場面緘黙の「話す練習」が上手くいくには、本人との相談が大事 | 場面かんもく相談室「いちりづか」

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先日チャットで面談した緘黙症状のある大人の方(こちらの記事)から、

「練習が上手くいった」という報告をいただきました。

 

<一部再掲>

 【相談の概要】 

Aさんは小学生の頃から緘黙症状がある大人の方です。

家族とは家でなら話すことができますが、外出時や職場の人とは話すことができません。

「緘黙症状を改善させたい」という希望があり、Aさんご自身からご依頼いただきました。

40分ほどかけてチャットで詳細をお伺いした後、「話す練習」の計画を一緒に考えました。

(略)

 

 「話す練習」の相談(主にチャット) 

高木:コンビニで、他人がいないとき、声を出さないで買い物をする

Aさん:2

 

高木:コンビニで、他に人がいないとき買い物をするときに、レジ袋いりますかと聞かれて「いりません」とかすかな声で言う

Aさん:2.8か2.9

 

(略)

高木:コンビニで、他に人がいないとき買い物をするときに、「Suicaでお願いします」とかすかな声で言う

Aさん:3

 

<再掲ここまで>

 

→以上のやりとりから、コンビニで、他に人がいないとき買い物をするときに、「Suicaでお願いします」とかすかな声で言う」を宿題にすることになりました。

 

 店員さんに声が出せた! 

Aさんはその後、宿題にした話す練習にしっかり取り組んできてくれました。

 

そして1回目の練習で、夜にコンビニで「Suicaでお願いします。」と答えられたそうです。
緊張したものの、練習の内容が明確だったので取り組みやすかったとのことでした。

不安レベルは5段階で「3」だったそうです。

 

これまでAさんは外出時はほとんど声が出せませんでしたので、これは大きな前進です。

 

前回の記事で、<この方法で「少し難しいけど頑張ればできそう」という絶妙な難易度の練習を設定できます>と書きました。

今回の練習メニューはまさに、Aさんにぴったりの難易度だったと言えそうです。

 

成功の秘訣は、やはり「Aさんと相談しながら練習の方法を考えたこと」

「話す練習」が上手くいくには、本人と相談しながら考えることが不可欠です。