勉強本を紹介「勉強の哲学」:199冊目/200冊 | 技術士を目指す人の会

技術士を目指す人の会

勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

本日ご紹介する本はこちら。

「勉強の哲学

 

 ★ちょっとした感想

●環境は目的によって形成される

一人で持ち上げることができない物も、大勢でやれば持ち上げることができます。一人では危険を察知できなくても、大勢の目で監視すれば危険を察知できます。

集団で居る方が、メリットがあるわけです。

つまり、僕らが集団を形成するのは、目的があるからなんです。

家族、親戚、地域、学校、会社、こうした社会環境は、目的があるから出来上がったわけです。

だから、その社会環境に生まれた時点で、その言語に含まれる価値観だとか、道徳観だとか、その環境を成立させる目的に沿うような思考を刷り込まれるわけです。

 

作者は、こうした環境のことを「ノリ」と言っています。

僕らは言語を操るようになった時点で、何らかの「ノリ」に沿って生きています。

つまり、僕らは、知らぬ間に「ノリ」に縛られて生きているわけです。

 

 

●勉強とは何か

この本では、勉強を次のように定義しています。

勉強とは、別のノリへの引っ越し

 

先程説明したとおり、「ノリ」とは、環境のことですね。

勉強は、新しい知恵を身につけるためにするわけですから、知識なり、経験を積み重ねるわけです。このことは、これまでとは別の考え方、価値観を身につけることを意味します。

 

だから、勉強をした結果、これまでとは「ノリ」が変わってしまいます。そうなると、「ノリ」に含まれる人間関係までも変わってしまいます。

 

歳を重ねる中で、僕らは、仕事の経験をつみます。

仕事だって、一種の勉強です。

勉強をすればするほどに、「ノリ」が変わってしまうわけですから、歳を重ねるに従って、「ノリ」が変わります。

前の「ノリ」では生きていけなくなるわけですね。

 

●勉強の目的は自由になること

そして、作者はこう言っています。

勉強の目的は 自由になること である。

 

では、どうやて自由になるのか。

これまで「ノリ」について話をしてきましたが、「ノリ」を作っているのは、言語です。家族、親戚、地域、学校、会社、こうした社会環境は、言語によって作り出されます。作者曰く、僕らは、言語によって構築された現実を生きています。

だから、こうした「ノリ」から自由になるためには、言語の呪縛から自由になる必要があります。そして、これを実現することが、勉強の目的です。

つまり、勉強とは、言語の自由度をあげることを意味します。

 

●言語の自由度を上げるためのアイロニーとユーモア

言語の自由度を上げるためには、まずは、アイロニー、次に、ユーモアを実践することが有効なのだそうです。

 

アイロニーとは、「疑って批判する」ことなのだそうです。常識であるとか、誰かの主張であるとかを、批判的に見て、異なる意見を考えることです。

次に、ユーモアとは、常識であるとか、誰かの主張を批判せず、それを受けとめた上で、見方を変えることなのだそうです。

 

哲学の世界では、古来より、前世代の哲学者が主張してきた真理を、現世代の学者が懐疑的に考え、新しい考え方を見出していきました。

同時に、真理を語るための言葉を創出してきました。言葉を突き詰めていく、これがアイロニーです。

ただし、アイロニーだけを続けるとキリがありません。真理の探究はどこまでやっても結論がでません。まとまりがない状態に陥ります。

 

そこで、登場するのがユーモアです。

過去の哲学的に考えに賛同した上で、近代風にアレンジしたり、自分なりに言葉を変えてみたりするんです。言葉を変えていく、これがユーモアです。

それからは、哲学的な考え方を、宗教的な考え方や生物学的な考え方でまとめたりする、つまり、新しい言葉を取り込んでいくわけなので、これもユーモアなのかもしれません。

アイロニーだけを続けるとキリがありません。作者は、ある程度までアイロニーを実践したら、ユーモアにシフトするべきだと言っています。これによって、勉強を有限化するわけです。

言語の自由度を上げることは、思考の自由度をあげることです。

そして、言語の自由度を上げる方法は、アイロニーとユーモアがあって、どちらか一方ではなく、これらを繰り返すことが重要なのだそうです。

 

●アイロニーとユーモアの活用

ただ、これまでお話してきたことは、哲学の勉強ですね。

正直、難しい話です。

 

そこで、アイロニーとユーモアについえ、僕なりにアレンジさせてもらいました。

 

例えば、「ヨーグルトが癌予防になるらしいよ」という話があります。

 

これをアイロニーで考えるなら、次のようになります。

「本当にヨーグルトだけの効果なのか?ヨーグルト以外の要素を排除した実験結果かのか?リスクはないのか?」

こんな風に、まずは、ヨーグルトが癌予防になるのかどうか疑います。そして、調査します。懐疑的に勉強を進めるのがアイロニーです。

 

一方、ユーモアで考えるなら、次のようになります。

「ヨーグルトが癌予防になるなら、チーズも癌予防になるかもしれない!ヨーグルトは癌だけではなく心筋梗塞の予防策になるかもしれない!」

こんな具合に、ヨーグルトが癌予防になることに認めた上で、別のことを調査します。一つのテーマをベースに多様化した勉強をするのがユーモアです。

あと、「ヨーグルトとは何か?癌とは何か?」という具合に、各キーワードについて掘り下げて勉強をするのもユーモアですね。

 

勉強は、資格試験に合格するための勉強、仕事に直接役立つことを習得する勉強以外に、何らかのテーマについて知見を広げるための勉強があります。

何らかのテーマについて知見を広げる勉強は、「探究するアイロニー」と「広げるユーモア」を組み合わせることにより、自分なりに、一定の結論を出すことが重要ですね。

 

 

 ★具体的な勉強法

この本は、これまで読んだ勉強本とは全く違う本です。一応、いつ、どこで、誰が、何を、どうやって、なぜ、勉強するのか、整理しておきます。

 
①When:-
②Whrere:-
③Who:社会人、学生
④What:哲学

⑤How:読書(入門書⇒教科書⇒基本書⇒専門書)、ノート術(考えたことを列記する)

⑥Why:自由になるため、人生の新しい可能性を開くため

⑦モチベーション:-

 

 

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