いつも有難うございます。一葉です♡(*⌒∇⌒*)
リクエスト頂きました2017年キョコ誕、前編をお届け致します!!
タイトルがなかなか思いつかなくてどうしてくれようかと思いました(笑)
原作沿い両片想い蓮キョです。
お楽しみいただけましたら幸いです。(ж>▽<)y ☆
2017年キョコ誕前話はこちらです↓
2017年キョコ誕おめでとう・最終話・前編
■ きずな結び ◇前編 ■
「 なぁにぃぃ??24、25とクリスマス・パーティをして欲しいだぁ?しかも自社ビルでか 」
蓮からの電話を受けたとき、コイツは俺を巻き添えに一体なにを企んでやがるんだ…とひどい胡散臭さを覚えた。
「 はい。お願いできませんか、社長 」
「 なんでだ?まさかお前、理由も語らず都合よく俺を動かそうって腹じゃねぇだろうな? 」
12月24日、クリスマス・イブ。
プロのピアニストだった俺の娘はその聖なる日に娘を産み、そしてその数年後、愛娘の誕生日を祝うために搭乗した飛行機での事故により二度と帰らぬ旅人となった。
以降、母を失った孫娘の影響で、俺はLMEでもクリスマスにパーティそのものをしたことは無く、だがそれも最上君のおかげで過去の遺物となり果てた。
蓮もそれを承知している。
そのクリスマスにパーティをして欲しいと願い出る以上、蓮の目的は最上君に関することに違いないと思った。
なぜなら最上君の誕生日はクリスマス当日なのだから。
「 俺がお願いしたところで動く腹ですか。それに、そんなこと少しも思っていませんよ。
社長。パーティは別にクリスマスという名目でなくても構わないんです。ただ、人を惹きつけるものであれば何でも… 」
「 んだそりゃ。どういうことだ? 」
「 実はいま俺が考えているのは…… 」
「 おう、なんだ? 」
その蓮からの申し出を俺が快く受け入れる気になったのは、耳を傾けたそれがなかなかいい話じゃねぇかと思ったから。
クリスマスとは、本来キリストの降誕を祝う祭りだ。
この世に誕生した聖なる命を祝うためのそれなのだ。
蓮が俺に話した、蓮の考えたそれはきっと最上君の為になる。
俺の中でそう確信できるものだった。
「 ……なんだ、蓮。お前もちょっとはマシな男になってきたな 」
ただ純粋に好きな子のことを想い、どうしたら喜んでもらえるかを懸命に考え、そして実行しようとしている蓮の純情に、自称愛の使者としては協力してやろうじゃねぇかという気になったのだ。
「 それは、褒め言葉でしょうか? 」
「 バカ。本気で褒めてんだ。……判った、パーティな。急ごしらえ感は否めねぇが、快くやってやろうじゃねぇか 」
そして俺が蓮のそれを活かすべく最上君を捕まえたのは、彼女が冬休みに入る直前。
最上君が制服姿でラブミー部室に入ろうとしていた時だった。
「 え? クリスマス忘年会…をするんですか?LMEで? 」
「 ああ、そうだ。俺が主催して皆を楽しませようと思う。急な話だがな 」
最上君が俺の言葉に少々驚いた風だったのは、クリスマスという言葉を使ったせいかもしれない。
マリアの影響で名称そのものを使うことが難しかったそれが難なく使えるようになったのは、他ならぬ最上君のおかげだ。
その意味を察したのだろう。
最上君は少しだけ嬉しそうに目を細めると、そうなんですか…と短く答えた。
「 ま、本当に急な思い付きだから大したことは出来んのだが。しかしマグロの解体ショーはなかなか見所があると思うし、ステージも用意する。
ステージは所属している奴らが勝手に盛り上げてくれるだろうと踏んでいるが、君も何かやりないなら遠慮はいらんぞ? 」
「 めっ、滅相もありません!!私なんて…。でも……ふふふ。それだけでも十分大した事だと思いますけど 」
「 そうか?それと、一部忙しくて買い物が出来ない社員のためにアメ横もどき買い物横丁なんかも手配してある。そしてフリータイムの食べ放題、飲み放題。
どうだ?少しは楽しそうだろう? 」
「 はい!すごく楽しそうです! 」
クリスマス忘年会は午後3時から始めて25時ぐらいまでを予定している…と俺が言うと、最上君は素っ頓狂なびっくり顔を浮かべた。
「 ええっ?3時からですか?すごい長丁場なんですね 」
「 それな。余り遅い時間のスタートだと子供が小さい家庭の母親なんぞは特に参加しにくいだろう。それを考慮して早い時間からにしたのだ。自分の都合に合わせて自由に参加できるようにな 」
「 なるほど、判りました!…で、私は何をすればいいですか? 」
「 ………ん? 」
そう言って俺の前でかしこまった最上君を見て、俺は無理もない流れかもしれん…と思った。
俺が彼女にこの話をしたのは、ラブミー部員にして欲しいことがあるからだと最上君は受け止めたのだろう。
今回、俺が主催をする訳だから彼女はもちろん招待される側という事になるのだが。
蓮がやろうとしている事を実現するためには最上君本人が居ないと話にならん。
