「効果的・効率的」とはどんな意味か? | 技術士を目指す人の会

技術士を目指す人の会

勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、宅建士、電験三種等に合格。

テーマ:

効果的・効率的な計画とか、効果的・効率的に取り組むとか、効果的・効率的って言葉をよく目にします。

 

そもそも、「効果的・効率的」とはどんな意味か?

効果的も、効率的も、似たような言葉です。

それを組み合わせたら、どういう意味になるのでしょうか。

 

まずは、効果と効率の違いを考えてみます。

 

効果とは、ある行為によって得られた成果です。

効率とは、ある行為で消費した資源に対して、成果として得られた資源の割合です。

 

言葉の意味だけでは分かりにくいですね。

もう少し具体的に考えてみましょう。

 

まずは、効果について。

例えば、以下のようなAとBのプランがあったとします。

A=100万円使って120万円を得られた。

B=10万円を使って20万円を得られた。

 

効果とは、ある行為によって得られた成果です。この場合、利益です。

Aの利益=120万円-100万円=20万円

Bの利益=20万円-10万円=10万円

 

AとB、どちらも利益があります。つまり、両方とも効果はあります。

では、AとB、どちらが効果的かというと、Aになりますね。

 

次に、効率について考えてみます。

効率とは、ある行為で消費した資源に対して、成果として得られた資源の割合です。AとBについて、支出と収入の割合を考えてみます。

Aの割合=120万円/100万円=120%

Bの割合=20万円/10万円=200%

 

AとB、どちらが効率的かというと、Bになりますね。

 

効果はアウトプットとインプットと引き算で、効率はアウトプットとインプットの割り算です。

先程の話では、効果はAの方が高いけど、効率はBの方が高いです。

効果と効率で評価が異なるわけです。

  

効果と効率の話は理解していただけたと思います。

 

では、「効果的・効率的」の話に戻しましょう。

「効果的・効率的」はどんな意味か?

つまり、効果があって、効率の高いプランです。

 

例えば、「効果的・効率的」な更新計画というフレーズがあります。

効果的とは、更新する際に改良を加えるという意味です。更新する前と同じ物を整備すると、効果はありません。このため、更新に合わせて耐震化、省エネルギー化等により、更新前よりもグレードアップすることによって、効果的な取組を実践できます。

効率的とは、更新する際の費用を抑制するという意味です。このため、更新時のコスト縮減、延命化等を図ることにより、効率的な取組を実践できます。

「効果的・効率的」な更新計画とは、上記の両方を実現することを意味するわけです。