物事には背景がある | 技術士を目指す人の会

技術士を目指す人の会

勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

●コローから印象派へ

ひろしま美術館に行ってきました。


『風景画のはじまり コローから印象派へ』を観てきました。


フランス、ランス美術館のコレクションの一部を借りてきたらしく、コローだけではなく、ブータン、クールべ、モネいろいろな画家の作品が展示されていました。

いろいろな画家の作品を見れるので、コレクション展はいいですよね。



●物事には背景がある

チューブ式の絵の具が開発され、比較的簡単に、外で油絵を描くことができるようになったおかげで、風景画の作品が増えたのだそうです。

その後、写実的な風景画から、抽象化された風景画にシフトするようになり、印象派が誕生します。

何事は背景があるわけです。

なるほどですね。



●ベルナール・ブュフェ作品

ひろしま美術館、常設展は撮影可能です。

大好きなベルナール・ブュフェのさんの作品です。

黒と赤とグリーンがポップです。

ベルナール・ブュフェ作品のポストカードは販売されていませんでした。

残念でした。

ただ、この作品を見た時の第一印象は、サスペンス小説の挿絵みたいなだなぁっ感じでした。

ちょっと怖い感じがするわけです。

部屋に飾る作品としては不向きかもしれません。

 


●誇るべき栄光の一手を捨てる

『一日一話読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』を読みました。

 

 

 

この本のなかで、僕が気に入った話を紹介したいと思います。

今回、ご紹介するのは、棋士の米長邦雄さんの話です。

 

棋士と言えば、藤井聡太さん、羽生善治さんを思い出します。

この方々は、若くして名人のタイトルをとりました。

一方、米長さんが名人のタイトルをとったのは、50歳の時です。

一般に、プロ棋士の20代~30代でタイトルを取ったら、その後は、成長が止まるのだそうです。

記憶力、体力は、40代を過ぎると、急激におちるからです。

そんななか、米長さんは50代でキャリアハイを迎えたわけです。

なぜ、それが可能になったのか?

 

棋士には、自分なりの定石があります。

多くの場合、それは自分が生み出した新手であったり、必勝パターンだったりするのだそうです。

ところが、その手というのは、当時はどんなに斬新なものであったとしても、すぐに研究しつくされてしまいます。

つまり、必勝パターンというのは、数年後には、その対策が知れ渡り、通用しなくなるわけです。

すごい世界ですね。

 

米長さんは、若い棋士を集めて研究会を開催しているそうです。

そこで、自分も将棋をさすわけです。

若手が見ているなか、勝負どころで、必勝パターンの得意の一手をさします。

それを見た若手に、こう言われたそうです。

「先生、10年前はいい手でしたが、いまはその手は通用しません。

この局面では、この手でないとダメです。」

ハッキリと言われたそうです。

大先輩としては、普通、イラっとしますよね。

 

でも、米長さんは、違います。

最近勝てなくなっているのは、体力や思考力が落ちたからだと思っていました。

でも、そうではないと気がつきます。

自分では、必殺の一手だと思っていたものが、すでに通用しなくなっていたわけです。

 

誇るべき栄光が、自らの成長を足止めしていたことを悟ります。

 

ここからが、米長さんのすごいところです。

これまでの栄光を白紙に戻して、将棋と向き合います。

プロ棋士はベテランになると、実際の対局で実績を積みます。

当然、稼ぎもありますからね。

米長さんは、成長することを選択して、若手棋士と同様、研究に時間を割くことにしました。

一日に6、7時間、みっちりと勉強したそうです。

その結果、40代から50代に実力アップして、ついには、名人タイトルを手にするわけです。

すごいですね。

 

この本には、若い人と付き合う三原則というものが紹介されています。

①いばらない、②説教をしない、③勘定を払う、という3つです。

どこの世界でも、中高年の中には、いばる人、説教をする人がいるのでしょうね。

さらに、先輩面するのに、金払いの悪い人がいるのでしょうね。

これは、反面教師です。こうなったら嫌われちゃいますよってことが、原則化されているわけです。

米長さんは、こうした三原則を守りつつ、さらに、歳をとっても謙虚であれと言っているのだと思います。

謙虚になって、若い人たちの話を聞いて、自らの経験について慢心せず、若い人たちのアイデアや見識から何かを学びとるべきです。

そうすれば、中高年になっても、成長できるというわけですね。

 

 

●美術館シリーズ

これを見たい方は、こちら をクリックしてください。

 

●勉強本作家シリーズ

これを見たい方は、こちら をクリックしてください。

 

●ビジネス本シリーズ

人は話し方が9割」 を見たい方は、こちら をクリックしてください。

(このサイトから従前アップしたものを遡って閲覧できます)