そして蓮と顔を合わせさえすれば最上君もさっさと帰る様な真似はしないだろう。
何しろ二人は互いに盛大な両片想いの真っ最中なのだ。加えて最上君が帰ろうとしたところで蓮が何とかするだろうから、俺の役目は二人を引き合わせることだけなのだ。
「 ……そうだな。最上君は何時頃に来れそうだ? 」
「 私は何時からでも居られます!なにしろ24日は冬休みでもう学校もありませんしね 」
最上君は力強く自分の胸をグーで叩いた。それを見て全くこの子は…と思った。
自分の誕生日が来ようとしているのに自分が主役になる気がこの子にはまるでないらしい。それが、最上君らしさだと言ってしまえばそれまでだが。
「 ほほぅ。なるほどそうか。しかしいくら俺でもそんな長時間労働をさせる気はない。…ということで、君は9時過ぎに来ればいい。そのあたりならちょうど蓮も顔を出す頃合いだろうからな。
惚れた男だ。もちろん逢いたいだろう? 」
「 なっ!!! 」
瞬間、発火したように顔を真っ赤にした最上君が物凄い勢いで辺りを見回す。
それを見て俺はニンマリと目を細めた。
周囲に誰もいなかったことを確認して恐らくは安堵を覚えたのだろう。ホッと溜息をついた最上君はしかし今度は両拳を強く握り、肩を怒らせながら力強く俺を睨み上げた。
いや、本当に判り易い。
言葉にせずともいま全身で俺に文句を言っているのが分かる。
それゆえに未だに不思議なのだ。
なぜこの俺がこの子の恋心に少しも気付けなかったのかが。
「 んん~?どうした、最上君 」
「 …っ!!!いっ……言わないって言ったくせに… 」
「 うーん?なんだ?良く聞こえんぞ? 」
「 だっ…誰にも言わないって仰ったじゃないですか!! 」
「 あーん?何を言っとる。んなこと言っとらんぞ、俺は 」
「 嘘つかないで下さい!!前、社長室で… 」
「 いいや、嘘じゃない。そのとき俺は君にこう言っただろう。
蓮に、君の気持ちを教えてやったりしないと 」
「 …っ!!!…ってことは、アレですか?!敦賀さん以外には言うってことですか?そんなの詐欺じゃないですか!!! 」
「 詐欺……くっ… 」
涙目になった最上君はそれこそ必至の形相だったが、俺は笑うにとどめた。
元々誰にも言うつもりなど無いのだ。誰もいないと知っていたからこそ口にしたまで。
そう。これは単なる意趣返し。
この俺におくびも気付かせなかった恋心を、人知れず育てることに決めた未来の大女優たる最上君に向けて、少々意地の悪いそれを浴びせただけなのだ。
多少の念晴らしの意味も込め…。
「 笑わないで下さい!! 私は真剣なんですから! 」
これが笑わずにいられるか。
お前達は本当に面白い。
「 最上君 」
「 なんでしょうかっ!! 」
「 24日な、もう少し早い時間に来てもいい。来たら必ず俺に声をかけること。いいな? 」
「 ……はい。分かりました 」
蓮が俺に話したそれを俺が目撃することは出来ないが
話を聞いただけでその光景はまるで目に浮かぶようだった。
そうだな。
だから俺はそれに少しの演出を加えてやろうと思う。
最上君は化粧で雰囲気を変える子だが、その日だけは最上君であることに意味がある。
だから、テンには年相応のメイクをするように、と指示を出そう。そして少女らしいドレスを着せてやろうじゃないか。
それでも蓮は目を瞠るだろう。
どんな姿をしていた所で愛しい想いに違いなど無いと、きっと思い知るだろう。
時間いっぱいまで最上君のそばを離れようとしない蓮の姿が脳裏を過ぎる。そして25日の0時が来る少し前。
蓮は最上君の耳元に近づき、彼女を喜ばせるべく魔法の呪文を囁きかけるに違いない。
その文句などが分からずとも、蓮がやろうとしていることぐらいは俺にだって手に取るように想像できる。
蓮はきっとこう言うだろう。
最上さん。
俺の手を取り目を閉じて……と。
蓮の指示を受けて素直に瞼を伏せた最上君は、ナイトに導かれて幸運の階段を踏みしめる。
一歩…、一歩…
進むごとに彼女の胸に去来するのはいったいどんな感情だろうか。
「 最上君 」
「 はい 」
「 絶対だぞ 」
「 ……はい。分かりました 」
「 じゃあよろしく頼む 」
いい。その時の感情がどんなものであろうと。
導かれた場所でこの子はきっと驚くに違いない。
それが、蓮が用意した今年の君へのプレゼントなのだ。
「 ……なかなか良い話じゃねぇか、蓮… 」
クリスマスは降誕を祝う日。
それであればこそ、せめて…と思う。
蓮が準備を進めた最上君へのサプライズが
ただ見事に成功することのみを今年は――――――――
俺もまた、本心から願っている。
⇒後編に続く
後編、25日に間に合わなくてもどうかお付き合い下さい…。間に合いそうもないんです…。残念なことに。
⇒2017年キョコ誕③・きずな結び◇前編・拍手
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