山というほどではないが近所に雑木林がある。
その雑木林の中にコンクリでできた古い階段がある。かつては浜辺に降りるための階段だったろう。
階段の先に広がるのは、クルマの多い国道と林立する集合住宅で、工場に取り囲まれた浜辺は遙か遠くへ押しやられてしまっている。
階段の途中に新しい男物の革靴が一足置かれていた。
だれがなぜ、そこにそんなものを残したのか。理由はよくわからない。
よくわからない理由は占ってみるに限る。
かみさんに頼んで「小槌乃神秘」にお伺いを立ててもらう。
この占術、ぼくがやるとサッパリだからである。
曰く、『山神様の祟りがあります』。
翌日、同じ所に行ってみたら依然、靴はそこに。
ありえないことではないが、ふだんはあまりないこと。
祟りという表現にはなっているが、精霊の悪戯だと思うことにした。
