本当に場面緘黙の症状を治したいなら、絶対してほしいこと | 場面かんもく相談室「いちりづか」

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「緘黙症状が改善しているか」を振り返る

 
場面緘黙の症状は、適切な対応をすれば比較的簡単に改善するケースが多いです。

数ヶ月で改善する子もいますし、長くても数年あれば改善させることができます。

早期から適切な対応ができれば、多くは小学校低学年のうちには話せるようにります※。

※症状が重い、緘黙症状以外の問題が大きい、二次障害が大きい、取り組みが遅れた、等の例外はあります

 

ところが実際には、症状が改善しないまま長期化してしまっているケースもあります。

そこで今回は緘黙症状を長期化させないためにすべきシンプルな対応について説明します。

 

 「緘黙症状は改善しているか」を振り返ってみる 

「いつか話せるようになる」

園や学校で話せない子を見て、そう期待する親は多いと思います。

医師や専門職からそう助言されることもあるでしょう。

 

ですが「いつ話せるようになるか」は人によって違います。

高校生になるまで緘黙症状が続くこともありますし、大人になっても話せない人もいます。

話せるようになるのを待っているだけでは、いつまでも緘黙症状が治らないかもしれません。

 

そこで、ぜひしていただきたいことがあります。

それは「この1年間で緘黙症状は改善したか」を振り返ることです。

 

1年前と比べて話せる相手や場面が増えていますか?

話せる相手や場面が増えているなら、症状は改善に向かっていると言えます。

その場合は「いつか話せるようになる」でもいいのかもしれません。

 

ですが、そうでないなら「いつか話せるようになる」という幻想は捨てましょう。

1年前と比べて改善していないなら、1年後も改善はしていないでしょう。

緘黙症状の改善にしっかりと向き合うことをお勧めします。

 

 小学2年生までに治ってなかったら、楽観視はやめるべき 

もし「いつか話せるようになる」に賭けるなら、いつまで見守るかを決めましょう。

それを考えておかないと、いつまでも話せない状態が続いてしまうかもしれません。

 

私のお勧めする限度は、小学2年生までです。

小学2年生になるときにまだ緘黙症状が続いていたら、もう楽観視はやめた方がいいです。

ここで考えるべきなのはやはり「この1年間で緘黙症状は改善したか」です。

 

もし1年生のうちに改善がないなら、長期化するかもしれないと考えるべきです。

そして本気で緘黙症状を治すことついて考え始めててください

 

 治療を受けている場合も同じ 

この考え方は、病院や専門機関等にかかっている場合も同じです。

「この1年間で緘黙症状は改善したか」を必ず振り返りましょう。

 

場面緘黙の症状は、病院にかかれば自然に解消していくというものではありません。

効果的な治療ができていなければ、病院に通っていても症状が改善しないことはあります。

カウンセリングや療育についても同じです。

1年前の状態と比較して、緘黙症状は改善したかを振り返ってみてください。

 

 

もし緘黙症状が改善していない場合は、まずは改善の見通しを医師や専門職に聞いてください。

納得できる説明がなかったら、その機関では緘黙症状を治すことができないということです。

その場合は他の機関を探すことをお勧めします。

 

場面緘黙の症状は、適切な対応をすれば比較的簡単に改善するケースが多いです。

しっかり計画を立てて、緘黙症状の改善を目指しましょう。