●厳しい質問
口頭試験。申込書に記入した業務内尿の詳細について厳しい質問をされることがあります。
例えば、以下のような質問です。
質問① この業務のなかで高等な技術力としてアピールできる部分はどこですか?
質問② この程度なら誰でも考えつくのではないのでしょうか?
質問③ この部分は間違っているのではないのでしょうか?
突然、こんな質問をされたら、頭の中が真っ白になって何もしゃべれないかもしれません。
逆に、「カチーン」ときて、喧嘩口調で語りはじめるかもしれません。
いずれにしても、こんな風に感情的になってしまうと、その後の質疑はボロボロになるでしょう。
合格できる可能性は極めて低くなります。
●厳しい質問をする理由
口頭試験を受験された話を踏まえるとです。
筆記試験の評価がAAの方は、業務内容の詳細について、正直、技術的にアピールできる部分が少なったとしても、こうした厳しい質問を受けていません。
終始穏やかな会話で口頭試験は終了しています。
一方、評価がAB、BAの方は、こうした厳しい質問を受けている方がいます。
実際、去年、評価がBAで、「論文のなかで高等な技術力としてアピールできる部分はどこですか?」と質問された受験生がいます。
なぜ、評価がAB、BAの受験生に厳しい質問をするのでしょうか?
理由は次のとおりです。
準備不足の受験生を不合格にするため
つまり、答いにくい質問をして、答えることができない状況を作りだして、不合格にするんですわけです。
では、厳しい質問を受けた者は合格できないのか?
そんなことはないです。
安心してください。大丈夫です。
実際、これまでに、評価BAで「論文のなかで高等な技術力としてアピールできる部分はどこですか?」という質問された受験生が2名いらます。
その方々は、ちゃんと合格しています。
●口頭試験に備えた準備
先程、説明しましたが、厳しい質問をする理由は、準備不足の受験生を不合格にするためです。
注目してほしいのが、「準備不足」の部分という部分です。
業務内容の詳細は、4月に作成して提出したものです。
もう変更できません。
しかしです。
技術的なアピールするために補足することはできるはずです。
筆記試験が終わってから4か月。
業務内容の詳細を補足するため、様々な検証をすることができたはずです。
口頭試験は、謙虚な姿勢で努力をしているかどうか、準備をしていたかどうかを問われるけです。
何もしていなければ「準備不足」、つまり、継続研鑚を怠ったものとみなされます。
だから、ちゃんと準備をしていれば、大丈夫です。
それから、思い出してください。
業務内容の詳細で示した技術的提案は、自らの組織のなかで「成功」という形で終わっているのです。
技術力、独自性、正確性も発揮して、大きな成果も出ているはずです。
そして、それは自分だけではなく、その業務に携わったメンバー全員で勝ち取った成果です。
自信を持ってください。
結局のところ、試験官は受験生を試しているだけなのです。
業務内容の詳細には書ききれなかった技術的な部分をクローズアップしてください。
「どんな技術を思いついたから成功したのか?」この問いに答えることができるよう自問自答を繰り返してください。
●厳しい質問への対策
厳しい質問に備えて以下の①~③ような回答を事前に準備して、謙虚かつ冷静に答えられるようにしておいてください。
★質問① この業務のなかで高等な技術力としてアピールできる部分はどこですか?
回答①
「◇◇の部分は、十分な説明がされていないかもしれませんが、過去10年分のデータを集計し、技術的な分析を行ったものです。この分析結果に基づき、最も効果的な対策を選択して対策を講じたもので、組織内の技術部門で高く評価されています。」
★質問② この程度なら誰でも考えつくのではないのでしょうか?
回答②
「△△の部分は、他でも似たような方法が導入されている事例もありますが、当該業務で用いた技術的な検討方法は、あくまでも本市独自のものであり、初の試みでもあります。」
★質問③ この部分は間違っているのではないのでしょうか?
回答③
「□□の部分は、実験結果に基づき数値を整理・抽出したもので、この結果に基づいて、実際の現場でも対策を講じているものです。ただ、もしも、誤記があるようでしたら、誠に申し訳ありませんが訂正させてください。」
さぁ、最後の最後まで、全力で勉強してください。
ちゃんと準備をしていれば、合格することができます。
それでは、頑張ってください!
なお、技術士法と倫理については、以前のブログで一覧を示しています。
詳しくは、 こちら をどうぞ。
※ 口頭試験では、筆記の試験問題について質問されるようです。
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※「技術士に求められる資質能力」についてもチェックしておく必要があります。
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