危機耐性の確保と上下水道の復旧の重要性 | 新見一郎

新見一郎

勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

令和6年能登半島地震が発生しました。

甚大な被害です。

1月14日現在、約5万5千世帯の方々が断水しています。

昨今、豪雨災害がクローズアップされていますが、こうした震災被害を目の当たりすると、地震の恐怖を再認識させられます。

 

1月15日のニュースによると、岸田総理大臣は、水道の復旧期間が長期化する可能性があるため、他都市への二次避難を呼びかけていました。

このことは、一部地域の浄水施設において、導水管折損、浄水処理装置の被害、停電の三重苦が発生していることが想定されます。

導水管については、管材料を確保できれば、比較的早期復旧が可能です。

しかしながら、総理大臣が水道の復旧に長期間が必要になることに言及しているわけです。
このことは、ろ過水渠や膜ろ過装置、受変電設備等、相応の製作期間が必要な装置において被害が発生していることが推測されます。

こうした災害が発生すると、危機耐性の観点から、浄水場系統を連絡する相互連絡管の整備の重要性を再認識させられます。

 

また、被災地では、ペットボトルが配布されており、飲料水は確保されているようです。

ただし、トイレや風呂は使用できない状況です。

つまり、水道の復旧の第一目的は、トイレと風呂の再開になるわけです。

ただし、水道が復旧したとしても、下水道が復旧しなければ、トイレも風呂も使用することができません。

なぜなら、下水道が復旧しなければ、トイレと風呂から排出された汚水が、街中に溢れることになるからです。

液状化によりマンホールが浮上している状況下では、ヒューム管は損壊しています。

道路が隆起しているのであれば、ヒューム管は亀裂が発生している可能性が高いです。

つまり、能登半島では、水道だけではなく下水道でも被害が発生しているわけです。

下水道の被害については、報道でクローズアップされていませんが、水道の修理と並行して下水道の修理を行うことが、早期断水解消、早期復興に繋がることを再認識する必要があります。