技術者にとっての平和記念式典の意義 | 技術士を目指す人の会

技術士を目指す人の会

勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

●平和祈念式典

今日は8月6日。

原子爆弾が投下された日です。

 

昭和20年6月、広島市の人口は24万5千人。

原爆による死者は14万人。

つまり、市民の約6割が亡くなったわけです。

ほんとに悲しいことですね。

 

 

●チェ・ゲバラ

8月6日は、午前8時から平和祈念式典が行われます。

 

僕は、3年前から平和祈念式典に参列するようになりました。

 

平和祈念式典に参列するようになったきっかけは、チェ・ゲバラです。

 

何かの本を読んでいて、チェ・ゲバラに興味がわいたんです。

チェ・ゲバラは、元々は医師でしたが、キューバの市民革命のキーパーソンになった人です。

実は、チェ・ゲバラ、来日しています。その時、広島に来ています。広島は予定にはなく、かなり、無理をしたようです。そして、原爆資料館を見学して、献花もしたそうです。

 

このエピソードを読んだとき、

「広島市内に住んでいるだから、平和祈念式典には、毎年、行こう」

そう思うようになりました。

 

●関心の低下

昨今、広島市民の間でも、8月6日への関心が低くなっていると言われています。

 

そう言えば、広島市の小学校の登校日、今年から8月6日ではなくなりました。

ぼくらが、子供の頃は、8月6日が登校日でした。

その日は、平和学習をしていましたね。

今年から、8月6日が登校日ではなくなって、ますます8月6日や平和祈念式典への関心が低くなっていくと思います。

 

もちろん、このことで、平和への意識が低下するわけではないと思いますよ。

これからの世代も、「戦争をしてはいけない」、「核兵器を使ってはいけない」という意識を持っているでしょうし、培われ続けると思います。

このことは、信じていいと思います。

 

ただしです。

 

科学者やエンジニアが、仕事上、核兵器開発に繋がるプロジェクトに従事することになったします。

今の広島市民ならば、従事することを断るでしょう。

被爆した世代の惨劇を知っているからです。

 

しかしながら、これから生まれてくる広島市民はどうでしょうか。

戦争はしてはいけない、核兵器を使ってはいけない、このことを理解はしていても、仕事として核兵器開発に従事することについては、そんなに抵抗がないかもしれないですよ。

 

技術者倫理の難しさですね。

 

技術者は、開発した技術がどのようなことを巻き起こす可能性を秘めているのか、それを認識する必要があります。

 

そう考えると、戦争や核兵器使用について、直接的な関与ではなく、間接的な関与についても、真剣に考える世代を育てる必要があるわけです。こうしたことが広島市の使命なんでしょうね。

 

そのためにも、平和祈念式典や原爆資料館の存在は、永続的に必要なのかもしれませんね。