
「 ハッシュタグ? 」
「 ああ 」
言われて見れば写真はインスタグラムに投稿されたもののようだった。更によく見るといくつかのハッシュタグが付いている。
#良き日の思い出、#素敵なカップル、#プレゼント
そして、#京子ハテナ……と。
「 最上くんは泥中の蓮で紅葉役を獲得したばかりだ。しかも異例のキャスティングだったことで、一部で報道もされている。それで誰かが気づいたのかもしれん。侮れんのは、京子のハッシュタグが付いてからの拡散が凄まじかったということだ。最も、そのおかげでマリアが見つけることが出来たんだが 」
「 ……ああ、なるほど 」
それで
タレントセクションがいつもとは違う活気に覆いつくされていたのか。
「 ………っ… 」
途端に俺は不安になった。
むろん、自分の事などではなく
心配なのはあの子のこと
「 これ、最上さんの映画関係者は…… 」
「 事務所としてはまだ何も動いとらん。当然だろう。何しろこちらが最初にしなければならんのは最上くんに真実を確認することだからな。だが俺としてはその前にお前に確認しておきたかった。そのためにお前を呼び出した。そういうこった 」
「 真実…… 」
つまり、最上さんがこれを否定したら
事務所としては全面否定をする、ということか。
もちろん、その方がいいんだろう。
けれどあの子がグアムに渡ったのは事実で
ではなぜグアムに行ったのかを誰かに問われたとき
あの子は一体どう答えればいいというのか……。
「 旦那様。最上様がご到着になったと連絡が来ました 」
「 来たか!よし、大至急呼んでくれ。椹と、それから社もな 」
「 かしこまりました 」
「 俺は…… 」
「 もちろんここに居ろ。だいいち、気になんだろーが?最上くんがお前とのこのチュー写真を見てどんな反応をするのか、俺たちにどう答えるのか 」
ニッタァァァ…と、ピエロお面より派手な笑顔を浮かべた社長から、俺は速攻視線を反らした。
⇒極上の厄災3 に続く
35巻の~不意打ちチューの写真が、インスタグラムに載ってたんですってぇぇぇ♡(〃∇〃) 素敵萌え♡
⇒極上の厄災◇2・拍手
Please do not redistribute without my permission.無断転載禁止
◇有限実践組・主要リンク◇