【質問】
小学2年生の緘黙症状のある子の保護者からの質問です。
4月に2年生に進級しました。
新年度の環境について相談したいことがあります。
担任の先生は、今年からの新任の若い先生です。
先日学校での様子を聞いたころ、次のようにおっしゃっていました。
「話せなくてもお友だちが手伝ってくれるので、安心しています」
お友だちが手伝ってくれるのは確かに安心ですが、何か納得しきれないところがあります。
ここから担任の先生とどのように連携していったらよいでしょうか。
【回答】
話せないのは全然「安心」なことではありません。
まずは「話せないのは困ること」という認識を共有しましょう。
「話せない」ことは、とても困ること
「話せなくても困らない」という話をよく聞きますが、これは大変な間違いです。
こちらの記事をご覧ください。
確かに、周りの支援や配慮があれば、学校生活を無事に過ごすことはできます。
ですが、話せなければやはり困る、ということに変わりはありません。
例えば音読や日直などの場面では、どうでしょう。
周りの子が代わりに言ってくれたり、当てられないで飛ばされたりすることになると思います。
それは本当に「安心」していい状態でしょうか?
いつまでも「話せない」状態が続いてしまうリスク
この問題の最大の注意点は「いつまでも緘黙症状が改善しない」というリスクです。
「話せなくても困らない」にしてしまうと、その状態が長く続いてしまう可能性があります。
中学生、高校生になっても話せない状態が続くことも珍しくありません。
こうなってしまってか対応の仕方がよくなかったと後悔するのはやめましょう。
今の時点で問題が認識できているなら、今から対応を開始することをお勧めします。
担当の先生とよく相談し、話せる状態を目指す
担任の先生は若い方なので、まだこういった問題には詳しくないのだと拝察します。
まずは「話せないことは困ることだ」という認識を共有するところから始めてください。
その上で、しっかり計画を立てて話せる状態を目指しましょう。
小学2年生なら、担任の先生と話せるようになるために練習に取り組むのも効果的です。
緘黙症状は、適切な対応をすれば数ヶ月から2、3年のうちには改善させることができます。
今から始めれば3、4年生のうちにかなり話せる場面を増やせます。
「話せなくても困らない」ではなく、「安心して話せる」状態を目指しましょう。
今のうちからしっかり計画を立てて対応していくことを強くお勧めします。

