H29技術士の試験問題と解答(Ⅱ-1-4) | 技術士を目指す人の会

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2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

【問題】

-1-4 ポンプ及びバルブのキャビテーション発生のしくみと各々の対策を述べよ。

 

【解答のコンセプト】

●キャビテーション発生のしくみ

キャビテーションは、ポンプやバルブの内部で、流速上昇に伴い水圧が飽和蒸気圧まで低下した際、気泡が発生する現象である。

この気泡は、水圧が回復すると瞬間的に消滅し、その際の衝撃波が発生する。

これが頻繁に発生すると、ポンプの羽根車、ケーシング、バルブの弁体、弁箱等に壊食が生じる。キャビテーションは、ポンプ、バルブの故障原因になるため、対策を講じる必要がある。

 

●ポンプのキャビテーション対策

 吸込圧力の低下がキャビテーションの主原因である。このため、ポンプ付属配管においては、①吸込管の口径の増大と延長の短縮、②吸込用バルブの絞り込みの中止等が有効である。ポンプにおいては、①回転速度の低いポンプの採用、②両吸込ポンプの導入、③耐久性の高い材料の使用(ステンレス)が有効である。

 

●バルブのキャビテーション対策

 流量調整、圧力調整にバルブを絞って使用する際、1次圧と2次圧の差圧が大きいとキャビテーションが発生する。この対策としては、①流量調整用のバルブ(ロート弁、多孔可変オリフィス弁、バタフライ弁等)の導入、②複数バルブの直列設置、③耐久性の高い材料の使用(ステンレス)が有効である。

 

【ちょっとした感想】

問題は基本的なものです。難易度は★★ですね。

ただ、キャビテーションは過去に出題されていませんね。

それから今回の選択科目Ⅱ-1の4問ですが、①鉄マンガンの処理、②次亜塩素酸ナトリウム、③配水管口径、④キャビテーションでした。①と②が浄水関連、③と④が配水関連です。一見、バランスがいいように見えますが、技術の専門で考えると、①、②、④が設備で、③が土木です。土木系のエンジニアリングには難しい問題だったかもしれません。

 

 

 

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