この震災復興の大変なときに、「カラー?」と言わずに耳を傾けてください。
これから徐々に仮説住宅の建設が始まっていくと思います。
阪神大震災のときもそうでしたが、急務であるがゆえに、その仮説住宅の色まで考慮されず、
その壁の色はあまりに温かみのないグレーだったりしました。
長期にわたって見続ける色、というのは、本人が自覚する以上に
心理面に大きな影響をもたらします。
どこまでも続く仮設住宅の色が、知らず知らずのうちに
心を沈めてしまうのになってはいけません。
心を落ち着かせつつも、どうか温かみのある色を選択してください。
例えば、仮説住宅の色には、やさしいクリームがかった白を。
カーテンなどの色にも、考慮してください。
こいったとき、無難という理由で「青」が選ばれがちですが
青の中でも、パステル調で白よりのブルーならOKですが、
濃い青だったりすると、落ち着きはもたらしてくるものの、
物事を積極的に、前向きに捉える、という方向へ気持ちを導いてくれません。
パステルの黄色やオレンジ・ベージュ、やさしい緑など、明るい色・温もりのある色が
気持ちをプラスの方へ導いてくれます。
また、人が集う施設や病院を新たに建設するときにも、
「安定している」「明るい」「温もりがある」といったイメージを与える色や配色に考慮してください。
トーン・オン・トーンの配色か、薄い色をベースカラーに、濃い色をアクセントとした色の組み合わせを。
濃い色は地面に近い位置に、薄い色は上の位置にあると、安定感が出て心も安定します。
ちなみに、家具や備品などには、ちょっと曲線が混じっているものを選んで欲しいと思います。
椅子のちょっとしたカーブや丸みが、ほっと心をやさしく撫でてくれることもあります。
また元気になりそうだから、といったイメージで、ビビットな赤や黄色などを多用すると、
疲れてしまうので、くれぐれも気をつけてください。
同じペンキを塗るなら、何色をチョイスするか。
どんな備品をチョイスするか。
ちょっと考慮するだけで、未来への力が確実に変わります。
団体で一つの場所に暮らしているときよりも、
個々に隔離された場所に移動してからの方が、メンタルケア―の重要度が増します。
希望という名の灯が消えないように、ずっと持続するように。
復興支援にあたられる関係者の方々、行政の担当者の方々には、
このような状況下だからこそ、
「色」がもたらす心理効果にも、ぜひ考慮していただきたい、と切に願っています。
・・・と、どうやって、この色の重要性を関係者に伝えていけばよいのか、
すぐに手段がみつからず、こうしてブログに書きました。
もし、お手伝いできるルートなどをご存じの方がいらしたら、
ぜひ教えていただけないでしょうか。
カラーの力、イメージブランディングという仕事を通して得てきた、
その場、ニーズにあった、モノ選び、空間作りのノウハウをお伝えして、
お役に立つことができましたら、何より幸いです。